2015年06月

2015年06月30日

草雲便りNo.30:メリー・ジェーン~6月の本棚

♪Mary Jane on my mind I cry my eyes out over you……


これはディスコ(笑)チークタイムの定番曲だった(はず)『メリー・ジェーン』ですが、靴の種類(?)にあるんですね。『なでし子物語』に出てきて(後半になり登場人物ひとりひとりのいろんな心情がわかって……最後は涙が出そうになってしまった!)あの靴にそんな名前があったのかと思いました。


【mary jane】……多くはストラップで固定するシューズを示し、その中でも踵は低めで少し厚めの靴底、光沢のある黒めのパンプスタイプを示すことが多い。名称は、漫画の「バスター・ブラウン」内の主人公の妹が履いていて、その名前が由来。女子学生や少女が履く傾向があり、ロリータファッションなどでも着用される。……そうで……わかりやすいのが『不思議の国のアリス』のアリスがはいているあの靴でしょうか? 



「美しい靴は美しい場所に君を運ぶ。スポーティーな靴は君をスポーツの場に連れ出すだろう。靴はそれに応じた場所へ君を運び、その場所は君の人生を形作る。」



本にこんな言葉があって、う~ん、言えてるかも……なんて思いました。以前『天使の靴』という外国の話を読んだのですが、たしか病気の母親がイエス様に会いに行く(涙)ために綺麗な靴をはかせてあげたい!と少年は出掛けるのですが、お金が足りなくて…という話だったような……。




今月もお付き合いいただき、本当にありがとうございました。7月もどうぞよろしくお願いいたしますm(__)m


追記
https://fashiongtonpost.com/ja/meri-jen/


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rohengram799 at 09:23コメント(14) 
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2015年06月29日

草雲便りNo.29:自立と自律

サッカーの女子ワールドカップ、カナダ大会で「日本代表・なでしこJAPANが4強!!」のニュースを見聞きしたからではありませんが(伊勢なでしこの時に読むつもりでした~!)伊吹有喜さんの『なでし子物語』を読んでいます。続編も書かれているようです。

静岡県の天竜川流域の山間にある架空の里・峰生が舞台。そこには江戸の頃から山林業や養蚕業で栄え、事業を広げてきた遠藤家が持つ「常夏荘」があります。広大な敷地には邸宅以外に、ゲストハウスや使用人が住む長屋に蔵も建ち並ぶという、ちょーお大尽さんなおうち(笑)時代は1980年。伊吹さんご自身は三重県の出身だそうで、小さい頃住んでいたところにも山林王の大きなお屋敷があったとか。「歩いても歩いてもそのお家の塀が続いていましたね。身近な存在だったんです。彼らは木を植えるのに二代三代先のことまで考えるので、時代の流れを読むのに敏感な人たちだそうで、今でも各地に山林王はたくさんいると聞いています。」とのこと。実際の土地を舞台にした場合、どの一族か特定されてしまう可能性があるので架空の場所を作ったそうです。○○王とか最近は聞かない…かな? 海運王とか石油王とか外国の大金持ちのイメージしかありません(^。^;)

一族はすでに東京に拠点を移していて、ここ常夏荘は女主人と使用人たちが静かに暮らしています。女主人は遠藤照子、47歳。本家の当主である遠藤龍巳の長男、龍一郎と結婚し長男が生まれますが、夫は10年前に病死。その後息子が大学生になったのを見届けてから、常夏荘で暮らしはじめます。夫との思い出にひたりながら、静かに暮らすため……だったのに、そこにやってきたのは、龍巳が若い愛人に産ませた立海7歳。

病弱な彼は転地療養のために家庭教師の青井(なんかハイジのロッテンマイヤ夫人を思い出すキャラ)と一緒にここで過ごすことに。立海は女の子のような服装で言葉づかいも「なあに」「お夕飯」という感じ。伊吹さんは「小さい頃は男の子よりも女の子のほうが強いので、病弱な男の子には女の子の格好をさせるという風習があったようなんです。私も小さい頃、身近に女の子用のキュロットなどをはいていた男の子がいて、お姉ちゃんのお古を着ているんだなと思っていて。実はその子は病弱で、そうした風習のために着ていたと知った時には、ああ、あの服装には親御さんたちの切実な願いがあったのか、と思いました。その記憶があったものですから、立海の人物像はすーっと浮かんだんです。話し言葉に関しては、ばあやさんが英語も日本語も話せる日系の方で、昭和のクラシカルで美しい日本語を話す人だったのでその影響を受けているということにしました」とインタビューで言っていました。彼の母親については何か訳ありっぽい……まだそこは読みかけなので謎なままです。

もう一人、山の管理をしている使用人、間宮勇吉の孫の耀子・10歳がやってきます。勇吉の息子(耀子の父)はすでに亡くなっており、母は男とかけおち(--;)施設に預けられたりした後に、ここに来ました。耳垢がたまりにたまって聞こえが悪く、また食事も満足に与えられなかったので、とにかく早く食べなきゃ!でがっつく……学校ではイジメの対象になってしまいます。学校でひどいヤケドをしたのをきっかけに立海の家庭教師の青井から「選びなさい。変わる? 変わらない?」と問いかけられます。すべてを諦めるには早すぎる、まだまだ未知なる可能性を秘めた子どもの耀子、学びに意欲を見せた彼女に最初に教えるたのは「ジリツとジリツ」でした。


自立、かおを上げて生きること。
自律、うつくしく生きること。
あたらしいじぶんをつくること。



「イメージとしては撫子の花。花屋にある薔薇や百合のような大輪の花とは違って、撫子はどこにでも咲いている小さな花だけれども、そこで精いっぱい天をあおいで咲いている。この花のように、撫でたくなるような愛おしい子たちの話だと意識して書いていました」  

三人がそれぞれの想いを語るみたいなかたちになっているので、感情移入もしやすく読みやすいです。まだバブル景気にわくこともなく、一億総中流なんていってもまだまだ番地方と都会、貧富の差もあり、職人気質の人たちがたくさんいた時代……懐かしいような、でも今も抱えている悩みに変化はないような……作者インタビューはコチラです。

http://www.quilala.jp/fbs/old_from_bs/pu_interview54.html


明日からまた梅雨空に戻りそうですが……「自由・自主・自尊・自律」(どこかできいたような…しかしワタクシは帝国ファン!)でまた1週間頑張りましょう o(`^´*)





rohengram799 at 10:40コメント(6) 
空のお城図書館 

2015年06月28日

草雲便りNo.28:はらいたまえ、きよめたまえ

明後日30日は『夏越(なごし)の祓(はらえ)』ですね。6月の終わりに半年のけがれをはらい、残る半年の無病息災を祈る神事です。各地の神社で、大きな輪をくぐって身を清める「茅(ち)の輪(わ)くぐり」が行われます。


http://azby.fmworld.net/gpp/photohaiku/mobile/gallery/detail/view/id/3013609841-000881/



そして今年は「夏越ごはん」なるものが登場しました……夏野菜などのかき揚げを雑穀米のご飯にのせたどんぶりで、丸いかき揚げや丸い器を茅の輪に見立てたらしい。雑穀米に含まれる豆は邪気を払うとされいるそうです。東京都内の神社34社で「夏越ごはん」のレシピと「雑穀米」がご神饌として配布予定。レシピは、神事の伝承を参考にしながら夏バテ防止にもつながるよう、料理研究家の協力も得て作成したそうですが、そんなに大げさにしなくても……と思っていたらウラ(?)にはやはり大物が( ̄0 ̄;)


提唱しているのは、農林水産省管轄の米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)というなんかいかにも……な長い名前のトコロ。大みそかの年越しそば、節分の恵方巻きのような消費者に受け入れられる新たな季節の行事食として、定着を図り、コメの消費離れに少しでも歯止めをかけたいんだそうな……。日本記念日協会に6月30日を「夏越ごはんの日」として登録申請もしていて、認定されたそう。オツカレサマデス……!


都内の15店の飲食店では30日まで、オリジナルの夏越ごはんを提供。価格はランチで1000円程度が多いそうです。ちょっと高くないかい? 参加する神社や飲食店は、ホームページ(http://www.komenet.jp/nagoshigohan/)を見るとわかるそうです。



季節の行事にあわせていろんな団体がいろんな企画を出してきて、楽しみな人がたくさんいるとは思いますが、本来の意味はなんなのか、知ろうとしないで食べる、はしゃぐ、迷惑かける人もいると思うので、その点はちょっと心配になりますわきっと七夕の時も関連がよくわからない食べ物とかスーパーにたくさん並ぶんでしょうね(;´д`)



ところで……学校給食費を「払えるのに払わない」保護者が問題になってだいぶ経ちますが、埼玉県北本市立の中学校4校は、3カ月未納が続いた場合は給食を提供しないことを決定し、7月から実施を予定。未納額が膨らんだことによる苦肉の策。各家庭に通知したところ、該当する保護者43人のうち、納付の意思を示さない保護者は3人に激減したそうです……(ー_ー;)



払えるならきちんと払って、子どもに恥ずかしくない親になれや!と思ったワタクシでした。皆さまは心身ともに清らかな日曜日をお楽しみ下さいませ。





rohengram799 at 08:59コメント(12) 

2015年06月27日

草雲便りNo.27:夜中の癒し

昨日の帰りは雨……電車から降り改札に向かう人たちの中にフレアスカートにリュックの女性、このスタイルの人はよく見かけるので違和感はないのですが、足元が……なぜビーサンなの……長靴ならまだわかる……でも昔ながらのあの、ゴムゾーリタイプ(?)のビーチサンダル(;゜∀゜) どしゃ降りではなかったから普通のパンプスでも大丈夫だったと思うのに……ちょっとショーゲキでした(◎-◎;)



新聞に『読んだら忘れない読書術』という本の広告があったのですが、私はこういうのはあんまり好きじゃないです……自己啓発本やビジネス書なんかを読んで記憶しておきたい人向けなのかしらん?と思ったりしましたが、忘れたくないなら専用ノートでも作って、気になるフレーズを書き出せばいいのに…とか思ってしまう(-_-;) 「以前読んでなんかよかったよなぁと思ってまた読み返したくなるのが自分にとってのいい本」というような文章を読んだことがあり、うんうん、そうだよなぁ…話を全部記憶していなくてもその読後感とか雰囲気はずっと覚えているっていうのはあるよね、と思いました。だから乱読がいいの(笑)


最近は本屋に行くとお笑いのピース・又吉さんの帯がついた本とか彼のおすすめ本コーナーがありますが、あまりにも多くてちょっとウンザリしています~帯のコメントとか本選びの参考になるのはたしかなんですけどね。あとやたら「感涙」「感動」の文字を撒き散らすのもやめてもらいたいです(-。ー;)



昨晩はこの夏ドラマになる森沢明夫さんの『癒し屋キリコの約束』を読んだのですが、自分の思っていたのと違った~!!  舞台は、東京・谷中近くの喫茶店『昭和堂』。一見ごく普通の喫茶店ですが出入口脇のレジの横に、神棚が祀られていて、その神棚の前には賽銭箱まで置かれている!! 申し訳ないのですが、この神棚の扱い方からすでにちょっと……。オーナーは、有村霧子(ドラマでは宝塚の男役トップだった遼河はるひさんが演じます)という年齢不詳の女性。妖艶で無愛想、いい加減でとにかくお金にがめめつい……それなのに、何だか皆から愛されいるという設定。でもどうしても、きれいなはるひさんではなくてマツコ・デラックスが浮かんでしまう……(;´д`) その店の雇われ店長が柿柿崎照美(前田亜季さんが演じます)通称・カッキー。いわくありげな雰囲気がぷんぷんするアラサ―。タイトルの「癒し屋」はこの店の裏稼業なんですが、あんまりというかウンウンと頷きたくなる言葉はあるんだけれど、なんだか表面だけのキレイなセリフな気がしてあんまり感情移入できなくて……期待が大きかった分、なんかガッカリしてしまいました。


親子や夫婦、万引きやDVやら結婚詐欺やらいろんな社会問題が出てくるのですが、それも中途半端な気がして……読書メーターで皆さんの感想を読んだら「おもしろい」とか「感動した」「よかった」の意見が多くて……えっ、私がヘンなのかな(ーー;)


昭和歌謡曲の選曲もフレーズもしっくりこなくて、言葉は悪いですが「売るために書いた」「締め切りに終われて練りが足りなかった」という印象が拭えませんでした……この作品が好きな方、大変申し訳ございません(;>_<;) 森沢さんの作品はやっぱり一番最初に読んだ『津軽百年食堂』がNo.1ですわ~と思った夜中の読書でした。



そうそう、実家近くに「昭和堂」がありましたが、本屋さんでした(笑) 今だと「平成堂」とか店名をつけたのかしら? 本に癒されなかったワタクシはその後、コンビニで買った杏仁豆腐を食べてしまいました……皆さま、癒されるステキなものと出逢える土曜日になりますように……では、仕事にいってきま~すヾ(・◇・)ノ





rohengram799 at 09:58コメント(14) 
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2015年06月26日

草雲便りNo.26:シルクの(悪)夢

九州の豪雨、鹿児島の避難所のニュースでは高齢の方々が多く映っていました。健康状態が気になります。被害が拡大しませんように。皆さまも通勤・通学、お出掛けや車の運転など、どうぞお気をつけ下さい。



『ドリームダスト・モンスターズ』『白い河、夜の船』『眠り月は、ただ骨の冬』櫛木理宇さんのシリーズ作品を続けて読みました。文庫書き下ろしで表紙がラノベっぽいイラストなんですが、フツーに(笑)おもしろかったです。


人の夢へ入って覗くことで悪夢に関する依頼を解決する「ゆめみや」の仕事をメインにした連作短編集。催眠療法に近い感覚があるかな? ゆめみやは自己故解のお手伝いをするだけ。3作目はまるまる一冊、ひとりの女の子の夢を追いかけます。主人公の晶水(あきみ)が本人は意識していないけれどツンデレで、ストレートに気持ちをぶつける壱(いち)の関係がドロドログロ感もある夢の話の中で、ホッとするというかほほえましいです。これぞ青春!!みたいな(笑)身長差ありのふたりがカワイイです。 壱の祖母で、ゆめみやの主の千代さんもステキな方! お料理上手で教え上手で聞き上手で、人付き合いも悪くない…晶水との関係もベッタリしていないけれど、慈愛に満ちていて、こんなおばぁちゃんに会いたかった!と思いました。 次作はあるのか? まだわからないので本屋でチェックをかかさないようしよう♪



「悪夢」というと以前『悪夢のエレベーター』(木下半太)という本を読みましたが、同じ作者の『鈴木ごっこ』を買いました。昔、プレステのソフトに『鈴木爆発』というのがあり(導火線を正しく時間内に切断しないと爆発するというもの。品物はみかんだったりいろいろ)好きなゲームだったので(クリア出来なかったけど)それを思い出してタイトル買いしてしまいました( ̄▽ ̄;) 借金を抱えた男女4人が1年間「家族ごっこ」をする…慣れてきた頃にまた命令がくるらしく……なんかドキドキします!!



話はかわりますが「シルクワーム」という文字を見て「おかいこさんもオシャレな言い方になったもんだ」と思いました。爬虫類の生き餌用に育てる人がいるようです。皇后さまも毎年5月初旬の「御養蚕始(ごようさん はじめ)の儀」から7月初旬の「御養蚕納の儀」まで 、約2ヶ月の間に蚕を飼い育てて繭をとる作業をされますよね。皇后さまが育てていらっしゃるのは「小石丸」という品種だそうですが、飼育はかなり難しいとか。私は簡単でもおかいこさんは育てたくないです……キモい、コワイ、触りたくない~!! ←なのに書いてごめんなさい!!! いずれは雅子さまが引き継がれると思うのですが……雅子さまは大丈夫かしら?などと余計な心配をしたりして(O.O;)(oo;)



悪夢の回顧ではなく、極上のシルクのようなスベスベお肌の美女たちに囲まれるウハウハな夢をみられますように(おやぢだ!)~どうぞよい週末を!!






rohengram799 at 10:26コメント(10) 
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