2010年12月28日

第371号:さよならもいわずに

本当は『新天皇論』と一緒に購入した漫画なのですが、クリスマスイブの話題にはちょっと…と思い、前の記事とのつながりみたいな感じで紹介させて下さい。


本屋の新刊コーナーに平積みされていた、表紙に涙のあとがデザインされた『さよならもいわずに』という漫画。


『帽子男』を描いていた人の実話で、私が購入したのは五版目。初版が8月だから、たくさんの人が読んだのだと思われます。


突然やってきた最愛の妻との別れ…何気ない日常が悲しみの毎日に…そして今ある新たな生活。「そんなのよくあるお涙チョーダイ話でしょ~(-.-)y-~」と言われたら、それまでだけれど……。


でもね、これを描きたいという作者の業(ごう)、葛藤、観察力…半端な気持ちでは絶対ムリだと思うんですよ。ヒトコマ、ヒトコマ、線の一本一本から伝わる絶望は、深く心に突き刺さって苦しいです。


作品中に出てくる思い出の歌や映画、漫画は世代が近いこともあって懐かしくまた悲しい。


最愛の人を亡くしても、生きている人間には、また生身のあたたかい人の熱が必要なのだと、理屈っぽくなく受け止められる作品です。


やっぱり漫画家さんは画がうまいんだ~なんてノンキに眺めて手にした本、帯のコメントにひかれて衝動買いした本…ですが見れば見るほど、表紙の涙が誰のものなのか、考えずにはいられません。





rohengram799 at 00:46コメント(13) 
空のお城図書館 | お墓・葬儀・終活・メメントモリ

コメント一覧

1. Posted by てんし   2010年12月28日 03:52
おはようございます

何だか私もオスカーさんのブログを読んでいるうちに、是非とも読んでみたいと思いました。

今度書店に行ったら尋ねてみたいと思います。

今年も何枚かの喪中のハガキが届きました。

中には同級生の死を告げた喪中のハガキもあって、ビックリしてしまいました。

私も約8年前に交通事故に遭って、生死をさまよいました。
だから尚更死については『人事(ひとごと)』と思えなくなってしまいました。

私も最後は死んでいかなければなりませんが、最愛の人を亡くした人の立場を理解してあげられるような人間でいたいと思っています。
2. Posted by なう60   2010年12月28日 06:47
オスカ-さん
おはようございます。
「最愛の人を亡くして」の物語、ヒトコマ、ヒトコマ、線の一本一本から伝わる絶望は、深く心に突き刺さって苦しいです。心境が伝わってきます。

読みたい?と言われたら、古希になり「限られた人生」を感ずる歳になると現実的であり見たくありません。(笑)妻曰く「子供二人は、県外、誰に見てもらう?お墓のことを含めて、死後のこと、逃げていると問題」とよく言われますが。
3. Posted by pangasuki55   2010年12月28日 08:03
オスカーさんの記事でどんな漫画なのか
気になったので検索してみたんですが、、、

奥さんのお葬式が終わった直後に担当者に
この漫画を描くことを告げられたそうですね。
また気になる漫画ができました!!
4. Posted by オスカー   2010年12月28日 08:06
§てんし様
丁寧に亡くなられた日だけでなくその後の出来事が描かれていて、葬儀を体験したことのない人でもこういう風に物事はすすむのか…と理解できる冷静な視線がかえって辛いです。文字でなく視覚に訴える力は圧倒的です。

§なう60様
「出会ったから生き別れか死に別れしかない」ということで、早くからこのお二人はいろんなことを取り決めていたようです。ウチはどうするのだろう?と考えてしまいました。
5. Posted by オスカー   2010年12月28日 08:14
§pangasuki55さま
奥様は漫画の中でうまれたのではなく、確かに存在したのだと、読み返す度に思います。中島みゆきさんの『あした』がようやくわかる年になってきたのかも…。
6. Posted by あっきー   2010年12月28日 16:24
こんにちは♪
前回同様、うるうるしている私です。
『さよならもいわずに』というタイトルからして、もうダメですね。
お涙ちょうだい話、大好きです(笑)
「ヒトコマ、ヒトコマ、線の一本一本から伝わる絶望・・・」
ウマい!思い出の歌や映画もどんなものなのか興味ありますね♪
7. Posted by こうしん   2010年12月28日 19:12
こんばんは!!
久万高原60cm 中山50cm 内子40cmの積雪
案外こうしんの住む大洲のほうは少なかったです。
まだまだ寒波・・・・・
こうしん夫婦とも実家は山間部・・
お正月の移動が年続きで困惑状態デス。
はーやくこいこい お正月 いやいや
♪♪お天道様♪♪デス
そちらの天候はいかがでしょうか?
8. Posted by オスカー   2010年12月28日 19:34
§あっきー様
奥様は『あした』と『瞳を閉じて』をよく歌っていたみたいです。平井堅さんのバラードは歌詞がスゴすぎて、どこからこんな言葉が出てくるのだろうといつも思いますが、今回の話で登場して切なさ100倍になりました。

§こうしん様
こちらは初雪の便りもまだですが、風が冷たいです。なんとなく風邪のひきはじめ…を予感しながら、大丈夫!!と言い聞かせています(笑)
9. Posted by トリテン   2010年12月28日 19:58
「突然の別れ」に興味を持ってさっそく、この年末のあわただしい買い物客で賑わうデパートの書店に入ってしまいました。

う~ん、突然すぎます。何の前触れもなく、病気といっても突然死の危険性もなく・・・

夫のいびきを理由に、寝室を別にしてもう数年、これから先が案じられます。お互い朝起きて来なかったら?
私は、朝が弱いので大抵9時ごろまでベッドでテレビを見ていますが、早起きの夫が遅すぎる時はちょっと心配しますよ。

あすなひろしさんのカットが懐かしかったです。もう故人ですけど。
10. Posted by まろゆーろ   2010年12月28日 20:54
一週間くらい前のテレビドラマでしたか、奥さんを亡くした國村隼演じるダンナさん。迫真の演技でした。二度と会えない別れ方をするご夫婦ほど、生前から愛が深いような気がします。酷ですね。
別れるくらいなら出会わなければ良かったと、私も離婚騒動の時に思いました。子供に失礼な考えだったなぁと今では反省しています。
人生いろいろあるから楽しいもんだと、「思う勇気」が大切ではないでしょうか。
どうやらここのところの寒さで脳細胞が正常になり過ぎたようです。元に戻らねば!!
11. Posted by オスカー   2010年12月28日 22:21
§トリテン様
作品中の『泣く』カット集は漫画家さんならではだと思いました。またプロだからこそ、見せ方をよく知っているから、読者に訴える力がとても強いんだなぁと…。
トリテン様の話を読んで、母がよく「息をしているか気になって寝顔を見にきた」と言っていたのを思い出しました。

§まろゆーろ様
重松清さんの『その日の前に』は別れがわかっている人々の話でしたが、どんな形であれサヨナラは辛い…。『ラストシーンに愛をこめて』の歌詞が頭をよぎります。
♪ありがとう ラスト・シーン
お芝居ならば 幕がおりても またステージ裏で熱く
笑って抱きあえるのに…
(;_;)/~~~

12. Posted by kouchan   2010年12月29日 14:10
僕気づいちゃいました! なぜ僕の最愛のひとが僕に冷たいのか…。
それは…

僕、就職で上京する→彼女とは離れ離れ→僕に寂しい思いをさせたくない→冷たくすることで、僕に嫌われて忘れてほしい

とまあ、こんな感じだと思います(ドラマや映画の世界観が体にしみ込みすぎた妄想男の戯言orz)
13. Posted by オスカー   2010年12月29日 17:48
§kouchanさま
妄想力は生きるチカラだからね!!(力説) 年が明けたら何かがかわるかもよ~2011年とかじゃなくて(笑)

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メッセージ

名前
メール
本文
記事検索
月別アーカイブ