『自転車を押して行くなり春を連れ』(水上孤城)


良いお天気です。いつもは軽快にペダルをこぐ道も、ゆっくりまわりの景色を楽しむために押して歩いている…そんな感じでしょうか? また、春らしい花や野菜などをカゴにつんでいるのかもしれないし、春のひざしのようにほのぼのした優しく可愛いわが子を載せ、楽しくおしゃべりしながら歩いているのかもしれません。熊本のスーパーの事件の女の子にもこんな日が続くはずだったでしょうに…。


…正義はまたからぶりさ
こんなところにもいやな
ニュースがきこえてくる
街は病気だね 毒が空をめぐってる…


南こうせつさんの『愛する人へ』の歌詞のような毎日です。


私は中学の国語の授業で習った、山上憶良の子どもによせる愛情いっぱいの歌が好きでした。その子どもへの深い愛情をこんな悲しい気持ちで、こんな悲惨な事件後の新聞コラムで読むことになるとは…。古も今も亡き子どもを思う心はかわりなく…合掌。


『若ければ道行き知らじ賂(まい)はせむ黄泉(したへ)の使(つかい)負ひて通らせ』


幼い身ゆえに黄泉への道も知りますまい。冥土からのお迎えの使者よ、贈り物(略)をします。どうか、おぶって連れて行ってやって下さい。
(読売新聞3/5編集手帳より)