2012年01月13日

第669号:ぶらんこ乗り

『枕もとに本積めばこれ宝船』(丸谷才一)


昨日帰ってから新聞を広げたら、こんな一句がありました~Nice(^-^)v


私は布団に入って本を読むことはないのですが(腹這いで読むのは苦しいし、肩と腕がいたいので持ち上げて読むのはツラい!!)枕元に自分の好きな本を置いておくことはあります。ケータイ置き場になっていますが(((^^;)


近くに好きな本があることで「いい夢が見られるのでは」というお子さまな発想ですな(^.^)


昨日は『ぶらんこ乗り』(いしいしんじ)という本を読みました。わりと薄い本だし、新潮文庫の表紙は夜空に浮かぶブランコや動物たちの刺繍がかわいいです。


タイトルから伊良部センセが出てくる『空中ブランコ』を連想してしまいますが、こちらは中原中也の『サーカス』という詩の感覚に近い気がしました。本編の中に登場人物の書いた童話がある『十一月の扉』みたいな感じ…主人公はこの不思議な物語を書く弟のお姉ちゃんです。


弟くんは幼いのにとっても優秀で、人の百倍は感受性が強い…そんな子の書く物語の視点は全く違って「ああ、そんな考え方もあるんだ」と目からウロコだったり。



「わたしたちはずっと手をにぎってることはできませんのね」
「ぶらんこのりだからな」
だんなさんはからだをしならせながらいった。「ずっとゆれているのがうんめいさ。けどどうだい、すこしだけでもこうして」と手をにぎり、またはなれながら、



なんと言ったと思います?



「おたがいにいのちがけで手をつなげるのは、ほかでもない、すてきなことだとおもうんだよ」



漢字が少ない分、ぶらんこがいったりきたりするようにふたりの気持ちを「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」……とゆっくり染み込むように伝えてくれる気がします。



人っていつも片手をのばして、自分の手をにぎってくれる誰かを探しているのかなぁ…あっちとこっちの違う世界をゆれながら生きている人もいるし…弟くんはそういった「ゆらぎ」を知りたくもないのに神様から先に知らされていたようで、せつない(ToT)


ある出来事から弟くんは口をきかなくなります。自分の声がまわりの人を不快にするから…いえ吐いてしまうほどの生理的嫌悪感のある「音」になってしまったから。そして彼の話は動物たちの「ものがたり」になっていくのですが…。


この本は冬に読んで欲しい、みたいな感想もあったので「この時期に選んだ私ってエライ!!」と自画自賛←アホでスミマセン('~`;)お父さん、お母さんもいい味だしております。ちょっと岡本一平・かの子夫妻(岡本太郎の両親)を思い出しました。


次は小川洋子さんの『まぶた』を読むつもりですが、表紙の目をつむった女の子の絵が麗子像のタッチに似ていて、ちょっとコワイです~枕元には置けないです( ̄▽ ̄;)



rohengram799 at 13:55│Comments(12)空のお城図書館 

この記事へのコメント

1. Posted by ラブソン   2012年01月13日 16:50
5 オスカーさん、ちょっとお久し振りです
中原中也って言ったら、若くして亡くなって、亡くなってから有名になった、ある意味で言ったら、悲劇の詩人って云う感じがします。感受性の強い…。今日のブログにも書きましたが、人間、強すぎると、僕みたいな目に遭うのでね…
2. Posted by kouchan   2012年01月13日 22:11
准教授「僕はね、布団をかぶりながらブランコに乗って更に読書もできるんだよ!」
学生「。。。」
准教授「なんかしゃべって、僕にもっとかまってwww」

僕は最近もっぱらiPadで読書です♪
3. Posted by オスカー   2012年01月14日 00:18
§ラブソンさま
「自分の感受性くらい」という詩がありますが、人と人の間で揺らぎながら自分を確立するって大変ですよね…大人になると「ゆたかな感受性」が「未熟者」扱いされたりするし…

§ kouchanさま
小さい頃は布団をかぶってマンガ読んだり、風呂敷をマントにしていたことを思い出したぁ
4. Posted by Minorpoet   2012年01月14日 00:32
オスカーさん こんばんは♪

自分も枕元に本を置くタイプですね!今は「現代俳句歳時記」が置いてあります♪というのもある方のブログで「しりとり俳句」というのに参加してまして

「季語」を知らべるのに使っていたら知らぬ間に枕元にありました(この歳時記は亡き母の愛用の物です・・・・出るかナ~)

『ぶらんこ乗り』読んでみたくなる内容ですね!感受性の強い弟君に興味が湧きますね☆
5. Posted by てんし   2012年01月14日 04:22
おはようございます

なぜか私もオスカーさんと同じように、読まないけれど枕元に『好きな本』を何冊か置いてあります。

私も寝ながら読むことはしません。ただそこに置いてあるだけで安心して、ゆっくり眠ることが出来ます。

なんだか『睡眠薬』みたいな役割を果たしてくれています。

本はいろいろなことに役立つんですね。
6. Posted by なう60   2012年01月14日 08:34
おはようございます。
オスカ-さんの「本、ほん、本」には、感嘆です。
「人っていつも片手をのばして、自分の手をにぎってくれる誰かを探しているのかなぁ」いい言葉ですね。やくざの奥さんから立ち直って副市長の●さんの自伝を思い出しました。家出する娘の母が手を離した時に「母さんは、どうして手を離すの、だから嫌なの。」を何故か思い出しました。
「月と蟹」(道尾 秀介)図書館で借りてきました。今、開けて10ペ-ジ読みました。これからどんな展開に、楽しみです。
7. Posted by MEL   2012年01月14日 11:51
>近くに好きな本があることで「いい夢が見られるのでは

これは素晴らしい発想ですね
科学的な根拠がなくても
ぜひ試したいオペレーションです
8. Posted by アキバの行政書士   2012年01月14日 13:00
「空中ブランコ」の伊良部センセイ、最高ですね。
私も連想するのはこっちです。
太ったフレディのよう…目に浮かびます。

ゆあーん、ゆよーん、ゆあゆよんに感心したのを思い出しました。
9. Posted by オスカー   2012年01月14日 14:04
§ Minorpoetさま
>しりとり俳句
これはまた楽しそうですね~!季語も時代により増えているみたいですが、昔ながらの情緒ある単語がいいです♪

§てんし様
>本はいろいろなことに役立つんですね。
京極夏彦さんの本が枕にちょうどいい高さ!!という話を思い出しましたでも魑魅魍魎に悩まされて睡眠不足になりそうです

§なう60さま
中古50円で広がる世界は果てしなく~本は贅沢品ですね(笑)『月と蟹』どんな結末なんでしょう?気になります!!
§MELさま
一時期は枕の下に「なりたい私」的なタレントさんの写真をしのばせたことも…朝にはぐちゃぐちゃ
子どもでしたわ

§アキバの行政書士さま
空中ブランコのあっちとこっちを行き来する擬音としてあんな表現もあるのかと~でも今はアレしか思いつかないです(笑)
10. Posted by オスカー   2012年01月14日 14:05
§MELさま
一時期は枕の下に「なりたい私」的なタレントさんの写真をしのばせたことも…朝にはぐちゃぐちゃ
子どもでしたわ

§アキバの行政書士さま
空中ブランコのあっちとこっちを行き来する擬音としてあんな表現もあるのかと~でも今はアレしか思いつかないです(笑)
11. Posted by 猫ムスメ   2012年01月14日 18:29
「ぶらんこ乗り」素晴らしいですね! オスカーさんの引用した部分を読んだだけで不覚にも涙が出てしまいました
そして早速、図書館で予約しました! ついでに「ポーの話」というのも予約してしました

届くのが楽しみでーす♪
12. Posted by オスカー   2012年01月14日 20:56
§猫ムスメ様
ラストシーンは映像が浮かんでくるようでした。誰も悪者はいない、そんな物語だと思います

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