こんにちは。風の冷たさにもなんだか春の匂いを感じるような…そんな気分の朝でございます。昨日の更新は日付が変わるギリギリになってしまいましたわ(>_<)


えっと~ですね(笑)登場人物の名前、ヒューム、レンハート、ブルースは宝塚の舞台『二人だけが悪』からとっていますがもちろん関係ないです!!というより一度観ているはずなのに全然内容を記憶していない…(((・・;)


まぁかなり前に書いたものだし~ははっ!!ってかんじなので、くどいお願いですが、国やら時代やらモロモロの疑問があってもスルーしてサクサク読んで下さいましm(__)m


『翼あるもの』第2回


「お疲れさま。気をつけて帰ってね」
早めに店を閉めたレイナは女の子たちを見送ると、自室の鏡の前に座った。口紅をおとしながら、鏡を見つめて記憶にない母と会話をする。
(あの男…ヒュームは私たちをこんな目にあわせた連中に腰巾着のようについていた男に間違いないわ。きっと汚い手口で他の“仲間”を葬り、今の権力を得たのね。でも、ここは私が護るわ。お父さまが“ここだけはどうしても残しておきたい”っておっしゃったのよ、お母さま。思い出がいっぱいあるからって)
農園の次は別荘、よく働いてくれたみんなにもお給料を払えなくなり、屋敷にも住めなくなった。かつての広大な土地や建物に比べたら、ここなど微々たるものだ。だが、母が亡くなるまで暮らしていた場所だ。妻を愛し、娘を愛し、それらを護ろうとして働いた父親だった。慣れない仕事にも愚痴を言わず娘の前では笑顔を絶やさず、働いて働いて……。父を亡くしてから自分に呼び掛けてくれるやさしい声を聞いていない。
(あの人は…別れる時も私の名前を呼んでくれなかった)
あれはいくつの時だったろう。とうもろこし畑で遊んだ帰り、ふざけてつまずきそうになった私をかばって彼は大ケガを負った。
(すぐに手当て出来なかったから、こんなに痕が残っちゃったのね。ごめんなさい。私も同じになるから、それで許してくれる?)(とんでもないです!!お嬢さまに傷がついたのでなくてよかった。本当によかったです。だから自分を傷つけたりするのは絶対にやめて下さい。いいですか、約束ですよ)
無意識に左胸に手をあてると涙が頬をぬらしておちた。鏡の中の彼女も同じように泣いていた。


ある日、ヒュームは顔を知られていない部下を何人か『レイナ』に向かわせ、閉店後女の子たちを誘い出すように指示をした。何本かの蝋燭がゆらめく部屋から衣擦れと泣き声と小さな悲鳴と鞭のしなる音が洩れてくる。ヒュームは自分の頬を指さしながら冷たい声で囁く。
「あんまり動くと傷がつくよ、ここみたいにね。こんなアクセサリーをいくつも肌につけたくはないだろう? 君たちの店のママにもよく言っておいてくれよ。意地をはってもいいことなんかないってね。農園、別荘、屋敷も人手に渡り、家族もいない。だから身体ひとつでオレのところに来いって。今さら失うものなど何もないだろうって。いや……アイツがいるな。さて、どうするか」
ヒュームは顎に手をやると最後は一人言のようにつぶやき、唇の端を軽くつりあげた。


続く…(((^^;)