2014年12月10日

笑雲便りNo.14:敷紅葉~タヌキのお布団

『冬晴れのとある駅より印度人』(飯田龍太)


なんでしょうか、インドの人にはアツい夏のイメージがあるからか、冬の陽射しにターバンを巻いたインドの方はちょっと違和感があったのかも(((^^;) 寂れた田舎の駅に間違えて降りてしまった異国の方を想像してしまいました。もし前の記事の恋山形駅に降りてしまったら……( ̄▽ ̄;)



午前中は晴れてあたたかかったのに、お昼を過ぎたらどんよりしてきました。「冬晴れ」とか「冬うらら」とかキラキラした季語を見つけてニンマリしていたのに残念……しかし!! おやぢハートは真っ赤に燃えているのでした(≧∇≦)


「冬紅葉」という季語があります。フユモミジは散りおくれてわずかに残っている紅葉のこと。『冬紅葉愛を信ずるほど老いし』(鳴戸奈菜)に渡辺淳一さんを連想したり(そんな作品を読んだことがないくせに)瀬戸内寂聴さんの『経行の蹠冷たくて冬紅葉』という読めない……な句にも大人の秘かなる情愛を感じてしまう罰当たりなワタクシ(^o^;)


「経行」は「きょうぎょう」かと思ったら「きんひん」と読む仏教語でした。座禅中、足の疲労や眠気をとるために、一定の場所を巡回・往復運動することだそうです。また「蹠」は「あうら」と読んで、皮膚のかたい足の裏。冬のひんやりした空気、修行僧の静かな息づかい、時おりはらり……と散る紅葉。美しい光景が浮かんできます。絶対、その風景の一部に自分はいないだろうなぁ、と思いつつ……しばし迷走イヤ瞑想。


「敷紅葉」という言葉もあるのですね。遠くから眺めてもよし、近くで見てもよし……見上げてもよし、足下を見てもまたよし……であります。下記サイトではお地蔵さまがいらして、またなんとも可愛らしく、ステキなのでご覧下さいませ。


http://kazenokomichi.hatenablog.jp/entry/2013/12/03/185220




朝刊の読者投稿欄に「以前から好きだった落語を半年前から習い始めた」という43歳主婦の方の記事がありました。落語芸術協会の初級講座に2ヶ月間通ったそう。日々の暮らしでも練習。『狸札(たぬきさつ)』を次男くんの学校関連行事で披露したそうで、皆さん喜んで大笑いしてくれたそうです。来年は中級講座に通うそうです~スゴいバイタリティ! 見習いたい!


タヌキもけっこう私のブログでは出番が多いので気になりますね~「狸札」「狸賽」「狸鯉」の3つの噺を総称して「たぬき」と呼ぶそうですが、高座ではこのうちのどれか一つしか演じないとか。「狸札」はいわゆるタヌキの恩返しでしょうか、浦島太郎や鶴女房みたいな悲哀はありません。むしろ、おやぢ受けする内容(^。^;) 


お礼にもどってきた子タヌキにいいから山に帰りな、という八五郎さん。親に怒られます、という子タヌキ。寒いけれど布団はないよ、的な会話からコレに続きます。


タヌキ:そんなものはいりません。自分のをひろげて寝ますから。
八五郎:ああそうか、よく聞くなぁ、タヌキの金は八畳敷きだなんてぇのは…そんなにひろがるのか。ちょいとここでひろげて見せねえか?
タヌキ:八畳は親タヌキでして…私はまだ子タヌキですから、ホンの四畳半ぐらいで…。
八五郎:四畳半?粋なもんじゃねえか。あったけぇのかい?
タヌキ:あったかいものですよ~なんなら半分かけましょうか?


………いやいや、お気持ちだけで……イヤ、気持ちも遠慮したい……でもこういう会話、おやぢはキライじゃないぜ( v^-゜)♪



タヌキの親子が紅葉のお布団で眠る姿を想像しながら、赤ちょうちんで一杯……とかしてみたい(*´∀`)♪ 記事タイトルにメルヘンやファンタジーを連想した方には大変申し訳なく思っています(^^;)(;^^)



皆さまもあたたかくしてお過ごし下さいね。






rohengram799 at 13:41コメント(10)紅葉 | 落語 

コメント一覧

1. Posted by ミューちゃん   2014年12月10日 16:37
5 オスカーさん、こんにちは
毎年秋って、気が付いたら終わってたって云う感じに僕はなりますね(笑)。一年の中で一番好きな季節なのに…一方で冬は凄く長いイメージがありますね他県に住んでる人達は三重県は雪が降らないイメージがあるらしいですけど、今年のバレンタイデーの時は物凄い積雪でしたね三重でも大雪が降る時が年に一回ぐらいあるんですよ
2. Posted by 見張り員   2014年12月10日 22:25
こんばんは
夕方、4時ころからぐうと寒くなってどうにも体が冷えてつらいですね(-_-;)。
タヌキと言えばうちの近所でよく目撃されていました。
うちから半径4キロくらいでも目撃されています!
それにしてもタヌキの●玉八畳敷き…ジブリの『平成狸合戦』でも出てきましたね。しかし手その根拠はなんぞや??ですねw。
3. Posted by オスカー   2014年12月11日 01:44
§ミューちゃん様
イメージ的に雪が降らない県ってありますよね。昨日テレビから「めったに雪が降らない沖縄…」と言う声が聞こえて「えっ(°Д°)沖縄で雪が?」と思いましたが、本当なのかしら!? 
4. Posted by オスカー   2014年12月11日 01:46
§見張り員さま
「タヌキの皮は耐久性に優れているため、金箔を作るときにタヌキの皮を利用したことに由来していると言われている。タヌキの皮に金の玉一匁(もんめ)を包んでつち打ちして延ばすと八畳もの広さの金箔ができたという。」ってありましたが、実際は全く違うらしいですよ(^。^;)
5. Posted by 猫ムスメ    2014年12月11日 07:10
「狸賽」は亡き人間国宝・柳家小さん師匠の代表的演目ですね。あの方はルックスが"まんま狸"なので可笑しくって可愛くって(笑)。

落語を聴き始めた頃、音源で何度も何度も聴きました

6. Posted by なう60   2014年12月11日 08:56
おはようございます。
「経行の蹠冷たくて冬紅葉」きんひんのあうら、勉強の朝です。美しい光景ですね。「タヌキの親子が紅葉のお布団で眠る姿を想像」朝から笑いは百薬の長です。
7. Posted by オスカー   2014年12月11日 14:51
§猫ムスメ様
「うまいねぇ、これでインスタント?」の小さん師匠ですよね? このコマーシャルで落語家さんへの関心がまた高まったと思います。 キツネの噺もいくつかあるみたいですが『紀州飛脚』でしたか、あれは…おやぢにも刺激が強すぎますっ!!
8. Posted by オスカー   2014年12月11日 14:54
§なう60様
あれからまた経行について調べたのですが、宗派により微妙に違ったりするのですね。
『枕草子』の冬はつとめて…の世界がひろがりました。
9. Posted by Kay   2014年12月12日 11:51
こんばんは。
日本には、四季と植物を絡めた言葉がたくさんありますね。といっても、最近は目にすることも少なくなりましたが。オスカーさんのブログで、日本語の勉強もできて一石二鳥です。
英語でそれを言うと、風情も何もない「まんま」です。落ち葉という言葉さえ、趣があるように感じます。

そうそう、落語の登場人物の名前って「熊五郎」とか「ご隠居さん」、説明しなくても人となりが描けるような設定ですよね。そういうところで、自分が日本人であることを確認できるんですよねえ。
10. Posted by オスカー   2014年12月12日 13:29
§Kayさま
日本人ってうまく気持ちを口に出して伝えられない分、美しい言葉・表現を探したのではないかと思うようになりました。ただの葉っぱでは終わらせない、自然に対する畏敬の念もあるように思いました。大和の心に乾杯であります(笑)

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