2015年03月19日

咲雲便りNo.19:光る牙

♪光る海 光る大空 光る大地~


これは『エイトマン』の主題歌ですね。私はコレを見たことがなくて(田舎だったので中学くらいまでNHK総合に教育、ローカル2局しか映らなかった。『タイムショック』とか2週間遅れで見ていた記憶が……いわゆる“一部の地域の皆さま”でした)主題歌を知ったのはマンガ『あるまいとせんめんき』でした。同棲カップルの名前が「うみ」と「ひかる」で、二人のテーマソングだとか言っていました。


https://ameblo.jp/lilicarulica/entry-11288702091.html



さてさて……北海道日高山脈の王“羆(ひぐま)”と人間の激闘というか死闘を描いた短編小説のタイトルが『光る牙』でした。最近、ほっこりまったりが多かったので、コレにひきつけられました。


厳冬の日高山脈に写真撮影で入山したカメラマンが消息を絶ち、調査に向かった森林保護官(架空の道職員)の山崎と樋口はヒグマに襲われた無残な遺体を発見します。駆除隊が編成され、2人もライフルを手に人肉の味を覚えたヒグマの潜む山中に再び向かいます。山崎は元自衛官でレンジャー・バッジ保持者の設定。年下の樋口にアウトドアで生き抜く知恵を伝授しつつ、巨大なヒグマに一歩も引かず立ち向かう姿はなんというか……スゴいです。また一部の人間の身勝手さ(禁止されている罠を仕掛けるなど)思い上がりなどに腹立たしさもも……。雪山の自然や第三の相棒の四輪駆動車など、細部描写にリアリティがありました。



作者の吉村龍一さんは1967年山形県南陽市生まれ。高校卒業後自衛隊入隊。除隊後、近畿大学豊岡短期大学卒業。2012年に第6回小説現代長編新人賞受賞作『焔火』でデビューし、この作品が2作目だそうです。


私は山岳救助のマンガ『岳』や自衛隊訓練生を描いたマンガ『ライジング・サン』とか読んでいるし、マタギや熊の習性について全く知らないわけではないので(第583号:邂逅の森)わりと場面場面を想像して読めましたし、最後の闘いなどはドキドキハラハラでした。やはり『白鯨』『老人と海』を連想してしまいます。ただ何も知らない人には「食害事件」の悲惨さだけが目立って最初でイヤな気分になってしまうかもしれません。牙をむいた獣の表紙とタイトルを見てソッコー買う私みたいな人間はなかなかいないでしょう(; ̄ー ̄A



物語の羆は白熊だったのですが、「スピリットベア」という呼ばれ方がありました。


http://www.spiritbear.jp/spiritbear.htm



このスピリットベアについてはまた記事に出来たらいいなぁと思っています。





rohengram799 at 08:36コメント(12) 
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コメント一覧

1. Posted by ミューちゃん   2015年03月19日 16:46
5 オスカーさん、こんにちは
動物園で飼育されているパンダも熊の仲間だから、実際は物凄く怖いと思うんですよ只、目の周りの黒が可愛く見えるだけであって…今年の初めにコース外でボードを滑って遭難した人達が居たけど、雪山って本当に恐ろしいですからね…
2. Posted by 見張り員   2015年03月19日 22:37
こんばんは
やはり熊はこわいなあと思いますね(-_-;)…二年ほど前、北杜市の山荘に行ったとき町の広報が「町役場付近でツキノワグマ目撃がありました…ご注意ください」と放送していてたいへんビビりました。
犬を連れて行ってたんですが散歩が怖かったですw。
3. Posted by トリテン   2015年03月20日 01:08
映画の「グリズリー」を思い出させるような小説ですね。
北海道で起こった、ヒグマに襲われた村の事件も、ドラマだったか映画だったか観た記憶があります。
映像なのでソゾクゾクしましたよ。

熊はプーさんのようにかわいいものではないですね。(~_~;)

エイトマンの歌は懐かしく思い出します。
今も歌を覚えていて、エイトマンはハンサムでした (笑)
4. Posted by のり   2015年03月20日 03:28
オスカーさん
私達の住宅地にもクマは出たことがあります。
でも見たことはありません。シカや七面鳥は見かけます
コロラドには冬にスキーには行きましたが、夏に
アメリカンロッキー山脈を見るために行ったことがあり、
木に登って下りられない小熊をみました。私達が居るので、怖くて、余計に下りられなくなって、泣いていました。
夢枕獏さんの本「神々の山嶺(いただき)」を読みました
スケールが大きくてエレベスト登頂の話でした。
私たちが登った最高峰が4300メートルのパイクスピークでした、やはりコロラドにあります。
でも、山頂まで車で登りました?いえ!上がりました(笑)
のり
5. Posted by なう60   2015年03月20日 08:15
おはようございます。
「雪山の自然や第三の相棒の四輪駆動車など、細部描写にリアリティが」作家って本当に凄いですね。「沈まぬ太陽」(山崎豊子)アフリカの象狩りのリアリティな描写を思い出しました。迫力がありました。
6. Posted by オスカー   2015年03月20日 11:11
§ミューちゃん様
パンダの目がコワイって人もいますよね。熊はかなり早く走れるみたいですが、パンダはどうなんでしょう? 『吹雪の山荘』という雪山アンソロジーも買ってあるのですが、暑い夏に読もうかしら(((^^;)
7. Posted by オスカー   2015年03月20日 11:13
§見張り員さま
ウチの田舎でも熊がブドウを食べていた!なんて話がありました。富士吉田方面でも出没情報はありますね。森林破壊のツケもありますが、遭遇したくはないです!!
8. Posted by オスカー   2015年03月20日 11:16
§トリテン様
山には熊が海には鮫が…って感じでしょうか…どこにも主さまはいらっしゃいますね。
エイトマン、今度探して見てみたいです(´∇`)
9. Posted by オスカー   2015年03月20日 11:24
§のり様
>夢枕獏さんの本「神々の山嶺(いただき)」を読みました
私は谷口ジローさんの漫画版を読みました~スゴい世界だなぁと思いました。自分は大菩薩峠に行ったくらいですが、気分が山女(まだ山姥ではない!)になり、本屋でワンゲル本など立ち読みしてきました(笑)
10. Posted by オスカー   2015年03月20日 11:29
§なう60様
仕事で使うスキー板のワックス掛けや銃の手入れなど、あらためて文章にすると難しいことばかりですが、さすがに作家さんは違いますね。筆の力、言葉の力、私も欲しいです。
11. Posted by 猫ムスメ   2015年03月20日 13:05
おぉ、これは読み応えがありそうですねぇo(^-^)o この内容で短編というのがまたすごい 早速、図書館で探してみたいと思います。

羆と言うと昔読んだ「流れ星 銀」を思い出します(ギンガ…でしたっけ?)
あのデカイ熊は怖かったですね
かなり強烈に覚えています。
12. Posted by オスカー   2015年03月20日 18:50
§猫ムスメ様
私はいつも「流れ星銀牙」と言ってしまうのですが「銀牙 -流れ星 銀-」が正しいタイトルみたいです。で、読んだことがないという(^。^;)
『光る牙』ハードカバーの表紙も好きです!

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