2015年03月26日

咲雲便りNo.26:TABI人よ

昨日『月をさすゆび』を読み終わりました。お寺関係の小説って『回廊の陰翳(かげ)』くらいしか読んだことがないのですが(これもタイトル買いだったわ)内容は……京都市内を流れる琵琶湖疏水に男の溺死体が…。親友の死に疑念を抱いた若き僧侶・蜷川賢了(にながわけんりょう)は、遺体から違法ドラッグが検出されたことを知り、調査に乗り出します。一方警察には、国宝級の仏像の不正売却を告発する怪文書が届いて……京都に君臨する巨大宗派の腐敗を暴く!!みたいな作品でした。


京都には昔から「白足袋族」という言葉があって、僧侶や茶人、学者、西陣の織物の老舗(しにせ)など、政治的な権力者ではないけれど隠然たる影響力を持った裏の権力者たちのことです。京都の庶民は「白足袋族には逆らうな」といった言い方をするらしい……京都は有名なお寺も多いし、前の本ではお坊さんのことを「先生」と呼ぶ店主が出てきてビックリしました。「おエライさん」って意味の先生ですよね。

夏樹静子さんの小説に『足の裏』というのがあって(私はドラマで見たのですが)賽銭をネコババする的な意味があったような……( ̄~ ̄;)



さてさて、足袋と言えば白足袋か地下足袋か(笑)なワタクシでが、狂言では通称黄足袋という狂言専用の足袋があるそうです。流派によってちょっと違うということですが、全体に黄色のような色で、裏も黄色なんだとか。足袋まで気にしたことがなかったけれど、思い返してみたら足元は白ではなかったような……舞台の板(床の色)に馴染んでいたし。

今の足袋となるまでは色々材質なども変遷があって、能の足袋も昔は鹿革を白く着色していたようです。狂言はかつて庶民のものということで、白い足袋を履けなかったそうで、革をそのまま使ったのでその名残で色が付いているのだそうです。鹿革はなめすと人肌に馴染み軽いらしいですな。加工もしやすいのかしら? 甲州印傳も鹿革だし。

http://www.f00-196.003.137.203.fs-user.net/ikeda8/inden/koujo/index.html


現在の足袋は江戸時代になってから出来たらしく、中期以降は女性はほとんど白足袋を履くようになったということです。男性は正式な場所以外は普段は黒足袋や紺足袋を履いていたようですが、これはあくまでお江戸の話。近畿地方や西日本では色足袋を履く習慣はほとんどなかったということです。なぜだろう? 美意識の違い? 下記サイトで狂言用の足袋が見られます。


《伝統芸能の足袋 - TABIの博物館》
http://fpouch.fc2web.com/geinoh.html



♪風にふるえる 緑の草原 たどる瞳かがやく 若き旅人よ~


これは若大将の歌う『旅人よ』ですが、皆さまも今日1日、自由な空想(妄想?)の旅を満喫して下さいね(*´∀`)♪





rohengram799 at 10:08コメント(6)空のお城図書館 | アート・博物館・美術館 

コメント一覧

1. Posted by 猫ムスメ   2015年03月26日 12:17
ちょうどこの間パーティーで着物を着たばかりなのでピンポイントなネタでした

足袋も今は素材が色々で、靴下みたいなストレッチタイプもあるんですよね! とても楽チンで足が痛くならないので、思わずそちらに走りかけましたが、「いや流石に噺家のパーティーでそれはないだろ…」と思い、普通の「5枚こはぜ」にしました(^_^;)

しかし当日履こうとしたらこはぜの一番上がどうしても閉まらず、己の足の太さを思い知ることになったのでした 情けない限りです…

ちなみに着付けしてくれた美容師さん(友達の妹)によると、「今はこはぜの閉め方も知らない人が多いんですよね~」とのことで、あぁそりゃそうだなと思いました。ああいう向こう側から内側に向けて引っ掛ける留め具って他にないですもんね。けっこう昔の人の「アイデア賞」なのかもしれません(笑)
2. Posted by ミューちゃん   2015年03月26日 16:50
5 オスカーさん、こんにちは
足袋を上手く履きこなせる人って美人な人が多いですよね全体で見ると足袋は、ほんの少ししか見えないけど、歩き方や立ってる姿勢が良かったら、凛としててカッコイイと思いますね
3. Posted by オスカー   2015年03月26日 19:58
§猫ムスメ様
>今はこはぜの閉め方も知らない人が多い
う~ん、着物や浴衣で来場したら値引きとかいうイベントがありますが、ちゃんと着付けていない人がほとんどでしょうね。私も足袋を履くのにはスゴい時間がかかりました…もうはるか昔の出来事ですが(;^_^A
4. Posted by オスカー   2015年03月26日 20:02
§ミューちゃん様
着物の裾から…の絶対領域(笑)足袋だからこそのチラリズムがおやぢ心をくすぐります! たまーに着物姿のマダムを見かけますが、ステキです♪
5. Posted by まろゆーろ   2015年03月27日 08:49
着物の絹鳴り、そして女性の白足袋姿、裾さばきって大好きです。
時に艶めかしく、時に凛としてて。
京都では白足袋族が幅を利かせているのですか。分かるような気がします。
魑魅魍魎、跳梁跋扈の街ですもんね。
先生がいっぱいいなければあの街の妖怪は封じ込めることができなかったかも。
ちなみに神職さんも「先生」と呼ばれているようです。
こちらのお寺さんは宗派によって和尚さんやらご院家やら。
オスカーさんが師匠と呼んで下さっていることが僕にとって人生の唯一の名誉なことかもしれません。
6. Posted by オスカー   2015年03月27日 14:52
§まろゆーろ様
どの職業もそうでしょうが、寺社も後継者問題がありますね。トンでもない男が婿入りしてきた話もありました。また京都と東京の宗教家(と言っていいのか)意識の違いとか……なかなか興味深い本でした。不肖の弟子のワタクシ、師匠に近づくべく日夜「おやぢ道」に励んでいます!!←そんな奴は入らないって言われそう(~_~;)

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