2015年04月03日

桜雲便りNo.3:女がそれを食べる時

今日は風が強いですね。ハクモクレンの木はハダカ状態になり、せっかく咲いた桜もハラハラと舞っています( ´△`)

前に『肉小説集』の話を書きましたが、今日の新聞コラムにこんな話がありました。明治天皇が肉類をあまり召し上がらない。参議の大久保利通は滋養を気遣い、もっと肉食を、と進言した。天皇がお答えになる。「菜食の徒にも、空海があるぞ」。……探せば『菜食小説』もあるのかしら?(笑)


♪春には春の恋がある~そろそろおまえとお別れだ~

これはアン・ルイスさんが歌っていた『女はそれを我慢できない』ですが(笑)『女生徒』と並行して『女がそれを食べるとき』を読んでいます。9人の女流作家が描く食と愛についてのアンソロジー。表紙はあわい水彩画でふんわり・ほんわかしているので、あまぁ~い掌説を期待する方もいるかもしれませんが、作家陣にウッ( ̄0 ̄;となることでしょう。

井上荒野・江國香織・岡本かの子・小池真理子・幸田文・河野多惠子・田辺聖子・山田詠美・よしもとばなな……内容が薄味ではないのはおわかりですね(^。^;) 小池真理子さんの『贅肉』(スゴい話でしたわ)と幸田文さんの『台所のおと』(なぜか“台所ノート”と発音してしまうのですが、台所の“音”です)は読みたかったのでラッキーでした。『台所のおと』に「若さというのは、いつでもすぐ今以上に、騒ぎ出せる下地があることなかあ、などと自分の若い頃も思い出させられたのであり…」の一文にフムフムしたりして……。

食べ物と言うと辻村深月さんの『ツナグ』には「卵焼きおにぎり」が出てきました。

「普通の家は海苔で巻くおにぎりを、うちは卵で巻いた。ふりかけを混ぜて握ったご飯を、小麦粉と、溶いた卵につけて、一面ずつフライパンで焼いて固める。そうすると、表面が卵で黄色くコーティングされたおにぎりができる。」

森絵都さんの『気分上々』の中の「ブレノワール」にはこんな言葉がありました。

「胃袋の中身が変わらないから中身も変わらないんだ」

夫婦が似てくるのは毎日同じものを食べているからだ、という話や頭がよくなる食べ物の話を思い出しましたわ。このタイトルの「ブレノワール」は黒麦のことで、これを使った固いガレットを中心にしたは母と息子の物語。最後はせつない……ρ(・・、)。


黒麦で検索したら「 ライムギの別名」とありました。ライ麦と言えばサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』(原題The Catcher in the Rye)。読んだことはないけれど『かもめのジョナサン』と同じくタイトルは知っている名作(笑) 別邦題が「危険な年齢」「ライ麦畑の捕手」とあって、イメージが……と思いました(~_~;)

食べ物の話を書いていたら、お昼ご飯の時間になりました。朝ごはんの残りをかき込むように食べて、仕事にいってきま~す(  ̄ー ̄)ノ




rohengram799 at 12:15コメント(12) 
空のお城図書館 

コメント一覧

1. Posted by ミューちゃん   2015年04月03日 16:42
5 オスカーさん、こんにちは
最近、お弁当物の書物が増えて来ましたよね~。僕は「嫌がらせ弁当」なんかはユニークで良いと思うけど、あれ自分にやられていたら、本当に嫌ですね(笑)
2. Posted by やま   2015年04月03日 23:37
こんばんは!

めちゃくちゃ久しぶりのコメントです(^^;

今日はこちらも風が強かったです。

雨とセット(´Д`)

花散らし雨

らしいです。

『菜食小説』

ありそうですね(笑)


3. Posted by アキバの行政書士   2015年04月04日 03:57
物凄く読みたい!
岡本かの子に幸田文、河野多恵子の渋いところに
江國香織にばななを持ってくるあたり
選者は相当な手練れですね。
小池真理子の「贅肉」いいな。

ネット注文しよう。

ツナグの玉子焼きおにぎり、私も印象深いです。
薄焼き卵で巻いたおにぎりは作りますが。。。
4. Posted by 猫ムスメ   2015年04月04日 07:24
「菜食の徒にも食うかい?」とベタな発想をしてしまいました。申し訳ございませんm(_ _)m


なかなか濃そうなアンソロジーですねぇ よく「食べるというのはセクシーな行為だ」とか言いますし。食と性を結び付けた考え方もありますので、実力派女性作家の皆さんは上手く書くのでしょう(^_^)v

それにしても「玉子焼おにぎり」が食べたい…(泣)
5. Posted by なう60   2015年04月04日 08:09
おはようございます。
明治時代までは、肉食禁止でしたが「馬を桜肉 鹿を紅葉 猪を牡丹」などと称して食べていたとのこと、サイトで勉強の朝でした。桜肉久しく食べて
いません(笑)


6. Posted by きょろん   2015年04月04日 21:02
アン・ルイスさんの歌は歌詞が猛烈に色っぽいんですよね。
子供のころ、意味の分からないまま大声で歌ってました(笑)

サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』は、アニメ『攻殻機動隊』つながりで読んだのですが、かなり衝撃的な一冊です。
たしかに「危険な年齢」だし、読みながら自分もうっすらクレイジーになりそうでした。
でも、サリンジャー作品のクセの強さ、けっこう好きです(^v^)
(翻訳者もお上手なのかもしれません)
7. Posted by オスカー   2015年04月04日 22:53
§ミューちゃん様
今の時期は行楽弁当、花見弁当と外で食べるのが楽しいですね。お弁当のアンソロジー漫画を読んで、懐かしくなったり食べたくなったりしています。
8. Posted by オスカー   2015年04月04日 22:56
§やま様
宮沢賢治がベジタリアンだったとか? その研究本みたいなのもあるようです。野菜の名前も今はいろいろあって、食べ方がよくわからないのも……今はスーパーの柑橘類がナゾでいっぱいです(^o^;)
9. Posted by オスカー   2015年04月04日 23:02
§アキバの行政書士さま
オトコたちの食卓では華やかさも淫靡さもないですね(笑) これは時代も様々で楽しいです。でもひと休みして道尾秀介さんの『龍神の雨』を先に読み終えてしまいました( ̄▽ ̄;)
10. Posted by オスカー   2015年04月04日 23:06
§猫ムスメ様
ガッツリ肉食の聖職者とか想像しただけでキモい…(ーー;) 井上荒野さんの作品タイトルは『サモワールの薔薇とオニオングラタン』でちょっと少女趣味的なタイトルなのに内容は……女性、恐るべし!
11. Posted by オスカー   2015年04月04日 23:09
§なう60様
桜肉という名前、最初に考えついた人は誰なのか、素晴らしいセンスだと思います。馬主さんはやっぱり食べられないのでしょうね(;^_^A
12. Posted by オスカー   2015年04月04日 23:14
§きょろん様
『ライ麦畑でつかまえて』……なぜか浮かぶのはピーター・ラビットなのです…なんで( ・◇・)? 海外小説は翻訳者がかわると印象が全く違いますね~映画の字幕や古文もそうかも(^。^;)

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