2015年07月10日

星雲便りNo.10:「いのち」の響き

夜中1時過ぎに地震があり、おいおい…と思っていたら、3時半過ぎに岩手県沿岸北部を中心に震度5弱の地震があったのですね。1週間ほどは余震に注意して下さいとのこと……沖縄方面では台風が……被害が拡大しませんように。


今、道尾秀介さんの『ノエル―a story of stories―』を読んでいます。理不尽な暴力に苦しむ中学生の男の子と女の子が絵本を作る最初の作品までしか読んでいないのですが「妹の誕生と祖母の病で不安に陥り、絵本に救いをもとめる少女」「最愛の妻を亡くし、生き甲斐を見失った老境の元教師」と3つの物語で構成されているようです。それぞれにまた別の物語が挟まれていて、お得感があるかも…。最初の物語を読んで泣いたという感想がありましたが、私はモヤモヤ感があったのでえーっ!と思いました。読み終わると違うのかしら……。クリスマスソングの「ママがサンタにキスをした」が出てきたりしますが、英語の歌詞ははっきりサンタがパパとは言っていないのですね。まぁ私はこの歌はあんまり好きじゃないので別にいいのですが(-o-;)パパ以外の誰かがやってくるのはやっぱり教育上よろしくないですな……!


この本の前に『アヴェマリアのヴァイオリン』を読みました。作者は徳島出身で内科医の香川宣子さん。第60回青少年読書感想文全国コンクール課題図書で、史実をもとにしたフィクションかな?


小さい時からヴァイオリンを母親に強制され、周囲からは「天才少女」と言われた14歳のあすか。しかし、先生の推薦で東京にレッスンに行った時に、自分くらいのレベルはたくさんいて、それ以上の人も同世代にはたくさんいることを実感し、衝撃を受けます。進路に悩み始めた時に楽器屋で出会ったヴァイオリンには数奇な物語が隠されていました。強制収容所に入れられながらも囚人音楽隊員として生き抜いた少女・ハンナ。板東俘虜収容所やアウシュヴィッツ、そして21世紀の日本。戦火をくぐり抜けたヴァイオリンが奏でる音の重み……ジュニア向けなのでちょっと物足りない感じもしますが、そんなに歴史に詳しくない私にはもっと知ろうと思うよい入門書になった気がします。『アンネの日記』も教科書に載っていた部分しか知らないし……。


板東俘虜収容所(ばんどうふりょしゅうようじょ)は、第一次世界大戦期、日本の徳島県鳴門市大麻町桧(旧板野郡板東町)に開かれた俘虜収容所です。ドイツの租借地であった青島で、日本軍の捕虜となったドイツ兵4715名のうち、約1000名を1917年から1920年まで収容しました。「苦悩を突き抜けて歓喜へ!」…ベートーベンの『交響曲第9番』(第九)本邦初演地として有名で『バルトの楽園』(バルトはドイツ語でヒゲのこと)という映画にもなりました。他の収容所と比比べて捕虜に対してかなり自由で、遠足や海水浴も行われたそうです。



ヴァイオリンというと第520号:私の心はヴァイオリンでも書いた、楽器に対する感謝と労りを思い出します。音楽も絵画も文学も戦意高揚に利用されたのは残念ですが、人々を慰めたものもたくさんあったでしょう。



「いのち」を軽視するような出来事が毎日ニュースになります。大げさな教育論とか反戦書を読まなくても、ちょっとした出来事からいろんなことを考えたり発見出来ると思うので、そういう感覚だけは鈍らせたくないなぁと思うのです。



様々な場所で様々に輝くいのちのキラメキにときめく週末をお過ごし下さいませ!





rohengram799 at 10:00│Comments(10)空のお城図書館 

この記事へのコメント

1. Posted by ミューちゃん   2015年07月10日 16:54
5 オスカーさん、こんにちは
「アンネの日記」は僕もチラッとでしか見た事がないのですが、あの本は70年以上、昔に書かれてる本ですから、なかなか原文のまま掲載してる本って無いでしょうね。また見ようと云う気もなれないですが、少年Aが書いた「絶歌」て云う本。何で今になって被害者の遺族の気持ちを逆撫でするような形で出版したんでしょうね…。因みに本屋さんに行くと「絶歌」は、簡単に読めないようビニールでグルグルに巻かれています。なのに、本の売り上げランキングの上位には常に、この「絶歌」がランクインしてます。おかしいですよね…。
2. Posted by HyperChem   2015年07月10日 23:24
そうそう、地震ありましたねぇ。
たまの東京・古宿でよく揺れておりました(^_^;)。
子どもたちの悲しい事件が報道されていますから、
何でこんな形で亡くなったり、心に傷を負ったりしなくては
いけないのかなと考えさせられます。
精鋭が集まると、井の中の蛙だと思い知らされます。
井の中の蛙でいた方が力が発揮できることも多いのだけどね。
3. Posted by なう60   2015年07月11日 07:11
おはようございます。
『アヴェマリアのヴァイオリン』「作者は徳島出身で内科医の香川宣子」そして「板東俘虜収容所(ばんどうふりょしゅうようじょ)」の紹介、徳島の地を発信して頂き、感謝です。有難う御座いました。
4. Posted by オスカー   2015年07月11日 09:00
§ミューちゃん様
ウチの近くの本屋さんでもビッチリ梱包されてあの本が売られていました。売れたことによりまたかつての少年Aに戻るのではないかと思ってしまいます。出版社はやっぱりおかしいですよ。
5. Posted by オスカー   2015年07月11日 09:03
§HyperChemさま
>井の中の蛙でいた方が力が発揮できることも多いのだけどね。
その場所が一番自分にあっているなら良いのではないかと思ったりもします。狭い世界でも一番になるってスゴいことですし…。
6. Posted by オスカー   2015年07月11日 09:07
§なう60様
『現代農業』という雑誌があるのですが、最新号の《戦後70年のいま伝えたいこと 私のシベリア抑留体験》徳島の樫原道雄さんの手記がありました。ネットでも検索して記事を読めると思います 。こういう方々によって日本の農業は支えられているのだと思いました。
7. Posted by 猫ムスメ   2015年07月11日 09:37
前も書きましたが、今の日本人に足りないのは「想像力」です。
相手がどうなるか・どう思うか想像しないから、陰湿なイジメをし、教師も見て見ぬ振りをする。
想像する力が無い人ってどんなひどいことでも出来るんですよね~(イジメだけじゃなく)。

今の子供達にはとにかく“本を読め”と言いたいです。
8. Posted by オスカー   2015年07月11日 10:17
§猫ムスメ様
今は図書館もとても充実していて、ちょっとこれを売るの?と思うくらいライトな小説もたくさんありますが、一冊でも多くいろんなタイプの本に出会ってほしいです。あまりにもへんな人が多いと自分の方がおかしい?と考えてしまいます(--;)
9. Posted by のざわ   2015年07月12日 22:41
オスカーさんこんばんは。
>「いのち」を軽視するような出来事が毎日ニュースになります。大げさな教育論とか反戦書を読まなくても、ちょっとした出来事からいろんなことを考えたり発見出来ると思うので、そういう感覚だけは鈍らせたくないなぁと思うのです。
私も同感です。
ちょっとした出来事からいろんなことを考えたり、発見する。・・・この頃ほとんど新聞を読みません。しかしラジオのニュースなどで
いろいろ考えます。
大上段に構えて難しいものを読まなくても、感覚だけは敏感でいたいと思います。
10. Posted by オスカー   2015年07月13日 04:33
§のざわ様
紙面が全部正しいとは限らないのですが…。新聞もすみからすみまでは読めないのですが、なるべくいろんなことを知りたいなと……でもなかなか記憶に定着しないので、ブログ記事に残すようにしています。

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