2015年11月29日

暁雲便りNo.35:紫のウチとソト

『長く黒い髪と、重い十二単の下で、紫式部はどのような欲望をたぎらせていたのか。源氏物語の中に、そのヒントは隠されています。一つ一つの欲望をつまびらかにすることによって、源氏物語と紫式部とは、私達にとってより身近なものになるのではないかと、私は思っています。』


酒井順子さんの『紫式部の欲望』をイッキ読みしました! 源氏物語は大和和紀さんの漫画も途中で人物の区別がつかなくなり読むのをやめてしまい、宝塚の舞台も観たことがなく、昔見たテレビでは赤鼻の末摘花と生き霊の六条御息所しか記憶になく……それに名前だけ知っていても女だと思っていた人が男だったり……(((^^;) 


源氏物語は長保3年(1001年)には、ある程度完成したと言われる小説。全54帖に及び、文字数は約100万(400字詰め原稿用紙で約2400枚)の大長編。70年間にも渡るストーリーには、約500名の人物と約800首の和歌が登場……紫式部が才女だったとわかりますわ。


私は酒井さんの本を文庫で買ったのですが、200ページくらいで読みやすく、登場人物の性格も当時の風習・風俗などわかりやすく書かれていたし、巻末に簡単なあらすじや相関図もあって大変助かりました! 紫式部も今の私たち(?)と変わらぬ妄想をたくましくして「秘密をばらしたい」「ブスを笑いたい」「専業主婦になりたい」など、物語の中で日々の暮らしのストレスを物語にして発散していたのだと思える笑えるエッセイでした。解説は三浦しをんさん。「本書を読むとうなずきすぎて首がむち打ちになる。」……確かに! 学校の授業でもコチラを教材にしたらいいのに……と思いましたわ。


学校でちょっと思い出したことがあります。川原泉さんの漫画に『笑う大天使(ミカエル)』というお嬢様学校が舞台の作品があります。昭和60年代ですよ、昔話が好きですみません! 主役は巨大な猫をかぶった3人の娘さん(笑) 源氏物語を読んでレポート提出しなさい!という話があるのですが、架空のプレイボーイ(これも懐かしい響きがあるなぁ)光の君に腹を立てまくり、それぞれの印象は《知的ブレーキのあまり利かない性格か或いはブレーキ自体が存在しない質(たち)の「歩く煩悩様」の典型的な例》《性的衝動の赴くまま他を顧みる事無く自らの欲望を満足させなければ気が済まない「性衝動人」》《独りよがりの悩みで周囲の人々を不幸に巻き込むだけでなくさらにその執着心と多情さで不幸を拡大させるという「増殖ワラジムシ」》とかなり辛辣! 今の女子高生だったら光源氏にどんなキツい言葉を浴びせるのかしら? それともただギャハハ(o^ O^)シ彡☆と笑い飛ばすのかしら?



同じ望みでも「希望」というと清らかな関係、「欲望」というとドロドロなお肉の関係なイメージなんですが(あくまでおやぢなワタクシの場合)エーリッヒ・フロムという心理学者は『私たちの欲望は「外に対して願望を持つ」ということ』と言っているらしい。地位や名声、財産などを求めることは外の願望で、希望は内なるもの。紫式部には希望ではなく欲望を感じた酒井順子さんはさすが!なのかも(≧∇≦)



明後日はもう師走。気温も低くなってきました。皆さま、お身体に気をつけて下さいませ。




rohengram799 at 20:51│Comments(8)空のお城図書館 

この記事へのコメント

1. Posted by 見張り員   2015年11月29日 21:15
こんばんは
源氏物語も時間をかけてじっくり読みこめばきっと面白いのでしょうがいかんせん学校の授業で習ったのでは魅力もへったくれもないですよね(;´・ω・)、文法がどうのこうのじゃ。
しかしそれ以前に人物は多いし、関係がごちゃごちゃしてるし何が何だかわかりません(と言ったら紫式部は激怒すると思いますが)。
酒井さんのご本読みたくなりました。
確かにあれは希望というより欲望ですね。
欲望の渦巻く世界のお話だと私は認識しましたねw。

いよいよ師走ですね、一月後は…忙しくしてるのかしら。と思うとげっそり来ますw。まずはめまいを直したいです。
オスカーさんもお風邪など召しませんように!
2. Posted by なう60   2015年11月30日 08:17
おはようございます。
「ストーリーには、約500名の人物と約800首の和歌が登場……紫式部が才女」納得です。酒井さんの本、
楽しく読めそうですね。いよいよ明日は、師走です。体調管理に留意して風邪などを引かずに元気に乗り切りましょう。
3. Posted by 猫ムスメ   2015年11月30日 13:11
「紫式部の欲望」、私もうなずきすぎて首痛くなりました(笑)
酒井順子ファンの私ですが、これはダントツのお気に入りです!

こういうのを読むと、今も昔も人間の、女の欲って変わらないんだなと思いますね(^^;

それと、個人的には紫式部と清少納言が同時期に存在した(しかも仲が悪かった)ということに奇跡を感じます。もしどちらかが20年・30年遅く生まれライバル関係にならなかったら…もしかしたら日本文学史も若干変わっていたかもしれませんね(*^^*)
4. Posted by オスカー   2015年11月30日 14:31
§見張り員さま
授業の『徒然草』や『枕草子』など全文を読みたい!という渇望は産まれなかったですね。もっとわかりやすく!しかなかった~!! もう今年もあと1ヶ月…早すぎますね(~_~;)
5. Posted by オスカー   2015年11月30日 14:34
§なう60様
登場人物の多さはそれだけ人間観察をし、またしきたりやらしがらみがたくさんあってのグランド・ロマンになったということでしょうが、スゴい活力です(笑) 本名はわからない謎の人物でも作品がこうして永らえていてご本人もとても満足なのでは?
6. Posted by オスカー   2015年11月30日 14:39
§猫ムスメ様
清少納言と紫式部、現代にいたらコミケの二大勢力で同人誌をバンバン売っていたような気がします! 当時も熱中して皆さん読んでいたんでしょうね(笑) 猫ムスメ様が書かれたこの本の記事を読み返して、激しくうなづいた私です~良い本をご紹介いただき感謝です(*´∀`)♪
7. Posted by ミューちゃん   2015年11月30日 16:52
5 オスカーさん、こんにちは
欲望は突き詰めると殺人に繋がっちゃうケースもありますからね…「プレイボーイ」て云う言葉は週刊誌の名前で、まだ発行されているから、まだ辛うじて使われてる感がありますが、今年で創刊49周年を迎える週刊プレイボーイも昔に比べて今は、だいぶ性欲を満たすネタは減りましたよ表紙なんて1年の半分はAKBグループだしなぁ…
8. Posted by オスカー   2015年11月30日 17:40
§ミューちゃん様
『プレイボーイ』といえば金髪のダイナマイトバディなおねーさんがたくさん載っている週刊誌でしたが、今はその辺のマンガ雑誌とかわらない落ち着き(?)がありますね。表紙にドキドキ感がなくなってちょっとカナシイかも。

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