2016年02月20日

凍雲便りNo.8:小説よ、永遠に

『ひとかどの女の如し山眠る』(守屋明俊)



前の記事に「山眠る」という冬の季語のをチラリと書きましたが、この句の「ひとかどの女」……極妻をイメージしてしまったのは私だけでしょうか?(^^;) こうドッシリした大物感があります。



「一廉の人物(ひとかどのじんぶつ)」(他よりもひときわ優れている人物)って漢字だとこうなんだ~と意外! 「一角」とも書くそうです。



「一廉」の意味には、
1、一つの事柄。一つの分野。
2、ひときわ優れていること。いっかど。
3、人や物が名前に恥じない能力や内容をもつこと。一人前。
「廉」には
1、値が安いこと。
2、心が清らかで欲が少ないこと。
3、かど。すみ。
とかなりバラバラですが( ̄▽ ̄;)……ですが「破廉恥」(はれんち)ってありますよね。「ハレンチ」とカタカナで見ることが多いですが、「廉恥(れんち)」が破れる……「廉恥」は心が清らかで、恥を知る心が強いこと…の意味だそうで、納得! 

「廉恥心」に「羞恥心」……どちらもなくさずに、毎日を過ごしていきたいものですわ。




さてさて……今はダ・ヴインチ編集部編『本をめぐる物語』シリーズ第3弾「小説よ、永遠に」を読んでいます。書き手の立場からも読み手の立場からも「小説」に対するアツい想いが深く静かに流れていて、読んでいてその世界に浸ってしまう……でもこのタイトルからしてこのシリーズは完結なのかもしれない……ちょっと残念( ´△`) 執筆陣は神永学,加藤千恵,島本理生,椰月美智子,海猫沢めろん,佐藤友哉,千早茜,藤谷治(敬称略)。



梅猫沢めろんさんの『ワールズエンド×ブックエンド』は人工知能に小説を書かせる物語なんですが、最後の方にこんな一文があります。


《あたしたちが思っているよりも、この世界には本を読まない人間のほうが多いんだ。作家たちが命をかけようと、AIたちがどんな力で物語を書こうとも、読まれない本がある。》



そうなんだよね……すべての作家さんの本を読みたい!と思ってもそれは出来なくて、発行部数が多い本だけが面白い本、よい本とは限らなくて……自分にとっては一番大切な物語でも他の人にはナニソレ?だったり……でも私は本を読むことをやめないよ!なんて、最近は目がショボショボしてなかなか読み終わらないくせに拳を握りしめたりして(^。^;)



第67回読売文学賞で小説賞を受けた古川日出男さんのコメントが新聞に載っていました。


「言葉でものを作るのは、死んだ人もかつては生きていたと、筆先に受けて伝えていくことだと痛感した。その思いでこれからも頑張っていく」



読み手である私たちはよき受け取り手になり、またそれを言葉にして伝えていかなくては……とまたまた拳を強く握ったワタクシなのでした。



また荒れた週末になりそうです。どうぞ皆さま、お気をつけて!





rohengram799 at 10:36│Comments(12)空のお城図書館 

この記事へのコメント

1. Posted by まろゆーろ   2016年02月20日 11:49
こんにちは。
体調は如何でしょうか。不順な天気が続いています。くれぐれもお大事にお過ごし下さい。

「冬山眠る」で思い出すのが北宋の画家、郭思の
「冬山惨淡として眠るが如く」の一節です。
眠りから覚めると春。今年の春も艶やかであってほしいですね。
2. Posted by ミューちゃん   2016年02月20日 16:48
5 オスカーさん、こんにちは
最近の本って何だかエッセイとか雑誌の連載されたものがそのまま本になってるのが多いので基本的には、そう云う本は僕は、あまり読まないんですよね元少年Aとか細胞が失敗してしまった人の手記なんか読みたくもないし(笑)ブログを本にするって云うケースもあるから、それを金出してまで読みたいとは思いませんね(笑)
3. Posted by ナンチャッテ   2016年02月21日 12:48
リーダーでタイトルだけ見て、Blog卒業かと飛んできました
ε≡Ξ⊂ ´⌒つ´A`)つ えー


ただの先走りだったみたいで何より 笑
≡⊂⌒⊃_ _)⊃ ドテッ

4. Posted by のざわ   2016年02月21日 18:01
>「言葉でものを作るのは、死んだ人もかつては生きていたと、筆先に受けて伝えていくことだと痛感した。その思いでこれからも頑張っていく」



>読み手である私たちはよき受け取り手になり、またそれを言葉にして伝えていかなくては……とまたまた拳を強く握ったワタクシなのでした。

いいですね!今日も教会で聖書の朗読があって、2000年(新約)それより前の旧約のお話を興味深く聞き、考えました。
信仰を除外しても文学としても面白いと思います。アブラハムが主に言われた通りに、捧げもの(生き物)を半分に切り裂いて、置いたところ、
その間を火が通って行って・・・と怖いような表現でした。司祭さんからの説明もあって、聖書を解読していただいています。
はるか昔の時代に書かれた物語が、今も読まれているのは聖書に限らずとてもたくさんありますよね。
オスカーさんはじめ読書好きのサイトで本の感想を伝え合い、自らの考えをまとめ、とても満たされます。
こういう時代に生きていることに感謝したい点のひとつです。

5. Posted by 見張り員   2016年02月21日 21:10
こんばんは
「ひとかどの人間」になるには相当の修練が必要ですね(-_-;)。私はなかなかできないでしょう…
廉恥、そういう意味があるのですか、そしたら「破」が付くとなると、なるほど!ですね。
破廉恥な奴と言われないよう心して生きようと思いました。

北風寒い一日でしたね、どうぞ御身大切になさってくださいませね^^。
6. Posted by 猫ムスメ   2016年02月22日 06:57
「ひとかど」は「一角」だと思っていました。他にも字があるなんて意外です😱

そう言えば法月倫太郎さんだったかな、「ノックスマシン」という小説で、プログラムが本を書くようになった近未来を描いてました。過去の文豪の作品を全て読み込ませ、パターン化し、完全にクセやストーリー展開を再現できるようになった。今や出版される小説は全てこれだ…みたいな話でしたが、難しくてよくわかりません(^^;
7. Posted by オスカー   2016年02月23日 08:21
§まろゆーろ様
ひと雨ごとに春に近づいているのか…あまりに不順な天候にお春さんに翻弄されているおやぢな気分です(笑) 来週はもう3月、早いですね! ご自愛下さいませ。
8. Posted by オスカー   2016年02月23日 08:26
§ミューちゃん様
時事ネタが多いエッセイだと、すぐ読むか10年くらい経って懐かしい!くらいの気分にならないと中途半端でイライラしてしまって(-o-;) 告白本とか一時はスゴい売れますが、すぐ古本屋に山積みになりますね~!
9. Posted by オスカー   2016年02月23日 08:29
§ナンチャッテ様
以前も「そろそろ旅に」という本のタイトルで、オサラバ!かと気にしていただきましたね。スミマセン~! ナナちゃんに会いに名古屋に行くまでは続けますよ(笑)
10. Posted by オスカー   2016年02月23日 08:34
§のざわ様
何世紀も前の書物が現代まであるのは、後世に残さねばという人の思いを受け止める人が続いたということですよね。それだけでもスゴいことです。本を通して過去の人とも未来の人とも語り合え異世界(笑)にも行けて、現代でもたくさんの人とつながれる……ひとつの奇蹟ですね!
11. Posted by オスカー   2016年02月23日 08:40
§見張り員さま
破廉恥というと「ハレンチ学園」も浮かんできます~アレはアレで学ぶことの多いマンガでありました(笑) 2月は逃げる、とはまさにその通り……不調も早く心身から逃げ去って欲しいです~!
12. Posted by オスカー   2016年02月23日 08:44
§猫ムスメ様
新聞コラムに「ノラや」の内田先生が師である漱石の鼻毛10本を愛蔵していた…とあり、作家ってやっぱり…なんて思いました(笑) 人工知能が書いた(?)小説って実際あるのか、読んだら違和感ないのか、体験してみたいです。

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