2016年05月25日

香雲便りNo.28:さよならは誰に言う(´-ω-`)

『さようなら』 千葉綾音さん(小6)

友達にさようなら
学校でさようなら
でも
学校でのさようならは二つあって
一つは毎日言って、もう一つは感謝の気持ちをこめて
ほがらかに言うものなんだよ



読売新聞の「こどもの詩」コーナーに載っていたこの詩を読んで、谷川俊太郎さんの『ありがとうの深度』を思い出しました。


心ここにあらずで
ただ口だけ動かすありがとう
だだ筆だけ滑るありがとう
心得顔のありがとう
心の底からこんこんと
泉のように湧き出して
言葉にするのももどかしく
静かに溢れるありがとう
気持ちの深度はさまざまだが
ありがとうの一言に
ひとりひとりの心すら超えて
世界の微笑みがひそんでいる



「さようなら」や「ごめんなさい」の深度もさまざまなんだろうなぁ、と言葉を入れ替えて考えてみたりして(^。^;) 私が印象に残っている「さようなら」は、応援していた宝塚の娘役さんが退団する時にくれた挨拶状にあったこの文章です。

『さようなら、という言葉には、今までありがとうございましたというお礼の意味と、これからもお互いがんばりましょうという意味があると思います。』


そして第450号:サヨナラのおまじないに書いた歌詞ですね。今でもこの歌は大好きです。



テレビで「さようなら」は永遠のお別れみたいだから、今は使わなくなっていて死語に近いと言っていました。友だちだったら「バイバイ」「またね」とかで仕事関係だと「お疲れさまです」を使って「さようなら」は、ほとんど言わないそうです。前にも書いたと思いますが「さようなら」は「左様ならば(さやうならば)、これでお別れしませう」が略されたもの。「左様ならば」は「そういうことならば」「それでは」との意味。「さようなら」の後に「またね」をつけたら、さみしさやかなしさが薄まる気がするんだけれど……それは私だけ? 



……なんてことをダラダラ考えていたら今日の読売新聞・編集手帳に『さようならの事典』から引用した一文がありました。『さようならの事典』(編集 窪田般彌・中村邦生)は別れをテーマに英米仏の映画や小説、偉人などの言葉をまとめた事典。「原文と訳に加え編集者の解説が載った味わい深い一冊」らしい。この事典については2008年1月1日付の編集手帳にすでに登場していました。

……(前略)正月はマラソンランナーの給水ポイントに似ている。処世の山坂で雨に降られ、ときに転倒しながら、へとへとになってたどり着く。水分を補給して生き返り、また走らねばならない(略)作家アルフォンス・アレーは書いている。「大時計のチクタクという音は、まるで時をかじるネズミのようだ」と(「さようならの事典」より)。今年もネズミたちは容赦なく時をかじり、走れ、走れと、鬼コーチのように尻をたたくだろう(後略)……


この年はネズミ年だったのですね(笑) ちなみに今日のは夫人が存命中に墓石に彫る言葉を考えた17世紀英国の詩人ジョン・ドライデンの言葉でした。

《ここに葬られしはわが妻。安らかに妻を眠らせたまえ! 今ようやく妻は心安らぐ、私もまたしかり》


彼はこれを実行出来たのか、反対に妻が“わが夫”と書き換えて刻んだのか……気になるところではありますが(笑)「さよならは誰に言う?」「さよならは悲しみに」……で千葉県知事のこの歌で今日はおさらば!(クダラナイ話につきあわせてごめんなさい!いつもありがとうございます!)……(´・ω・`)/~~



♪さみしさも悲しさも
いくたびか出逢うだろう
だけどそんな時でも
さらば涙と言おう






rohengram799 at 10:40コメント(12) 
谷川俊太郎 

コメント一覧

1. Posted by ミューちゃん   2016年05月25日 16:41
5 オスカーさん、こんにちは
僕は淀川長治さんの「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ…」が今でも印象的ですね(笑)このセリフを聞いたら「あー明日から、また学校やー」て云う気分になりましたね(笑)。今でも、たまに小松政夫さんが淀川さんのマネをやってくれるので僕は嬉しいですね(笑)
2. Posted by のざわ   2016年05月25日 22:04
オスカーさん、こんばんは。楽しく読ませていただきました。谷川俊太郎さんの詩、いいですね。
口先だけでありがとうと言ってしまうこともありますが、それはよくないと思いました。
宝塚の娘役をやられた方の「さよなら」の意味はとても深いですね。感心しました。
素敵な言葉を使える日々を送りたいと思います。
私は森田健作さんのファンだった時期あるんですヨ。知事さんになられたのですね。

3. Posted by ナンチャッテ   2016年05月25日 23:06
>テレビで「さようなら」は永遠のお別れみたい
自分も見ましたね 朝の番組、多分めざましテレビかな?

歌(歌詞)では砕けた『さよなら』がぱっと思いつきますね
オフコース・花*花・
これも時代の流れでしょうかね
かといって、野球で『さようならホームラン』と言われるとニュアンス変わる気もしますな
(男性目線で失礼)
使い分け方があるのかもしれませんが、本来は文中の通り『左様なら』ですから・・・ねぇ

そのうち、『さようなら』は死別の意味になるのかもしれませんね
4. Posted by 見張り員   2016年05月25日 23:54
こんばんは!
さよならって、なんだか寂しさが先行してしまいますわたし。
さよならってそのままもう会えないのかなあと思うときがあります。だから私もそのあとに「またね!」とつけるほうですね^^。

ジョン・ドライデンの話w!!
結局自身のほうが夫人より先立ってしまったという…これだけは思う通りに行かないですねw。
5. Posted by のり   2016年05月26日 02:14
オスカーさん
ハワイには、「ALOHA」と言う言葉があります。
こんにちは、さようなら、他にも、おはよう、おやすみ
ありがとう、と云う意味もあるそうです。
こちらアメリカでは、さようならの意味の言葉では
GOOD-BY,BYE-BYE(バイバイ!)なのですが、
最近は、あまり使わなくて、最近は、ほとんど
SEE YOU AGAIN!や TAKE CAREを使います!
「さよなら」にも流行があるのでしょうね?(笑)
むかしは、仲良くなったら、SEE YOU !
TAKE IT EASY !なんて、言っていましたが、
ちょっと品が無いので、いまは使いません(笑)
挨拶は、品が合って、色んな心が通じ合うのが
いいのでしょうね?(笑)
のり


6. Posted by なう60   2016年05月26日 12:00
おはようございます。
今朝は、同級生の姉御から電話「新聞見た。Yさんのお母さんと思う。確認して。」確認すると99歳の同級生のお母さんの告別式、本日の10時から。大急ぎ準備、告別式、間に合いました。逝去されたお母さんは、99歳の天寿を全う「安らかに」とお別れしてきました。尚、姉御そしてもう一人の同級生も参列でした。
7. Posted by オスカー   2016年05月26日 14:49
§ミューちゃん様
淀川さんの「サヨナラ」は賭の対象にされたので3回になったんですよね。今日は『64』前編を観てきましたが「いやぁ映画って本当にいいですね」…アレ?(笑)
8. Posted by オスカー   2016年05月26日 14:53
§のざわ様
森田知事は都知事みたいなスキャンダルがないのでいいかなと(^_^;) 宝塚も上級生・下級生・同期生、組替えや退団などたくさんのさよならを体験してきたからの言葉なのかと思っています。歌がとても上手い方でした。
9. Posted by オスカー   2016年05月26日 14:57
§ナンチャッテ様
エヴァでも「今日の日はさようなら」とか使われていますね。『シン・ゴジラ』予告編を見て「監督、エヴァっぽすぎます!」と思いました(笑) あ「ナイチンゲール」について次の記事で謎解き(?)しま~す!
10. Posted by オスカー   2016年05月26日 15:01
§見張り員さま
ドライデンはイギリス文学ではチョー有名人のようです。「桂冠詩人」だったそうですが、カツラ詩人に変換されて困りました。月桂冠の略なのに。肖像画を見ましたが、いかにも昔の詩人という雰囲気でしたわ(笑)
11. Posted by オスカー   2016年05月26日 15:07
§のり様
言葉はイキモノでありナマモノですから、変化も衰退もありますね。外国語に接する機会がないのでそうなんだ!とタメになります。 江戸言葉で「広島」は「ヒロシマ」と発音できるが、「東広島」になると「ヒガシシロシマ」・「シガシヒロシマ」・「シガシシロシマ」になるとありました。これも訛りになるんですかね?
12. Posted by オスカー   2016年05月26日 15:14
§なう60様
99歳、ご長寿ですが、突然のお別れに驚かれたと思いますが、駆けつけて下さりYさまも母上も喜ばれたと思います。間に合ってよかったです。紫陽花が咲く頃になるときっと思い出しますね。Yさまもお友だちも健康に気をつけていただきたいです。

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