2016年06月22日

閑雲便りNo.27:旅にご用心

新聞に『江戸落語図鑑 ー落語国のいとなみー』(飯田泰子)という新刊広告がありました。飯田さんは「企画集団エド」とかいう団体の代表らしいです。


本の内容ですが、江戸を舞台にした古典落語50席を題材に、江戸人の「仕事・遊び・暮らし」を絵解きするそうです。 江戸期の版本から採録した350点の図版が掲載されているらしい。「落語の世界と江戸の雰囲気が味わえる一冊」!


第1章は「江戸のなりわい」で時そば・唐茄子屋政談・芝浜など。第2章は「江戸の遊び」で蛙茶番・寝床・笠碁・幾代餅・三十石など。第3章は「江戸の暮らし」で、たらちね・らくだ・三方一両損・かつぎやなど。
詳しい内容は下記サイトでご覧になれるかも(; ̄ー ̄A

http://www.hanmoto.com/wp/wp-content/uploads/2016/05/fuyosho_1605171658_1.pdf



豆知識のコラムには「江戸の資源再生を担う屑屋」「葭町の千束屋は派遣の大手」「江戸時代の料理屋」「駕籠屋の種類と運賃」「へっついと左官屋さん」など興味深い項目がたくさんあるのですが、「旅行用心集に見る旅のこしらえ」が大変気になりました!


江戸時代の八隅蘆庵が文化7(1810)年に表したのが『旅行用心集』で、『現代訳 旅行用心集』(桜井正信監訳)も八坂書房から2001年に発行されていました。なぜこれを作ろうと思ったのが、それは話せば長い……(^o^;)

「私は若いときから旅行が好きであちこちの国に行った。それを知っている知人が旅行に出かける際にいろいろ聞いてくる。これまではそのたびに書いて渡していたが、最近は歳をとって面倒になった。断るわけにもいかないので、これまでのものを集めたり新たに書き起こしたりして、旅の助けになるようなことを小冊子にまとめることにした。 人の役に立つように印刷して『旅行用心集』と名付けるようになった次第である。」


自分のことは自分ですること、 食事に不満があっても文句を言わずに食べること、 土地によっては習慣の違いなどから気にくわない扱いを受けることがあっても、心得ておくこと。

旅行中は思わぬトラブルに見舞われることがあり、旅先では家に居るときのように適切に対処することは難しい。このように長い旅は言い表せないほどの苦労があるが「可愛い子には旅をさせ」だ!旅の経験のない人は旅の苦労を知らず、旅はひたすら楽しく物見遊山のためだけにするものだと思っている。そのため人情に疎く自分勝手な人間になってしまう。きっと陰で後ろ指を指されて笑われていることも多いだろう。


かなりカットしましたが、以上のような内容が序文にあり、本文はまた細かくいろんなことが書いてあるらしいです~内容が気になる方は『旅行用心集』で検索するとたくさん出てきますので、おヒマな時に読んでみて下さいませ。


「色町の案内書吉原細見」も気にはなりますが、これは以前『じょなめけ』という蔦屋重三郎を主人公にしたマンガを読んでいたので大丈夫です~「吉原細見(よしわらさいけん)」は遊郭のガイドブックですよん( 〃▽〃)



もう夏休みの旅行計画を立てている方もいるでしょうか? カラッとした夏の暑さに早くやって来て欲しいジメジメした夜です~皆さま、体調をくずされませんように。






rohengram799 at 21:38コメント(8) 
空のお城図書館 | 落語

コメント一覧

1. Posted by のり   2016年06月23日 04:40
オスカーさん
この本の内容からすると、私は、いまでも
旅行をしているみたいですね?(笑)
外国に暮らすと云う事は、旅行と同じで、
気に食わない食事も、料理の材料もないから
工夫をして、美味しく食べること、ステーキに
お醤油を一滴で、なんと美味しくなること!
なにより外国は、時間が実にゆっくりと進む?
電車やバスの時刻表は、あっても時間通りに来ない
停留所がどこであろうが、手を挙げればバスは
停まってくれる(笑)欧米では、ちゃんと列に並び
アジアの国では、割り込みをしないと前に進めない
高級な場所以外は、サービスと云う言葉は無い!
お金を払っても、思うほどの満足は得られない
安いものは、何でも金を捨てる覚悟でいなければ
安くて得をすることは決してない!
なんでも怒るよりは、おだててでも目的を達成する
ことが得になる!文句を言わず、褒めて、褒めて
楽しく出来れば、それで、みんなハッピー!
プライドなんて、くそ食らえ~!(笑)
のり
2. Posted by オスカー   2016年06月23日 15:36
§のり様
まだ鉄ちゃん、鉄子なんて鉄道オタクを表す言葉がなかった時に「私のカレはスゴい時間に正確なの!」と言っていた人がいたのを思い出しました(笑) 外国で暮らしていくのも長い人生の旅日記なのかもしれませんね。大変だけれど、たくさんいろんな風景に出会えて、毎日「今日はこんなことがあったんだよ」って昨日の自分に絵ハガキを書いているようなものかも……。
3. Posted by ミューちゃん   2016年06月23日 16:57
5 オスカーさん、こんにちは
僕は旅行する事は、あまりないのですが行くとしたら、何も計画せずに行く方が好きですね行くとしたら国内旅行でしょうね。海外もハワイなら行きたいですが、他国だと治安を心配してしまいますね
4. Posted by オスカー   2016年06月23日 18:39
§ミューちゃん様
ウチは二男だけパスポートを持っていますが(笑)ハワイよりグァムがオススメ!と言っていました。だいたい日本語で用件が通じるらしいです。
日本も平成の大合併がありましたが、世界地図も自分が子どもの頃に比べたら大きく変わりましたね。
5. Posted by 猫ムスメ   2016年06月23日 19:26
なかなか本格的な本のようですね😊
最近「東京かわら版」を見ても本当に落語関連本の出版が多く載っており、“落語ブーム、ここに極めり”と感じます。もはや「定着した」と言っても良いのではないでしょうか。

それにしても旅の心得は今も昔も変わらないのですね(^^; こういう記録が残っているのは非常に面白いです✨
6. Posted by オスカー   2016年06月23日 20:08
§猫ムスメ様
噺家さんもいろんな本を書いたりしていますし、『元禄落語心中』(読んでない、見てない)の影響も大きいのかも。
話はかわりますが『銭形平次』でおなじみの野村胡堂さんの娘さんも作家だったのですね。松田瓊子(まつだけいこ)さんの『紫苑の園』というタイトルが気になり検索して知りました。時代小説もたくさん出ているので、本を片手にぶらり旅に出たいですね~!
7. Posted by 見張り員   2016年06月23日 21:19
こんばんは
私一度でいい、落語を見に行きたいんです!今落語ブームだと聞きました、それに目下るわけでは決してなくって、もう以前から。思い切り笑いたいですね。
なぬ、吉原細見…気になりますねえw。遊郭のガイドブック~~~読みたいですね~~大好きこういうの!
8. Posted by オスカー   2016年06月23日 22:46
§見張り員さま
『吉原細見』には店の遊女ランキングもあったみたいですし、蔦重さんはアダルトgoods製作・販売にも力をいれていたようです(笑) 落語にも廓話がたくさんありますし、シャレて粋な時代だったんでしょうね。

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