2016年08月16日

乗雲便りNo.16:女子大生…( 〃▽〃)

山口恵以子さんの『月下上海』を読み終わりました! この作品で松本清張賞を受賞した山田さん、「水で割った酒は飲まぬよう父の遺言で言われてる」ので賞金は全て酒代(^◇^)と言っていたそうですね。


昭和17年10月、八島財閥令嬢にして当代の人気画家・八島多江子は、戦時統制化の日本を離れ、上海にやってきました。そこで、招聘元である中日文化協会に潜入し岸と名乗っていた憲兵大尉・槙庸平から、民族資本家・夏方震に接近し、重慶に逃れた蒋介石政権と通じている証拠を探すように強要されます。「協力を断れば、8年前の事件の真相をマスコミに公表する」と……。8年前、多江子が夫・瑠偉とその愛人によって殺されかける有名な事件が起きました。愛人は取り調べ中に自殺し、瑠偉は証拠不十分で釈放されたものの、親元の伯爵家から除籍され、満州へ……。そして奇跡的に一命を取り留め留めた多江子は、スキャンダルを武器に人気画家へのし上がったのですが、その真相は、愛人と外地へ駆け落ちしようとした夫を許せなかった彼女が、他殺に見せかけて自殺を図ったのです……。


情熱的で頭もよくて美しくて、たくましい……! 登場する男性陣もいろんなタイプがいて(笑)まだテレビにメロドラマ枠があったら絶対見たかったと思う展開でしたわ。ラストも余韻があったし、彼女の装いもまたステキだったので映像で見たい!歴史に詳しければ、上海の街並みとかリアルにうかんできて、もっと深く当時のことを考えて物語に幅を持たせて深い読み方も出来たのだろうと思います。上海事変とかナニ?って検索しましたよ……第一次、第二次があったなんて習った記憶もない(-_-;)


漫画では森川久美さんのの『蘇州夜曲』や『南京路(ナンキンロード)に花吹雪』『Shang-hai 1945』なんかを読みましたが、当時は今よりもっとものしらずだったので、ただ雰囲気で読み流していた感じ……。また読んでみたいけれど、今は古本屋にでもいかないと見つからない作品だろうなぁ。



さてさて、今日は《女子大生の日》だそうですね。1913年のこの日、東北帝国大学(現在の東北大学)が女子受験生3人の合格を発表し、日本初の女子大生が誕生しました。そのうちの一人は日本最初の女性理学博士となった黒田チカさんだったそうです。


黒田さんは明治17(1884)年、佐賀県生まれ。進歩的な父のもとに育ち、佐賀師範学校女子部卒業後の1年間の義務奉職の後、当時の女子にとっての最高学府であった東京の女子高等師範学校理科に入学。理科の実験は学校でなければできないと考えたのが理由だそう。卒業の頃には化学に興味を持つようになり、更なる進学を希望しましたが、そのころ帝国大学は女子に門戸を閉ざしていました。


しかし大正2(1913)年に、東北帝国大学が初めて女子の受け入れを決めます。すでに女高師の研究科を修了して助教授になっていたのですが、母校の教官の推薦を受け、東北帝国大学理科大学化学科を受験。黒田さんはこのとき29歳! 世間も新聞も大騒ぎをし、文部省は女子を入学させることに対して不快感を示す書状を東北帝大に送付したそうです……学問への意欲を奪い取るような、こんな時代もあったのですね。



私が小学生の頃は、四年制大学に進学するおねーさんなんて、町内にひとりいるかいないかで「本当に頭のいい人!」という認識でした。それがいつの間にかチャラチャラした派手な遊び好きなおねーちゃんたちになってしまって……(´;ω;`) 女子大生ブーム、あれは何がキッカケだったんでしょうか? そして今でもこのブームの余熱はあるんでしょうか?



女子大生になることもなく、すっかりおばちゃんになったワタクシ、山口恵以子さんのようにコツコツと毎日文章を書いて作家になる日を夢見ていたら、何かが違ったかも……なんて白昼夢をみています。暑さのせいね( ̄0 ̄;)






rohengram799 at 16:21コメント(16) | 空のお城図書館  

コメント一欄

1. Posted by 見張り員   2016年08月16日 21:01
こんばんは
「女子大生の日」ですか…
私も娘たちも「女子大生」にはなりませんでした。
一所懸命勉強する女子大生もいればそうではないのもいて、後者には「今しかできない勉強もあるんだからしっかりやりなさい」とげきを飛ばしたい私ですw。
誰でも行けるようになって大学の意味も変わりつつあるのかな…?

台風接近中!
どうぞお気をつけてくださいませね!
2. Posted by トリテン   2016年08月16日 22:48
「月下上海」面白そうですね。
上海という舞台がまた、あの時代の中国のミステリアスな雰囲気にピッタリ (*^_^*)
男装の麗人、川島芳子を思い出させます。

作者の山口さんもまた波乱万丈というか、面白い経歴の方ですね。
女性作家というのは、ちゃんと机に向かってというのではなく、ダイニングテーブルでという人も多いです。
35年前の女子大生が、食堂のおばちゃんになり、ミステリー作家になるまでのほうも小説になりそう(笑)
3. Posted by 猫ムスメ   2016年08月17日 08:32
「月下上海」、なんともまぁ、映像化するために書かれたような作品ですね(*≧∀≦*)

民放のメロドラマ枠もいいけれど、NHKでガッチリ5夜連続くらいでやって欲しいですね😊 当時の上海の街並みや衣装も完全に再現して…NHKならできる!!(笑)
4. Posted by オスカー   2016年08月17日 09:12
§見張り員さま
私の時代には短大に進学して勤めて結婚退職…というのがパターンだった気が(笑) 県外にいく人は半分もいなかった気がします。学生時代って学ぶより遊ぶことが大事!みたいに思うことがありますが……あとから激しく後悔しました(;´д`)
5. Posted by オスカー   2016年08月17日 09:16
§トリテンさま
山口さんはお見合い回数もスゴいですね。お相手はどんな方々だったのか、今どう思っているか下世話なおばちゃんは気になります! 赤ちゃんを背負いながら小説を書いたとかいう作家さんもいましたね。私はおやつを食べながらブログを書くのが精一杯かも(笑)
6. Posted by オスカー   2016年08月17日 09:20
§猫ムスメ様
実在の場所もたくさん出てきているらしいので、上海観光のPRにもなるのでぜひ映像に!と思ってしまいます(笑) NHKで…いいですね。大人のドラマはCM抜きで楽しみたいですし……実現してほしいです!
7. Posted by まろゆーろ   2016年08月17日 12:04
波乱万丈、紆余曲折の人生も刺激があって良いかもしれませんが、平凡こそ実はとても味わい深くて素敵な人生ではと思うこの頃です。当たり前に暮らせることは得るものは少ないでしょうが失うものも多くはないと思います。

しかし昔と今との大学の価値の違いにびっくりですね。
学問をするために大学を目指していた昔の人たちと、取り敢えず大学にいくことで人生の無難さのひとつを保証する今の人の考えの違い。志の有る無しでしょうね。

8. Posted by てんし   2016年08月17日 13:07
こんにちは😊

久しぶりにコメントさせていただきます。

私は女子大生の日は全く知りませんでした。

しかもそんな経緯から初めて女子大生が誕生していたのですね。

今は女子大もたくさんあって、女性たちは大学教育を思う存分受けることが出来ていい時代になったと思います。

そうなるまでには先人の女性たちがすごく努力されていたことがよく分かりました。

今の社会でもかなり女性たちの活躍が目立ってきていますが、もっと女性たちがどんどん活躍出来るようになっていくと良いですね。

いろいろコメントしていただきありがとうございました。
9. Posted by オスカー   2016年08月17日 13:42
§まろゆーろ様
読みかけだった山崎豊子さんの『暖簾』を読んでいますが、商売人に学問は必要ない!の時代もありましたね。父も祖父に言われたみたいです。包丁を持って追いかけられたって言ってました(^o^;) 草からも石からも学ぼうとすれば得るものはあるのだと実感するこの頃です。
10. Posted by オスカー   2016年08月17日 13:46
§てんし様
山梨にいた頃は都留文に行くのが憧れでした。全く成績が追い付きませんでしたが(;´д`) 今は職業にも男女の差がなくなり、選択肢も広がりましたが、その分フラフラ迷うことも多いのかもしれないですね。河口湖の天気はどうでしょう? 明日二男が出掛けます。知らぬ間にどこかで会っていたら嬉しく思います。
11. Posted by ミューちゃん   2016年08月17日 16:58
5 オスカーさん、こんにちは
恵依子さんってテレビで見る限り、好奇心旺盛な方なんだと思います。前はワイドナショーでゲームイベントのレポーターをやられてましたね(笑)。

それにしてもブームを作るのって絶対、女子の方ですよね(笑)。今は、もう”読モ”て言われてる人達が芸能界に進出する時代になって来てますからね(笑)。
12. Posted by オスカー   2016年08月17日 17:25
§ミューちゃん様
今って手軽にといったら語弊がありますが、ネットアイドルになれたりしますしね。本当にスターとかアイドルと言われるほどの輝きを持っているかというと微妙ですが(-_-;) 器用貧乏的にタレント作家も増えてきましたし、う~ん、なところもあります。
13. Posted by なう60   2016年08月18日 07:48
おはようございます。
我々の時代は、「金の卵」の時代、女子大生は、皆無の時代でした。高校入学率が30%の時代、高校卒業後、「裁縫の専門学校」が流行ってました。

「台風の進路」関東から北海道、異常気象の影響でしょうか?関東のダムの貯水率、改善されたのでしょうか?四国の水ガメ「早明浦ダム49.1%」水不足が心配になってきました。お盆を過ぎても「連日」暑いですね。体調管理に留意して乗り切りましょう。
14. Posted by オスカー   2016年08月18日 12:54
§なう60様
昨晩はむし暑かったです! ダム付近より沿岸部に大量の雨だったようです。実りの秋を前に台風はキツいですね。 夏休みが過ぎると受験生は志望校を決めて合格に向けてまっしぐら!でしょうか? 今はなんでもネットの時代でついついけないです(;´д`)
15. Posted by のり   2016年08月19日 04:46
オスカーさん

私の母は、教育ママでは、ありませんでしたが、
田舎の中学のころ、私の成績では、普通高校は、
無理だから、工業高校か商業高校に行かせなさいと担任の先生に言われて母は、息子は絶対に大学に
行かせます!と啖呵を切りました(笑)
私が行ったのは、大学のある付属高校でしたから、
受験勉強もなく、大学進学は楽勝でした(笑)
7年間、好きなことに打ち込むことが出来ました!

大学進学の進路相談のとき、私は、車の免許を
取りに行って、母だけが行き、大学進学するのに
運転免許証は必要ないでしょう!と担任に叱られ
たそうです(笑)
受験勉強がないんだから、大学には入れるでしょう?
試験のある運転免許の方が大事だよね?
面白い母でした(笑)
のり
16. Posted by オスカー   2016年08月19日 08:06
§のり様
ステキな母上さま(≧▽≦)! 私は今のマンションに上の子が小2になる時に引っ越してきましたが、同じくらいの子どもがいる人が多く「男の子だから大学にはいかせないと~お金かかるよね」と言われてちょっと驚きました。大学にこだわっていなかったのですが、いまでもやはり学歴社会なのかしらん?

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メッセージ

名前
メール
本文
記事検索
月別アーカイブ