2017年01月18日

夢雲便りNo.10:見ろ!のヴィーナスたち

青池保子さんの漫画『イブの息子たち』シリーズに見せたがりのヴィーナスが出てきたことがありました。あまりにも見せたがりなので、フローラが髪の毛をボンドでガッツリかためていましたわ💦 よく教科書などで見る、大きい貝殻の「ヴィーナスの誕生」を思い出して下さいませ(((^^;)


年末からチマチマとミロの『乳房の神話学』(角川ソフィア文庫)という本を読んでおります。このミロという人はヘンなことに研究熱心なのか、他にも共著でありますが『おなら大全』とか『でぶ大全』とかあります。


エロ本ではなくて、神話の時代から豊穣の象徴としての乳房、彫刻やら絵画やら、文学やら、本当に色んな話が詰まっていて、なかなか先に進めません。信じられないことでありますが、とにかく胸を見せたい!チラリズムではなく、バーン!となんの恥じらいもなく見せまくる女性が溢れた時代があり、教会にも平気で行ったらしいです。隠しなさい!イヤよ!で、教会などが困っている様子などが書いてありました。フランス、ルイ王朝の時代の話ですかね。肉体美(?)に目覚めた女性たちが凄すぎます・・・!


「この聖なる場所に来たりて、なにゆえかほどに身を飾り立て、体形をわざわざ見せつけてまで、人々の視線を集めようとなさるのか。胸も肩も腕もむき出しにするのみならず、贅を凝らした服装をするのがふさわしいとお考えか。ここは偉大なる救世主であられる主が、至高の肉体を通じて、不滅を願う魂に滋養を与え、貞潔への愛を吹き込み、色欲の焔を消して下さる場所。だのにあなた方ときたら、あえて申し上げるが、自分の肉体で人々の目を奪い、魂を惑わせ、官能をかき立て、情欲の火に油を注いでいるではないか。この不信心はいかなるものか。イエス・キリストの肉体にあなた方の肉体を、神の慈愛にあなた方のみだらな愛欲を並べようとでも言うおつもりなのか。」(p77〜78)


本当はもっと口汚く罵りたいのでしょうけど( ̄~ ̄;)


1692年には、胸を隠すファッションが流行した。といって、まったく隠してしまうのではなく、「スティンケルク」という薄手の肩掛をかけるだけだったのだが、それはその年の夏、ベルギーのスティンケルクで、取るものも取りあえず戦闘に加わり勝利を収めたフランスの将校連中が、ぞんざいにネクタイをしめたままで戦ったことに由来する、いわば戦勝記念のファッションであった。(P80)



『ベルばら』を読んだことがある方ならわかると思うのですが、パリの下町のおかみさんたちが肩にかけて胸のところで結んでいるショールみたいなヤツ、あれは「フィシュー」というらしいです。アントワネットの晩年の肖像画にも見られますね。貴族の方々などは豪華なものを身に着けていたようです。

https://blog.goo.ne.jp/asumirio63/e/13446ac231f3b7f84579ecf02444bf0b


こちらのブログは他の記事も家具や人形、時計などアンティークでステキな物の話がたくさんなので、漫画に興味ない方でも楽しますので・・・オススメします(*^^*)



この本には文学の中の乳房についてもたくさん書かれていて、短歌や詩、風刺画やポスターなどの写真もあり、世の中の移り変わり等もわかります。まぁ買うのにちょっと勇気がいるかもしれませんが。また500ページ近くあるので持ち歩きには適さないかも(´-ω-`) サクサク読めないし、私も自宅でしか読まないです。だからいつまでも読み終わらない!



大きくても小さくても、女性ならこのうっとおしさがわかるのではないかしら、という桂信子さんの歌で今日は〆たいと思います。


『ふところに乳房ある憂さ梅雨長き』



rohengram799 at 12:30コメント(8) 
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コメント一覧

1. Posted by ミューちゃん   2017年01月18日 16:51
5 オスカーさん、こんにちは
女性の胸って男側から見ると、さほど大きさは気にしてない人の方が多いような気がします。胸より、最近の女性の華奢な体に不安を覚えてしまいますこれも実は男側から見たら体形も、あまり気にしてない人の方が多いと思います
2. Posted by osamu   2017年01月18日 21:00
私の少年時代の頃は家に風呂が無くて「ぎょうずい」と言ってましたが「たらい」の大きなのに湯をはって入ってました。
母は夏場は夕方になると「ぎょうずい」に入るのが好きなのか「おっぱい」を出していたのを思い出します。
若い独身?の米屋さんが配達を届けに来て、「びっくりぽん」の話が我が家で時々、話題になります。
3. Posted by 見張り員   2017年01月18日 23:17
こんばんは
胸の大きさも年を重ねればどうってことなくなっちゃいますねwww!そんなことで悩んだ若いころが懐かしいです。
それより私「おなら大全」がとってもとっても気になるのです…w。
4. Posted by なう60   2017年01月19日 08:32
おはようございます。
「バーン!となんの恥じらいもなく見せまくる女性が溢れた時代があり、教会にも平気で行ったらしいです」壮観ですね。昔、昔、職場のレクリエーションで上半身「バーン」と並んで迎えてくれた「ホテル」を思い出しました。(ホテル代、通常の4倍)子供に大切な「バ-ン」そして「お父さん孝行」の「バ-ン」です。
5. Posted by オスカー   2017年01月19日 23:07
ミューちゃん様
高校時代、本当に折れそうに細い同級生がいました。体育の授業とかポキッ‼と骨が折れそう・・・とみんな心配していました。健康上は全く問題視ないと言っていました。歳を重て今は太っているかしら?
6. Posted by オスカー   2017年01月19日 23:11
osamu様
たらいで行水、今は夏休みにビニールプールです遊ぶ小さい子どもを見るくらいですね。何かとても懐かしく絵になる光景だと思います。和解配達のお兄さんの戸惑い、想像出来て、なんだかほほえましい気持ちになりました😄
7. Posted by オスカー   2017年01月19日 23:17
見張り員さま
ここ数年、胸よりお腹にハリがあるんですよ〜😨
『おなら大全』ですが・・・「BOOK」データベースなるものによりますと【古代エジプト以来、おならが人類の関心の重要な一部をなしてきたなどと、にわかに信じることができるだろうか?しかし、それを証する驚くべき文献があり、信じがたい図像がある。おならをごまかし、泣き、笑い、そして愛してきた人類の歴史が、二十世紀末の今日にいたり、初めて一大集成としてまとめられた。フランスで激賞―「ラブレー賞」受賞。付―「抱腹絶倒の放屁家」索引、「歴史に残る一発」索引、珍品図版多数収載。】とのことです。歴史に残る・・・って気になりますわ(笑)
8. Posted by オスカー   2017年01月19日 23:28
なう60様
コメントを読んで、本に載っていた中村草田男の『子のための又夫(つま)のための乳房すずし』という句を思い出しました。なんだかとても神聖な物に思えてきました。かんでも買って読んでみるものですね(笑)

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