2017年06月20日

さくも便りNo.13:花のベッド

本屋さんで表紙の可愛さに目が行き、タイトルも薄さも値段も私的にはよかったので『花のベッドでひるねして』 (幻冬舎文庫)を買ってきて読みました。多分、はじめてよしもとばななさんの小説を買ったのではないかと。

海辺で拾われた捨て子の幹は、血の繋がらない家族に愛されて育った。祖父が残したB&Bで忙しく働きながら幸せに過ごしていたが、廃墟のビルに明かりが点いてから不穏な出来事が起こり始める。両親の交通事故、夢に出る気味の悪いうさぎ、玄関前に置かれる小石・・・ちょっとミステリーでホラーでファンタジーでスピリチュアルな内容でした。

B&Bはお笑いではなく(もう知らない人の方が多いのかも)ベッド・アンド・ブレックファスト(英: bed and breakfast)の略。『イギリスや北米、アイルランド、ニュージーランド、オーストラリアなど、主に英語圏各国における(多くの場合小規模な)宿泊施設で、宿泊と朝食の提供を料金に含み、比較的低価格で利用できるもののこと。』(Wikipediaより)

幹の祖父が『今のままでいい。うっとりと花のベッドに寝ころんでいるような生き方をするんだ。もちろん人生はきつくたいへんだし様々な苦痛に満ちている。それでも心の底から、だれがなんと言おうと、だれにもわからないやり方でそうするんだ、まるで花のベッドに寝ころんでひるねしているみたいに。いつだってまるで今、そのひるねから生まれたての気分で起きてきたみたいにな。』と話したことがタイトルになっているのですが、親しい人を亡くした後の喪失感、その後の暮らし、心向きなど、共感出来るところはいくつかありました。全部、素直にのみ込んで感動出来るほどpureではないおやぢなワタクシですが、一部を切り取り、上手くまとめて絵本にしたらステキかも、と思いました。

主人公の名前は作家・立原正秋の娘さんの名前からだそうです。かなり溺愛していたようですね。ばななさんも父上を亡くされ、その哀しみがいたるところにあらわれている気がしました。

読みながら、思い出した詩があります。


『ある日ある時』   黒田 三郎


秋の空が青く美しいという
ただそれだけで
何かしらいいことがありそうな気がする
そんなときはないか

空高く噴き上げては
むなしく地に落ちる噴水の水も
わびしく梢をはなれる一枚の落葉さえ
何かしら喜びに踊っているように見える
そんなときが




生きるときめき、生きるよろこび、素直に感じられる人間でいたいものです。



rohengram799 at 13:49コメント(4) | 空のお城図書館  

コメント一欄

1. Posted by ミューちゃん   2017年06月20日 17:01
5 オスカーさん、こんにちは
僕って熟睡は出来ると思うのですが、昼寝とか仮眠は出来ないタイプなんですよどれだけ気持ちのいい状態でも目は冴えてますね(笑)。だけど授業中に居眠りをして起きたら、鉛筆で訳の分からない絵を描いた事は有ります(笑)
2. Posted by 猫ムスメ   2017年06月21日 13:46
よしもとばなな、ここ数年はやけにスピリチュアルな方向に行ってしまい避けていたのですが…これはいかがでしょうか(^^;

立原正秋さんは高校時代に何十冊も読みました(友達のお母さんが立原正秋と渡辺淳一のファンでダンボールいっぱい貸してくれたwww)

今考えると「高校生に貸していいのか?」と思うくらい官能的な描写が多く、私の中では「官能小説家」のイメージ(笑)。でも家庭では、娘を溺愛するいいお父さんだったのですね!
3. Posted by オスカー   2017年06月22日 00:30
ミューちゃん様
私は昼寝のつもりが3時間くらい寝てしまって焦ることがあります(; ̄ー ̄A
4. Posted by オスカー   2017年06月22日 00:36
猫ムスメ様
なんかギリギリ許せるかな、というスピリチュアル度ですかね~結構クドイ!と思いました。文庫のあとがきに『この作品を書いたことで、「ある意味での」引退をすることができました。」と書いていたので、また違う作風・活動をするのかも? 立原正秋作品は『冬の旅』が印象深いです。そして詩人の立原道造とごちゃ混ぜになります(笑)

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