2018年08月14日

炎昼雲便りNo.26:追憶

「追憶はおとなの遊び小鳥来る」(仁平 勝)


思い出と追憶は何が違うのかなぁ、と考えていましたが、思い出は写真の容認一枚、一枚、別のものであって、追憶はひとつの長い物語なのかなと。子どもには長い映画は退屈でしょうから、おとなにならないと味わえないものなんでしょう・・・などと自分で結論を出しました(笑)




お盆さんですね。6日読売新聞の「俳句あれこれ」というコラムを井上康明さんが担当していて、お盆の句を紹介していました。


「炎天に筵たたけば盆が来る」(飯田龍太)


・・・自句自解によればこの句の盆は七月、新暦による盆である。筵(むしろ)は養蚕の筵。春蚕、夏蚕、秋蚕と続き、その合間を縫って七月のうちに盆会が行われた。桑の葉を食べ尽くした蚕は、体が透き通り糸を吐く上簇(じょうぞく)の時期を迎える。その蚕を拾って、蔟(まぶし)と呼ばれる井桁状に小さく仕切った蚕具に入れる。それまで蚕の下に敷かれていた筵は、糞に塗(まみ)れて湿っている。その筵を乾(ほ)し棒で打って糞を落とす。村のあちこちから筵を叩く音が炎天に響く。その音と蚕臭の向こうから先祖の霊を慰める盂蘭盆会がやって来る。・・・



飯田龍太は蛇笏の息子で、井上さんも山梨の生まれ、現在も居住されているようです。私が中学生くらいまでは、7月がお盆さんだった記憶があります。この頃はもう、お蚕さんをやっている農家さんは少なかった気がします。一年中忙しい農家の様子や夏の暑さが伝わる名句だなと思いました。




井上靖の『掌の小説』という短編集の中に「死顔の出来事」という、本当に短い話があります。このダンナさんが亡くなった妻にしたことは、愛情なのかなんなのか、妻の母親と妹の心情など、不思議な感覚にな小説です。


https://plus.google.com/101118550140339068924/posts/LeVSnk5RzVr



私は自分が死んだ後、顔を見られるのも、ベタベタさわられるのもイヤだし、自分も故人に対してしたくないです。祖父や両親の時も、こちらから言う前に白布をとる人や顔をさわる親戚とかいましたが、それもイヤでした・・・。






rohengram799 at 12:53コメント(6) 
お墓・葬儀・終活・メメントモリ 

コメント一覧

1. Posted by ミューちゃん   2018年08月14日 16:52
5 オスカーさん、こんにちは
昔、追憶って云うジュリーの曲が有りましたよね確か、ソロになって2回目の1位になった曲だと聞いてるのですが…。

僕は棺桶の中に故人の思い出の品を入れるのは、どうなのかな?て思ったりします。全部が全部、火葬出来る訳でも無いですからね
2. Posted by まろゆーろ   2018年08月14日 21:55
まったく同感です。
人さまの死顔は見たくも触りたくもありません。あの白い布を取る時の得体の知れない思いはまっぴらです。顔は元気だった頃の思い出だけで十分かと思います。
だから自分の時も見られたくないです。死んで24時間経ったらとっとと焼いてもらいたい。家族葬、それも骨葬がいいです。
棺に手紙や家族の写真を入れる方もおられますが如何なものでしょうね。
小さい頃ですが、祖父が荼毘に付されていく様子を火葬場で見たことがあって(50数年前なんてのぞき窓から紅蓮の炎の中の様子を見れたんですよ)、あの光景がしばらく死と火葬のトラウマになりました。
こんな話、お盆だから許してくださいね。

ゲリラ豪雨は大丈夫ですか。関東の天候はなんだか凄いことになっているようですね。お気をつけください。
3. Posted by 猫ムスメ   2018年08月16日 08:26
確かに顔触られたりしたくはないですね〜( ; ; ) やる人は良かれと思ってやっているんでしょうが…

ちなみにウチの夫は新潟出身ですが、キュウリやナスで牛・馬を作るのはやったことがない、見たこともない、と言っていました(汗)。けっこうな旧家なんですが…地域性なんですかねぇ。
4. Posted by オスカー   2018年08月17日 08:06
ミューちゃん様
ジュリー、あんなに太るとは思っていませんでした💦 納棺時にあれこれ入れなくていいの?と周りから言われるのもイヤなものです・・・ダメなものは葬儀社の方が注意してくれると思いますが、絶対入れる!という人もいるんでしょうね。
5. Posted by オスカー   2018年08月17日 08:12
こちらは夕立らしいものもほとんどなく、今朝は秋だなぁと感じるさわやかな空気でした。 私も家族葬が一番いいなと思います。ちゃんと悲しんで家族を送りたい、送ってもらいたい。両親の葬儀に関しては未だに「なんでこうなった?」なことがあり、すでに家を出た身なので仕方ないのかと思いつつ、モヤモヤしたままです。
6. Posted by オスカー   2018年08月17日 08:15
猫ムスメ様
精霊馬を作ったことはなくても、みんな見たことはあると思っていたのでビックリしました。何か違うものを飾ったりするのかしら? 今は妙に芸術的な馬や牛を作る人がいるみたいですが。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メッセージ

名前
メール
本文
記事検索
月別アーカイブ