2018年06月26日

芸香雲便りNo.27:懐中時計

『懐中時計』 夢野久作


 懐中時計が箪笥の向う側へ落ちて一人でチクタクと動いておりました。
 鼠が見つけて笑いました。
「馬鹿だなあ。誰も見る者はないのに、何だって動いているんだえ」
「人の見ない時でも動いているから、いつ見られても役に立つのさ」
 と懐中時計は答えました。
「人の見ない時だけか、又は人が見ている時だけに働いているものはどちらも泥棒だよ」
 鼠は恥かしくなってコソコソと逃げて行きました。




とても短い話なのですが、ワタクシも恥ずかしくなってジタバタしています o(><;)(;><)o ムダに時間を過ごしてしまいました。



rohengram799 at 08:14│Comments(2)青空文庫 

この記事へのコメント

1. Posted by のざわ   2018年06月26日 21:04
オスカーさん、こんばんは。
夢野久作、いちどラジオ文芸館で聞いたことがあるような気がします。このお話は短いですが、意味が深いですね。とくに人の見ているときだけ働くのも泥棒なんだとよく考えたらわかりました。
2. Posted by オスカー   2018年06月27日 08:19
のざわ様
夢野久作の作品って短いものしか読んだことがないのですが、落語みたいにオチのあるものやう~ん、と考えさせるものもあり、作家は偉大だな、とあらためて思いました。

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