『残されたる江戸』という柴田流星が書いた作品があります。一年間の江戸の暮らしぶりが描かれていて、そんな風習が(´・ω`・)? の驚きやら発見やらがあって面白いです。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000342/files/2391_18586.html


この中にも書いてあった「丑紅」。「うしべに」って「あかべこ」のことじゃないのか、と安易な発想をしてしまうおやぢではありますが、もちろん違います(;´∀`)



江戸時代、暦の上で「小寒」と「大寒」を合わせた約一ヶ月間の「寒」の時期に製造された紅を「寒紅(かんべに)」といったそうです。特に良質で発色が良く、口中の虫を殺すなどの俗信や、唇の荒れに効果があるとされていたらしい。また、寒の丑の日に売り出された紅は、「寒中丑紅」あるいは「うし紅」と呼ばれ、購入金額に応じて材質や大きさの違う牛の置物が配られたそうです。


【丑紅】

http://www.isehanhonten.co.jp/beni/event.html



青空文庫から「丑べに」の一部を抜粋しました。京女より江戸の女の粋さをアツく語っています(゚∀゚*)(*゚∀゚)


『紅というもの、若い女の唇に少しばかりものしたが、かえって愛でたく、上瞼に薄っすら刷いたも風情のあるものだ。』
 
『京の女は厚化粧、白粉を頸筋にまで用いて、べには唇にばかりではなく、目じり目がしら、引眉にもこれを加うとぞいうが、江戸ッ児は女でも瀟洒たるもの、好んで多摩川の水にみがき上げた素顔素肌を誇り、強ては白粉を用いず、ただ紅のみは下唇にチョと目立たぬくらい、それも態とらしきは吾から避けて用いぬようにしている。
 女の口紅はこうしてこそ趣も深く、なかなかに捨てがたく思わるるのを、徒にコッテリと唇いっぱいにつけて、折角の愛らしい口元を、子鬼の笑ったようにしてしまうもの多きは、寧ろ天性の麗質を損ずるもの、吾儕が生粋の江戸ッ児には憚んながらそんな女は一人もいないはずだ。』



ウシのクチビルは牛タンみたいな感触らしいです。あとスープにするのはオスの方が美味しいらしい。牛タンも食べたことがないので、クチビルはもっと食べる気がしません (;´ω`)