花春雲便りNo.3:けむり
昨日は「けむりとねむり」でしたが、今日は「けむり」の詩を……寺山修司の詩はなんと言うのでしょうか、数字をいくつ重ねていっても、ガラス細工のような繊細な少年の心を大事にかかえている……そんな殿方の切ない叫びのように思えます。
けむり
寺山修司
ことばで
一羽の鴎を
撃ち落とすことができるか
ことばで
沈む日を
思いとどまらせることができるか
ことばで
バルセロナ行きの旅客船を
増発できるか
ことばで
人生がはじまったばかりの少女の薄い肩を
つかむことができるか
私は
かなしくなると
けむりをみている
rohengram799 at
07:40│
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寺山修司