失われた時の頂にかけのぼって
何を見ようというのか



ずっと忘れていた、教科書に載ってた詩の冒頭を思い出しました。タイトルは『ヒロシマ神話』。作者は嵯峨信之さんという方でした。一緒に石垣りんさんの詩『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』(*)も載っていたような気がする。こちらの授業の記事も考えさせられました。

https://komatsu3.at.webry.info/201208/article_6.html



 
嵯峨信之さんの『小さな灯』という詩も知りました。



小さな灯


人間というものは
なにか過ぎさつていくものではないか
対いあつていても
刻々に離れていることが感じられる
眼をつむると
遠い星のひかりのようになつかしい
その言葉も その微笑も
なぜかはるかな彼方からくる
二人は肩をならべて歩いている
だが明日はもうどちらかがこの世にいない
だれもかれも孤独のなかから出てきて
ひと知れず孤独のなかへ帰ってゆく
また一つ小さな灯が消えた
それをいま誰も知らない




台風が3つも発生しているという状況……どうぞ皆さま、お気をつけ下さいませ。


(*)http://www.ne.jp/asahi/choonji/namo/hanasi3-256.html