2023年05月22日

だし雲便りNo.15∶月曜日には(白い)バラを

こんにちは🐥 

昨晩『水を縫う』を読み終わりました。

【水を縫う 寺地はるな】https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-744521-3

「男らしくない」「女なんだから」「母親なのに」……そんな言葉に縛られている登場人物たち。姉弟の名前は水青(みお)と清澄(きよすみ)。名前の由来が素敵でした。

「流れる水は、けっして淀まない。常に動き続けている。だから清らかで澄んでいる。一度も汚れたことがないのは『清らか』とは違う。進み続けるものを、停滞しないものを、清らかと呼ぶんやと思う。これから生きていくあいだにたくさん泣いて傷つくんやろうし、くやしい思いをしたり、恥をかくこともあるだろうけれど、それでも動き続けて欲しい。流れる水であって下さい。お父さんからは以上です。」
(第六章 流れる水は淀まない P235)


私は母親のさつ子タイプかもしれない😓 一章ずつ語り手が違うのだけれど、祖母の「女だから」で諦めなくてはならないことがたくさんあった「プールサイドの犬」はそういう時代だったという一言で括るには、やはり悲しく苦しい。また水青が可愛いものや着飾るのが苦手になった原因も辛い。なんとなく吉田秋生さんの『櫻の園』を思い出しました。第3章の「花酔い」で、早くに初潮を迎えたことや身体の成長に対し、周りから自分「ませている」と性的なものとして捉えられるようになる女の子の姿がせつなかった。
https://comic.k-manga.jp/title/28142/pv

また、こぎん刺しや背守りが出てきて『津軽百年食堂』や『転生』も。感想もブログに書いているのでよかったらタグから辿ってみて下さい🙏

【津軽百年食堂】
https://www.shogakukan.co.jp/books/09408582

【転生】
https://www.kadokawa.co.jp/product/321507000112/



姉弟つながりで……ナチス政権に反旗を翻し戦争を終結させようとビラをまいたショル姉弟のことを、読書メーターの読み友さんのつぶやきから知りました。逮捕からわずか4日後、理不尽な裁判により死刑判決を受け、その日のうちに斬首。信じられない!

http://www.newsdigest.de/newsde/features/1016-die-weisse-rose/

正義の声は消えない―反ナチス・白バラ抵抗運動の学生たち >> https://bookmeter.com/books/12106264


時代も行動も違いますが「フランシーヌの場合」を思い出しました。
http://rohengram799.livedoor.blog/archives/50665531.html


まだまだ知らないことがたくさんあって、覚えておかなくてはいけないのに忘れてしまうこともたくさんあるのですが、こうして残しておくことで「そう言えば…」と具体的なことは思い出せなくても、どこか記憶に残るようにと書きとめておきます。


ヒロシマサミットも閉幕しました。すぐに世界から戦争がなくなり核が放棄されることはありませんが、自分のまわりの小さな世界だけでもおだやかなであるように日々精進せねばと思う月曜日です。

ではでは、皆さま、今週も「ご安全に」(⁠•⁠ө⁠•⁠)⁠🍀


この記事へのコメント

1. Posted by イネス   2023年05月25日 10:02
一度も汚れたことがないのは『清らか』とは違う、という言葉がずしんときました。汚れることを恐れず何度も何度も汚れてその度に自分をクリーンアップしていく、その過程と果敢な姿勢をこそ『清らか』というのかな……と思いました。早速探して読んでみます!紹介ありがとうございます✨
2. Posted by オスカー   2023年05月26日 09:27
イネスさま
特に読みたい!と思って探しに本屋さんに出かけた訳では無いなかったのですが、よい作品に出会えました。昨晩は藤原伊織さんの『ダナエ』を読み終わりましたが、このどこか昭和テイストのロマンチストなダメンズたちの短編集も私好みでした。作者が私と同じ年で鬼籍に入ってしまったのは残念です。

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