青空文庫

2020年01月10日

献春雲便りNo.10:懐中時計

今年の干支はネズミ🐀 正月三が日は「嫁が君」と言われるネズミ🐭 (*)

ネズミには嬉しくないであろう、短い夢野久作のお話をどうぞ。懐中時計、憧れました。懐中時計を身につけてオシャレな姿の土方山王祭写真を見てからは特に(笑) 今は目覚ましがなってもなかなか起きられないので、もっといい目覚まし時計が欲しい ⏰💥



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『懐中時計』 夢野久作



懐中時計が箪笥の向う側へ落ちて一人でチクタクと

動いておりました。

鼠が見つけて笑いました。

「馬鹿だなあ。誰も見る者はないのに、何だって動いているんだえ」

「人の見ない時でも動いているから、いつ見られても役に立つのさ」

と懐中時計は答えました。

「人の見ない時だけか、又は人が見ている時だけに働いているものはどちらも泥棒だよ」

鼠は恥かしくなってコソコソと逃げて行きました。



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こちらのブログで富士山と美しい彩雲が見られます。皆さまにも彩りゆたかな毎日が続きますように✨

https://ameblo.jp/mizunotunagari3776/entry-12565100299.html



(*)https://seethefun.net/%E6%96%87%E7%B3%BB%E5%AD%A6%E5%95%8F/18319/



rohengram799 at 00:00コメント(6) 

2020年01月09日

献春雲便りNo. 9:指

三が日、近くのショッピングモールに行った時に、なにやら長い行列が出来ていて「初売りの行列?」と思ったら、抽選会の整理券をもらうために並んでいたようです。「店舗でいくら以上お買い上げの方」ではなく、タダで抽選会に参加出来て、一等が4Kテレビだったのもあり、家族総出で並んでいたのでしょう。ウチの家族ではあり得ない……並ぶのがキライなので(^^;)(;^^)



寒くてなかなか寝付かれない夜が増えてきました。靴下を履いて寝るにはまだ早いし、それに絶対途中でなんか気持ち悪くなって脱いでしまうと思う!

私は全く知らなかったのですが、大分前から五本指のストッキングが発売されていたのですね〜靴下は観たことがあるし、自分も履いていましたが、ストッキングは考えたことがなかった! とにかくストッキングは伝線する!イメージしかない(笑)

【五本指ストッキング】
https://cancam.jp/archives/202838



こちらは上田敏が訳した「五本の指」という詩。言葉がなんだかわからない〜「この指 パパ♪」くらいのノリが欲しい(笑)

https://www.aozora.gr.jp/cards/001709/files/55209_49270.html



江戸川乱歩のいかにも乱歩らしい、ホラーな短編はコチラ📖

https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/files/58465_64921.html




rohengram799 at 00:00コメント(2) 

2019年12月03日

黄冬雲便りNo.2:菊と牡丹

幸田露伴の『菊 食物としての』(*)を読んだ時に


花で味のよいものは何と云つても牡丹であるが、これは力よく之を得るに及びやすい訳にゆかぬ。ゆふ菅すげの花も微甘でもあり、微気の愛すべきものがあつて宜いが、併しかし要するに山人のかすけき野饌である。甘菊の大なるものは実に嬉しいものである。



という文章があって、牡丹を食べる!? … 作家の藍川京先生にブログコメントで質問したら(先生のブログは植物の写真がたくさん。月下美人やカタクリを食べるのもコチラで知ったので)「イノシシ肉のぼたん鍋🐗かもしれない」的なお返事をいただきました(笑)


私のコメント(前半は台風被害の話で略)……幸田露伴の随筆でしたか、食用菊について書かれていた中に、牡丹も甘くて美味しい、とありましたが、先生は食した経験はありますか? 煮て食べるようですが…。


先生のお返事コメント(о´∀`о)

台風、大雨の被害による農家の方達の哀しみはいかほどかと心が痛いです。
苦労して愛情を込めて育てたものが、一瞬にして台無しになってしまうのですから。
国からの手厚い援助があればと思っています。
多くのボランティアが現地に入っているようで、手を合わせたくなります。

食用菊、特に紫の「もってのほか」は大好物ですが、「牡丹も甘くて美味しい」とあり、私は食用は知りません。おせんべいなどに花びらを入れることはあるようですが。
甘くておいしく、煮て食べると書いてあり、もしかしたら牡丹は牡丹でも猪の肉のことではないかと(笑)。
それなら煮て食べますし、美味しいので。
京都で有名なぼたん鍋のお店で、美味しい牡丹(猪)を戴いたことを思い出しましたが、さて、幸田露伴が書いたものはどちらでしょうね(笑)。




検索しても花びらで包んだ手まり寿司みたいなものしか見つからず……花びらを酢の物みたいにして食べたのか、天ぷらにしたのか? 最初に食べようと思った人は食べたらたら艶やかな美女に変身すると思ったのかなぁ……漢方薬の記事の中に食べ方は書いてありました(**)



ユウスゲは食レポ記事を発見!! (***)
興味深いです〜慌ただしい師走でありますが、お暇な時にでもお読み下さいませ。




https://www.aozora.gr.jp/cards/000051/files/3538_47839.html

**
https://www.kampo-sodan.com/column/entry-2307

***
https://daisensando.hatenablog.com/entry/20150712/1436660449


rohengram799 at 09:45コメント(4) 

2019年11月20日

菊花雲便りNo.17:熊

【宮内庁は19日、台風19号の被災地お見舞いのため天皇、皇后両陛下が12月下旬に宮城、福島両県を訪問される方向で検討していることを明らかにした。両陛下の被災地お見舞いは即位後初めてで、平成時代に築かれた象徴の務めとしての被災地訪問が令和の時代にも引き継がれることになる。】


ネットニュースを読んだ時「来月?」と確認してしまった。年末に? 何もなくても慌ただしく気忙しい時期に? マジですか?となりました………この訪問にかかる費用を違うことに……と考えてしまいます。被災地の方々はどう思われているのか、本音が知りたいです。





さてさて、あちこちで猿や熊の出没していますが、新美南吉の短い詩のような物語を読みました。狼でも虎でもない熊の遠吠えが哀しいです。






新美南吉



熊は月夜に声きいた。
どこか遠くでよんでゐた。

熊はむくりと起きて来た。
檻の鉄棒ひえてゐた。

熊は耳をばすましてた。
アイヌのやうな声だつた。

熊は故郷を思つてた。
落葉松林からまつばやしを思つてた。

熊はおゝんとほえてみた。
どこか遠くで、
こだました。




iyomante_02


http://www.yoitomake.jp/iyomante.html


rohengram799 at 10:30コメント(4) 

2019年11月18日

菊花雲便りNo.16:母の匂い

青空文庫で『母の匂い』を読みました。作者の佐藤垢石(*)という人は釣りが本当に好きらしく、青空文庫にある話はほとんど釣りのような…短い話なのでスキマ時間の活用には便利(笑)




 母はいつも、釣りから戻ってきた父をやさしくいたわった。子供心に、私はそれが何より嬉しかった。
 やはり、五月はじめのある朝、父と二人で、村の河原の雷電神社下の釣り場へ若鮎釣りを志して行った。父と私が釣り場へ行く時には、いつも養蚕に使う桑籠用の大笊ざるを携えるのであった。あまり数多くの若鮎が釣れるので、小さな魚籠びくではすぐ一杯になってしまい、物の役にたたなかったのである。
 釣り場へ着くと大笊を、二人の間の浅い瀬脇へ浸けてから、鈎をおろすのを慣わしとした。道糸を流して流れの七分三分のところまで行くと、目印につけた水鳥の白羽がツイと揺れる。若鮎が、毛鈎けばりをくわえたのだ。軽く鈎合わせをする。掛かった鮎を、そのまま大笊の上へ持ってきて振り落とす。
 こうして、二時間もすると、大笊のなかは若鮎の背の色で、真っ黒になるのを常としたのであった。
 お腹が、すいてきた。
『お母さんは、もうきそうなものだね』
 と、私は無言のまま一心に道糸を見つめる父に話しかけた。腹がすいてくるのを覚えるといつも間もなく母がお弁当を持ってくる時刻になるからである。やがて、崖の上から、
『どうだい、釣れたかい?』
 と、言う和やかな母の声が、群れ泳ぐ笊のなかの鮎を、首を突っ込んで覗いている私に聞こえた。振り返ると母はにこやかに微笑ほほえんでいる。
 母は坂路を下りてきた。お鉢とお重を近くの小石の上へ置いた。大きな平らな石が卓袱台ちゃぶだいである。母が給仕をして瀬の囁ささやきを聞きながら、親子三人で、水入らずの朝飯を食べたのである。お重のなかには、昨日釣った鮎が煮びたしとなって入っていた。プーンと、鮎特有の香が漂う。
 それからというもの、私はこの歳になるまで鮎の煮びたしに亡き母の匂いを感じる。




鮎の煮びたし……食べたことはないけど、今は贅沢な一品なんでしょう。「母の匂い」というとお洗濯とか化粧品かなと考えてしまうけれど…。お弁当を持って来てくれるお母さん、食べている様子を嬉しそうに見ているお母さんの姿が浮かびます。




亡き人への想い………今朝、スターダスト・レビューの『木蓮の涙』を思い出すイラストを見たので、この歌を聴くために検索していたらこんな記事を見つけました。これを読んだ後に歌を聴くとまたしみじみ……よろしければどうぞ。

http://ongakubun.com/archives/8829

https://sp.uta-net.com/movie/4532/



(*)佐藤垢石 さとう-こうせき
1888-1956 昭和時代の随筆家。
明治21年6月18日生まれ。「報知新聞」の記者となり,退職後,釣りを中心とした随筆を発表。昭和21年雑誌「つり人」を創刊。鮎(あゆ)釣りの名人として知られた。昭和31年7月4日死去。68歳。群馬県出身。早大中退。本名は亀吉。随筆に「たぬき汁」など。




rohengram799 at 11:30コメント(6) 
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