お接待

2016年09月08日

秋雲便りNo.6:『風景』との出逢い

瀬戸内寂聴さんの短編集『風景』を本屋さんで選んだ時から、記事を書くときのタイトルは、中学時代の国語の教科書に載っていた画家・東山魁夷さんの随筆「風景との出会い」にしよう!と決めていました……少し字はかえました(O.O;)(oo;)



瀬戸内さんの名前をはじめて聞いたのは文通していた同い年の女の子の手紙でした。なにがきっかけだったかわからないけれど多分尼僧の話とか書いていたのかも……「瀬戸内晴美の生き方はつくづく立派だと思うわ。」と便箋に書かれたキレイな字を思い出します~お寺の子だったので私よりずっと仏教関係には詳しく関心があったのかも。リルケの詩を教えてくれたのも彼女でした。小5くらいから高校生になるくらいまで文通していましたが、今はどうしているのかな~?


瀬戸内さんの書かれたものは週刊誌の人生相談的なものを何回か読んだくらいで、小説を読むのは今回がはじめて! 東京の人かと思っていたら徳島生まれなんですね。『風景』には7つの短編が収められていますが、自伝的なものもあるし、お遍路さんの出てくる話もありました。お接待も発心の地もわかる……『お遍路ガールズ』を読んでいてよかった(笑)


最初、なんかドロドロした昼メロみたいな話を書く人なのかな~と(瀬戸内さん=性愛みたいなことがよく見出しにあったので)それほどハードなことはなく、むしろアッサリしていて読みやすかったです。登場人物の気持ちはむしろ淡々と控えめに思えました。そしてそれが静かに深く心に入り沁みるような感じがしました。


戦時下の北京で出会った恩人との思い出、邂逅、そして別れを描いた『絆』は特に好きですね。また結婚していて60年も連れ添った妻がいるのに、一途に幼なじみを想うオヤジの話『悋気』は、お前はプラトニックラブだからいいだろう、と思ってそんな気分に酔っているかもしれないけれど、奥さんからしたらジョーダンじゃない!だよなぁ……自分に気持ちが向いていないことに気がつかないわけがないだろーに……。男って何歳になってもバカじゃないの~って思いましたわ。




なんとか今回は消去せずに書けた~(;A´▽`A 前の記事のお返事遅くなります。ごめんなさい。台風・大雨がもう続きませんように……どうぞおだやかな1日をお過ごし下さいませ。





rohengram799 at 09:40|この記事のURLComments(6)

2016年04月21日

暮雲便りNo.23:お遍路ガールズ

○○男子やら○○女子やら見聞きしますが、『お遍路ガールズ』(又井健太)を読み終わりました。


リストラなどで今はブラックな教育系出版社に勤める千春は、小説家の夢破れた31歳。この勤務先は『御不浄バトル』の主人公を思い出しましたわ。彼は教材の訪問販売をしていましたけど。


千春ですが、彼女はある日、高校時代の親友・沙織とかつて交わした「お遍路に行こう」という約束を思い出して、会社とは逆方向の電車に飛び乗ります。沙織が香川の高松に越してから、もう10以上会っていないません。お遍路に行って、生まれ変わろう!沙織に会いに行こう!と目的を決め、徳島に到着し、四国八十八箇所霊場を巡るべく歩き始めます。


同い年の琴美と出会って、ケンカして別行動になったり、仲直りしたり……他のワケ有りな女性たちと会ったり別れたり、再会したりと大忙し! ヘンなじいさんに絡まれて胡散臭いお数珠を売りつけられそうになったり、イケメンに胸ときめかせたり、ご当地グルメや地酒を楽しんだり(これはお金がないので機会は少ない)……作者は実際に八十八箇所を巡ったみたいで(他にも世界中を旅しているらしい)随所に体験談と思われるちょっとしたトラブル(?)が書き込まれています。


発心の道場(徳島)・修行の道場(高知)・菩提の道場(愛媛)・涅槃の道場(香川)……お接待などの独自の遍路文化やユーモアと格言めいた看板、四国各県の名所旧跡、変わった地名などなど……たぶん住んでいる人や行ったことがある人は「そうそう、こんな場所!」と思うのではないでしょうか? お遍路さんのことや札所の雰囲気など文章だけでなく、写真が豊富なガイドブックを手にしていたら自分も同行している気持ちになるかも……!


徳島在住のなう60様のブログで何度か読んだ札所の登場を嬉しく思ったワタクシ、皆さまも季節の花や風景に癒される記事をご覧下さい。

《ナウの人生日記♪》

http://white.ap.teacup.com/ausika311/




*いつも記事がダラダラ長いのでは…と思い、短めにしたので、今回の本の感想・妄想は次回に続きます…(; ̄ー ̄A




rohengram799 at 20:38|この記事のURLComments(4)
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