お題

2019年12月11日

黄冬雲便りNo.11:そびら

最近のマイブームは過去の歌会始のお題を検索すること。昭和53年歌会始お題は「母」でした。

https://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/utakai-s53.html



山口県の内藤靜江さんの

額づけるかたちに父の足洗ふ母のそびらのいたく小さし


「母のそびら」とはなんぞや?と思ったら「背 (そ) 平 (ひら) 」で背中(せなか)のことでした。亭主関白な父親だったのか、病気かケガで自分では足を清潔に保つことが難しかったのか。「額づけるかたち」に奉仕を感じるか、慈愛を感じるか。「いたく小さ」い背中に献身を見るか、悲哀を見るか。どんな気持ちで両親の姿を見ていたのでしょう。



「そびら」を検索していたら、指に刺さるような小さい木片?トゲ?みたいなものを 「そびら」とか「そばり」「そべら」という地域があると知りました。私は初耳でしたが、なんでこんな方言(ですよね?)がうまれたのか、由来が知りたい〜!




山梨の紅葉の記事を見つけました。恵林寺、信玄さんのお祭りとか、だいたい行くのは春だったから秋に出掛けた記憶がない〜秋もこんなに綺麗だったのか!

http://karukantimes.com/archives/51719897.html


rohengram799 at 00:00|この記事のURLComments(0)

2019年01月20日

萌月雲便りNo.20:梅と光

「老いてなほ小さき立志梅白し」   


深見けん二さんの句集『日月』から。朝日に向かって自分にとっての特別な日に誓いを立てているようなこの句が好きです~清々しいというか、頑張ろうという気持ちになれる。


水仙が咲き始めたとか花粉情報などがニュースで流れたり、日没時間が遅くなるのを感じると、だんだん春に向かっていくなぁ、と。大晦日までは冬まっしぐら!な気分ですが、年が明けてセンター試験が過ぎて節分、バレンタインなど浮かれた話題が多くなると、一足お先に「春🌸 」なアタマになってしまいます。



今年の歌会始のお題は「光」でしたね。一般からの作品(詠進歌というらしい)で選ばれた山梨県・82歳の石原義澄さん(石原良純と同じ読み方なのかしら)の歌は農業に携わる人の歌で、勝沼のぶどう畑を思い出しました。

「剪定の済みし葡萄の棚ごとに樹液光りて春めぐり来ぬ」


召人控の栗木京子さんの歌もよかった。

「言葉には羽あり羽の根元には光のありと思もひつつ語る」



選者のひとりの永田和宏さんの歌に詠まれた「ひと」はやはり亡くなった奥さまの河野裕子さんなんでしょうねぇ………2010年にご夫婦で選者でした。その時に河野さんが詠まれた歌。


「白梅に光さし添ひすぎゆきし歳月の中にも咲ける白梅」


こちらが今年の永田さんの歌。

「白梅にさし添ふ光を詠みし人われのひと世を領してぞひとは」



ずっと奥さまは永田さんの心を占領しているのでしょう。それが悲しみであったとしても、なんといとおしいものなのか。相聞歌といってよいのではないでしょうか。


体調が一向に回復に向かわない状況(むしろ悪化していたのでは)で、選者となった裕子さんには辞退すべきだったのでは、の意見もあったようですが、歌の世界に詳しくない私などはこういう機会がなければ知らないままの方々がたくさんいらっしゃるし、いろんなことを考える機会にもなったので有り難く思っています。


皇族の皆さまのお歌は正直、う~ん、わからない😖のもありましたけど、日本語の美しさやそれを表す手段としてこの技法がずっと残ることを願っています。

rohengram799 at 09:26|この記事のURLComments(0)
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