備忘の果実 〜オスカー戯言日記〜

ようこそ゚+(人・∀・*)+。♪ 自分の好きなこと、興味のあることをチマチマと書いています。

タグ:かたみ歌

今、宮本輝さんの『夢見通りの人々』を読んでいますが、メルヘンな名前の商店街とはかけ離れたちょっとよどんだ感じのお店の人たちの物語…映画にもなったみたいですね。


商店街を扱うと、ひとつの店だけでなく、いろんな店をメインにしてちょっと複雑な人間関係を描けるので作家さんには書きやすい題材なのか?と思ったり…読む方もいろんな店をひやかしでのぞいている気分にもなりますがf(^_^;


有名どころではねじめ正一さんの『高円寺純情商店街』でしょうか?私は本も読んでいないし、高円寺駅で下車したこともありませんが、高円寺駅や阿佐ヶ谷、荻窪とか学生さんが多くラーメンが美味しく…というイメージ(((^^;)


三河島にいた時、商店街にパン屋さんがあって、そこの奥さんはいつも一個オマケしてくれて(笑)嬉しかったですね。バイト先は三ノ輪でしたが、そちらは本当に下町の商店街!!ヤキトリの煙がモクモクしていた記憶が…(笑)


商店街って昼間のにぎやかさより、夕飯のお買い物をする夕暮れの時の光景が好きですね。今は夕暮れではなく完全に夜に大型スーパーに寄り、値引きシールのお惣菜を探す(-_-;)ですが、お店のおじさんやおばさんと多少ウザいと思いながらおしゃべりして、オマケしてもらって……あの空気が懐かしいですわ~。そういう雰囲気は朱川湊人さんの『かたみ歌』のアカシア商店街の方にあったかも。


風の歌で『三丁目の夕焼け』(作詞・作曲は正やんでなく大久保くん)ってありますが、働いているお母さんのかわりにお買い物した帰り道のイメージがあり、名曲だなぁって思います。


♪あんちゃん手を引かれる/影が長くのびて/いつもあの道をとぼとぼかえった

三丁目の夕焼け忘れてはいません/今も胸の中に残っています


♪アカシアの雨にうたれて~この歌がテーマソングのような、東京下町の「アカシア商店街」ここは不思議なことが起こる場所…そんな短編集『かたみ歌』を読み終わりました。


作者の朱川湊人さんは私よりひとつ年上なのに、あの懐かしい昭和の情景、情感の描写がとても優しく素晴らしいです。


帯に「涙腺崩壊」とあり、こういう大袈裟なコピーはイヤなんだけどな~と思いながら買ったのは、カバーイラストの力もあります。下町のアーケード、店の感じがたまりません!!東京で最初に住んだ荒川区、都電の三ノ輪駅近くの中華料理店でバイトをしていたこともあるし…あの商店街も屋根があった(笑)


でもやっぱり作品のタイトルに単純にひかれたのかも…福永武彦さんの『風のかたみ』は高校時代から読みたい!!と思いながら読んでいないので(~_~;)せめて似たタイトルを…なところがあった!?(爆)


7編通して登場する古本屋のオジサン、外見は芥川龍之介が年齢を重ねた感じのいかにも…な男性。彼にも、もちろん他人が知らないドラマがあり~それは最後に明かされるのですが~そこにいくまでの微妙に小出しにされた伏線がニクい!!(←死語!?)


あの世とこの世をつなぐ井戸のあるお寺っていくつかききますが、この商店街近くの覚知寺もそう。キープレイスですね。親子心中した女の子が首を絞められた後を「ネックレス」というのは切ないけれど…(T-T)


一番好きなのは『夏の落とし文』です。昔は神隠しとかそんな言葉もありましたよね。兄弟愛に涙。そして『栞の恋』古本にはさんだ栞を介しての文通、淡い恋心の思いがけない結末。漫画で読んでみたい作品!!


あとは猫好きの人に読んで欲しい『ひかり猫』に作品の中におひさまのぬくもりを感じる『枯葉の天使』…商店街で暮らす人、関わりのあった人たち…みんながしあわせに暮らしてほしい、どこかにこんな場所があってほしい、いや今もあると信じたい~そんな『昭和』あふれる一冊でした。

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