くしの日

2012年09月04日

あかね雲便りNo.138:かんざし

今日は9月4日、語呂合わせで《くしの日》ですね。本当は『まいご櫛』の話を今日に合わせたくてっ買ったのですがf(^^;


日本語で櫛は同音の串と同じく、「霊妙なこと、不思議なこと」という意味の「奇(く)し」「霊(くし)び」が語源となっているそうです。読み方から「苦死」に通じるため、道に落ちている櫛を拾うことは「苦と死を拾う」ことにつながるので、縁起が悪い…小説のあらすじにもこの言葉がありましたが、おバカさんな私は「“苦死を拾う”かぁ…辛い気持ちとか悲しい気持ちを櫛がアタマから吸い上げてくれるんだ。昔の女性は悲惨な人生が多かったから、少しでも悲しみが減るようにと櫛を髪にさしていたんだね~」とトンでもない勘違いを妄想していました。全く暑さで脳ミソが溶けていたとしか思えませんわ(--;)


小説にはこんな一文もありました。


髪というのは頭から伸びてきたときにはすでに死んでいるものである。髪の根元だけが生きているのだ。だから豊かな髪は本来は死の塊なのである。生きたからだから生えてきたその死の氾濫を櫛はなだめすかす役割を持つ。だから梳くのだ。


どうしても拾わなくてはならないときは足で踏んでから拾い、贈り物にするときは忌み言葉として「かんざし」と呼ぶ……いいなぁ、この感性!!


ヤマタノオロチ退治にはクシガタヒメが登場しますね。ヤマタノオロチの生贄にされそうになっていたところを、スサノオにより姿を変えられて櫛に…彼はこの櫛を頭に挿して戦い退治し、お嫁さんにする(^o^)v


山梨県にも櫛形町(くしがたまち)がありました。さくらんぼやアヤメが有名だったと思います。合併により南アルプス市に…風情がないですよね('~`;)


《櫛かんざし美術館》
http://www.sawanoi-sake.com/kushi/




rohengram799 at 10:25コメント(13) 

2010年09月06日

第253号:祭りの前、祭りの後

昨日《目黒のさんま祭り》が開催されました。


宮古市から約1.2トン運ばれてきたそうです。宮古での大漁祭は中止になったのに、目黒にはさんまを運んでくれたのかぁ~。 有難いと思う反面、やはり「お殿様にさんま献上!」みたいな気がしたのは、なぜでしょう~('~`;)


《くしの日》の時に、弟橘媛(おとたちばなひめ)が海に身を投げた…という話を書きました。遺品である「くし」が流れ着いたとされるのが、千葉県の岩瀬海岸。この海岸では、毎年9月17日に《馬だしまつり》というのが行われているそうです。


神霊を背に移した神馬の両脇に、2人の若者がしがみつきながら(゜□゜)約100メートルの距離を何度も疾走するんだとか…! 砂浜を普通に歩いたり、走ったりするだけでもかなり大変なのに~馬も大丈夫なんでしょうか~なんか心配です(~_~)


遺品のくしは吾妻神社にまつられているそうですが、ここだけでなく、他の場所でも《遺品として伝えられているくし》がたくさんあるのでは!?と思っちゃったりして( ̄▽ ̄;)


お祭りって、いつの季節もどこかで開催されていますよね。夏は疫病退散的なもの、秋は収穫に感謝!的な意味合いのものが多いそうです。言われてみれば、そうかも。


なにげに新聞などみていると、いろんな変わった名前のお祭りを発見したりするので、これはこれで楽しいですね。食欲だけでなく、知識欲も《大漁祭り》でいきたいものです!!




rohengram799 at 09:02コメント(2) 

2010年09月04日

第250号:クシとハサミは使いよう…?

今日は《くしの日》ですね。全国美容週間実行委員会が制定して、目黒の大鳥神社にくし塚を奉納したらしいですよ。

日本では、古来より「くし」は幸運のシンボルと考えられてきました。「古事記」によると、神祖・《伊邪那岐命》は愛する妻 《伊邪那美命》の死を悲しみ、「黄泉の国」へ会いに行きますが、身体は腐って蛆がたかっていました。それを見て 「この世」 へ逃げ帰ります。暗闇の死の世界から逃げるため、髪にさしていた 「竹の櫛」を抜いて火をつけ、松明代わりに道を明るく照らして生還。

大鳥神社の御祭神である 「日本武尊」は妻の「弟橘媛命」と東国へ渡る際、浦賀水道で風雨が強く荒くなります。海神の怒りを鎮めるため、妃は海に身を投げます。身代わりになった妃の「櫛」は浜に流れ着き、今も祀られています。

「くし」は、人生の歩む道を照らし、身代わりとなる力を持っています。「櫛塚」にお参りをすると開運、無病息災、家内安全が得られるそうですよ。特に、 目黒大鳥神社の御祭神は目の病、成人病、糖尿病、呆けにかからないため、また、現在苦しんでいる人々を救ってくれる神様だそうです。ありがたや~!


あと8月3日が、「ハサミの日」なんですよね。始まりは1981年8月3日、当時国際美容協会の会長をしていた山野愛子さんにより提唱され、東京都港区芝の大本山増上寺に「聖鋏観音像」が建立されたことに始まるそうです。自分の仕事に使っている道具などを大切にし、感謝の意を表す風習は多くありますね。

刃物の産地では包丁供養、箸の業者が箸の日に箸供養など。また毎年10月9日「どーぐの日」に、東京合羽橋商店街の裏手にある、矢先稲荷神社において、料理道具に感謝するための「道具供養祭」などがあるそうです。

ハサミが世界で最初に発見されたのは、約3500年前の青銅器時代だといわれているそうで、2枚の刃をU字型のバネでつないだ「握りバサミ」のような構造は、今日の物と殆ど変わりが無いんだとか。イギリスから中国に至るまで、各地で同じようなハサミが発掘されているそうです。

日本に西洋式のハサミが入ったのは、鉄砲と同じく種子島からだと言われていて、江戸時代になってから、髪結いさんや植木屋さん、生け花とか呉服屋さんなどでハサミが広く使われるようになったそうです。江戸後期には播州や越後、美濃、越前などに専業のハサミ鍛冶が生まれたみたい。

静岡県の御殿場市に、神場山神社(じんばやまじんじゃ)があるそうです。 霊峰富士に程近い御殿場市にある、この「神場」という地名は、神様がいらっしゃる処という意味だとか。ここには、境内に大きなハサミがあり、また無数のハサミが奉納されていますことから「はさみ神社」とも呼ばれているそうですよ。700年ほど前、山の安穏を願うきこりにより、神社の信仰が始まったとのこと。

太平洋戦争の時には、弾除け祈願のための多くの参拝者があったそうですが、現在でも遠方からの参拝者がたくさん!ハサミは災いを断ち切り、幸運を切り開いて行く…ハサミにそなわっている不思議なご利益は、昔から信仰されていたのですね。





rohengram799 at 10:28コメント(2) 
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