つきのふね

2011年09月24日

第581号:つきのふね~ハルモニアへ

人間って太陽よりも月に憧れるものなのかしら…それとも日本人の感性なのか…和歌も月を詠んだものが多いですよね。

θ(シータ)の前にワタクシは『つきのふね』(森絵都)を読んでおりました。皆さまから『カラフル』をすすめられたのに、こちらのタイトルが気になり…(笑)

中学生のさくらは親友と万引きグループの仲間に…彼女を裏切ってしまったこと、進路や将来、その他もろもろの漠然とした不安。心の拠り所だった年上の智さんも少しずつ違う世界に…。

智さんの意識がしっかりするのは海外にいる親友から絵ハガキが届いた時。境界線をいったりきたりの危うい状況をなんとかしなくては!!とさくらやまわりの人間は考え、親友・幸一さんに手紙を書きます。

彼からの返事には、自分も小学生の時「心の病」にかかり、そして智さんからの手紙に救われたとありました。親同士の付き合いでの誕生会に呼ばれた彼らはその時が初対面。幸一さんはチェロを演奏しました。

最後に智さんが幸一さんに書いた小学二年生の時の手紙を私たちも読むことができます。そんなに親しくもなかった智さんから届いた手紙は幸一さんが「ずっとお守りにしていた」もの……その気持ちがすごくよくわかりました。最後の二行で思わず涙が…(;_;)

短い作品なので全編読んでいただきたいですが、最後のこの手紙だけでもひとつの作品のように思えるので、本屋さんで見つけたら(少し前の)幸一さんからの手紙のところとあわせてコッソリ読んで欲しいです(笑)

以下、余談というかいつもの…( ̄ー ̄)


チェロと言えば、作家の篠田節子さんも習っていますよね。『ハルモニア』という作品は堂本光一クンでドラマにもなりましたし…。「ウェルニッケ不全症候群」という言葉を理解できない病に冒された女性にチェロを教えるのですか…例によって原作にはやはりかなわないという感想でした(((^^;)




rohengram799 at 11:01コメント(11) 
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