まど・みちお

2013年02月17日

らくだ雲便りNo.3:ちゃんちゃらおかしいや(°°)

明日は雨になるとか……まど・みちおさんの作品に雨の日に玄関で待ってれている「ぞうきん」の詩があります。


『ぞうきん』

雨の日に帰ってくると
玄関でぞうきんが待っていてくれる
ぞうきんでございます
という したしげな顔で
自分でなりたくてなったのでもないのに

ついこの間までは
シャツでございます という顔で
私に着られていた
まるで私の
ひふででもあるかのように やさしく
自分でそうなりたかったのでもないのに
たぶん もともとは
アメリカか どこかで
風と太陽にほほえんでいたワタの花が
そのうちに
灰でございます という顔で灰になり
無いのでございます という顔で
無くなっているのかしら
私たちとのこんな思い出もいっしょに
自分ではなんにも知らないでいるうちに

ぞうきんよ!



まどさんらしいやさしさがあって好きな詩です。河野進さんの『使命』という詩にはハンカチも出てきます。



『使命』


まっ黒い ぞうきんで
顔はふけない
まっ白い ハンカチで
足はふけない
用途がちがうだけ
使命のとおとさに変わりがない
ハンカチよ 高ぶるな
ぞうきんよ ひがむな



なんとなくぞうきんは江戸っ子で、ハンカチと比べられたら「てやんでぇ」「ちゃんちゃらおかしいや」と言いそうな気がするのは私だけでしょうか?( ̄▽ ̄;)←こんな気分になったので、今は『ちゃんちゃら』(朝井まかて)という植木屋というか庭師の小説を読んでいます。職人気質、たまりませんな!!


ローズガーデンとかオシャレで華やかなお庭もいいですが、枯山水やら苔寺とか、日本人ならではの美意識が集結した庭園は素晴らしい!!京都のお寺で1日ぼ~と庭を眺めて過ごせたら……やはり京都は大人が楽しむ場所だわ(笑)


そうそう「ちゃんちゃらおかしい」の意味についてYahoo!知恵袋に質問がありました。そうだったのか~とタメになりました!!

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1069838840



河野進さんの言葉🐦

最も大切なものは
みな ただ
太陽の光
野や山の緑
雨や川の水
朝夕のあいさつ
神への祈り
そして母の愛




rohengram799 at 20:45コメント(7) 

2012年03月09日

ひつじ雲便り583:うつくしい ことば

雨ですね(´д`)週末「冬将軍」がまたやってくるとか…そのせいか右肩から腕、手首あたりまで痛くなる範囲が広がってきました。皆さまもお身体を大切になさって下さいまし。


ドナルド・キーンさんが日本国籍を取得のニュースを聞きました。ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』に描かれた、チャーリーが最後の最後までなくすことのなかったアルジャーノンへの思いやり。人間、あの世に持っていけるのは“愛された、愛した記憶だけ”という言葉を思い出します。


本日の記事のタイトルはまど・みちおさんの詩からです。11日を前に再びブームのようにテレビや雑誌で使われる「きずな」という“うつくしいことば”を、自分は違う意味にして間違って使ってはいないか……考えてしまいました。



『うつくしい ことば』


たのしそうに 口にしあっている
―ともだち
という うつくしい ことばを


ともだちで ないものには
しらんぷり しておこうよ
という いみにして…


しみじみ つぶやきあっている
―にくしん
という しみじみした ことばを


あかの たにんなどは
ほっとこうよ
という いみにして…


(まど・みちお)




rohengram799 at 09:00コメント(11) 

2011年05月08日

第480号:おみやげ

昨日の帰り、本屋さんに寄り道したら倒産会社の本が半額に( ̄▽ ̄;)私的にはあんまり心ひかれるモノはなかったのですが(笑)詩人のまど・みちおさんが100歳になったのを記念した詩集があったのでそれを買いました。


あと岡本太郎氏の『母の手紙』を…彼はお母さまににているかな?そうそう、フィギュア(スケートではありませんぞ!!)の雑誌を読んでいたら(オタクだわぁ)《太郎100祭》の期間限定ガチャガチャが会場にあることを知りました!!太郎氏の作ったあの太陽の塔とかがキンケシみたいにカプセルに入っているんですよ~☆ああ、展覧会に行ってガチャガチャしたかったな(ToT)


話をまどさんの詩集にもどしまして(((^_^;)今日は「母の日」ですね。私は毎年何もしない親不孝な娘なんで…はぁ~なんですが(--;)「おみやげ」という詩がとてもステキだな、と思ったのでぜひ皆さまにも読んでいただきたく…m(__)m


今は女性の方が長生きですから、こういうささやかな幸せや思いやりがいつもどこかにあるのではと思います。




『おみやげ』


なんだか 足が軽いと思ったら
さっき電車の中で
知らないよその赤ちゃんが
笑いかけたのだった
私を見て
嬉しくてたまらないように


その笑い顔を
いつのまにか 胸にかかえていて
それで 夜道の足もとを
てらすようにしながら
わたしは急いでいるのだった


父がいなくなった家で
ひっそり 待っている母に
そのおみやげを
はやく見せてあげたくて




rohengram799 at 12:13コメント(13) 
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