イヤミス

2016年07月03日

布雲便りNo.3:アンコ喰う女子

某マンガでの一場面……あんまんをはじめて食べた異国の方が「中に入っているこの黒いのは何ですか?」の質問に「アンコだよ、アンコ 発音まちがえないよーに気をつけろ」そして「ウ」じゃねーぞ、「ア」だぞと言う……「ア」と「ン」を離して発音してもまずいんだぞ……こんなことを言うお嬢さまたちが主人公、ではない、ホンモノのお嬢さまが登場する『暗黒女子』(秋吉理香子)を読み終わりました。


とある名門・聖母女子高等学院で起こった美しい少女・白石いつみの死は他殺か自殺か疑問の多いものでした。彼女は校内では誰もが憧れるアナスイのようなゴシック調の文学サロンを復活させます。お気に入りの仲間たちと本を読んだりお菓子を作ったり食べたり……そんな贅沢な時間がずっと続くと思っていたのに。


サークルメンバーの6人の少女それぞれが、いつみとの出会い、そのカリスマ性を小説に書いてきました。闇鍋パーティー状態でその朗読会が始まります。みんな彼女が持っていた「すずらん」と事件を結びつけ、犯人を特定するのですが、それぞれ違う人物を名指しするのです。なんで名指し?という違和感は朗読者として最後のトリを務める、現会長でいつみの親友である闇鍋奉行の澄川小百合の語りでわかるのですが……解説で“イヤミス”という言葉が使われていましたが、そう('_'?)と思う程度。なんだろ、女の子だったら誰でも考えたり想像したりするようなことを実行したのは、環境もあるのかもしれないけどスゴいなぁ……という程度。ワタシ、かなり汚れているのかしら(;´д`)


サークルメンバーのひとり、高岡志夜は在学中に執筆したラノベがベストセラーになった学生作家で、作品の手腕を買われ、サークルに入ります。彼女は『天空神の去勢』というタイトルの小説を書いたのですが「去勢? アレをアレする去勢? 神様が? 虚勢でなくて?」と思いながら、読んでいくとそれより前に刺激的なことが(笑)


映画『アマデウス』で出てきたという「ヴィーナスの乳首」というお菓子や(レシピは色々あるようです。映画に出てきたようにマロングラッセをホワイトチョコレートでコーティングした物 や、ガナッシュを絞り出し、チョコレートでコーティングしたものなど)「ヴィーナスの腕」という、ロールケーキとか……はじめて聞きましたよ! ロールケーキってかなり太いと思うんですけど(ーー;)

http://www.yukiko-omori-etre.com/contents/news/post-454.php



皆さまも大きな貝殻の中に立つヴィーナスの絵を見たことがあると思うのですが(花の女神フローラが身体を隠そうとしているヤツです)この『ヴィーナスの誕生』には、殿方が聞くも涙、語るも涙……以上のものがありました( ̄□ ̄;)!!


ウラノス(天空神)とガイア(大地の女神)が結婚して、最初の人類が誕生します。その息子たちの一人であるクロノス(時の神)は大鎌によって父親を去勢し、その投げ捨てられたホニャララの泡の中からヴィーナスが誕生したといいます。

http://www.paintweb.jp/text/venus.html

http://www.geocities.jp/tensinonomimono/yusai/yusai9/index.html



ああ、そうなの、そうだったの……( ̄~ ̄;) 「イヴはアダムの肋骨から創られた」をなんとなく思い出しましたが、これもいろんな解釈というか説があるみたいですね。こんなジョークもあるそうです( ̄0 ̄;)

「どうして聖書では女が男の肋骨から作られたことになっているのだろう?」
「神は盗品にはろくなものがないということを教えたかったのさ」



なんだかいろいろあった日曜日でした……ゆっくりあんこたっぷりのお饅頭を食べながら本を読みたい……「今宵はここまでに致しとうございます」……なんか昔の大河ドラマで聞いたセリフですが、おやすみなさいまし(+.+)(-.-)(__)..zzZZ





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2015年11月13日

暁雲便りNo.21:Happy Box

大安吉日の13日の金曜日、午後から急にどんよりした空模様になってきました。



文庫の表紙がかわいかったのとアンソロジーという読みやすさにひかれた『Happy Box』という短編集、執筆者は伊坂幸太郎・山本幸久・中山智幸・真梨幸子・小路幸也。共通点はペンネームに「幸」が付くこと。テーマは「幸せ」………イヤミスの女王・真梨幸子さん、確かに「幸」の字がありますが、依頼した人は勇気あるなぁと思ってしまいました(^。^;)


元カノと親友の結婚式の話は伊坂幸太郎さんの「Weather」、おばあちゃんスリを主人公にした「天使」は山本幸久さん、お初の作家さん・中山智幸さんはSFテイストの「ふりだしにすすむ」、イヤミスの女王はそうきましたか!と思った「ハッピーエンドの掟」、そして小路幸也さんらしいなぁと思った「死神の幸せ」。死神に刺激されて柴田よしきさんの『ランチタイムは死神と』をタイトル買いしてしまいましたわ。


真梨さんの作品は、カラーテレビや洗濯機、クーラーとかはお金持ちの家にあるもの!という意識がまだある時代。私が子どもの頃に近いので、霜だらけの冷凍庫に両手がくっついて離れない!には想像しただけでガクブル((((;゜Д゜)))でありましたわ。物語はコレがポイントではないですよ!


私がひとり暮らしをしていた30年近く前、冷凍庫が上にある2ドア冷蔵庫はポピュラーだったと思うし、霜取りガジガジも当たり前だった……今の電化製品はスゴいわ!


また『人魚姫』を王子と人魚の立場を入れ換えた作文もあって、考え方によってはイケる?なんて思ってしまいました。今度、実写映画化されるそうですね。外国映画の王子さまってなんかみんな「昭和の二枚目スター」やムード歌謡のボーカルみたいに思えるのは私だけかしら? 鶴岡雅義と東京ロマンチカ(君は心の妻だから~♪)あの方とか、敏いとうとハッピー&ブルーとか(よせばいいのに~♪)のあの方とか←古いなぁ……!!



週末は雨……総事業費103億円!!をかけて2010年3月に竣工した東京・立川市役所新庁舎で、雨漏りが立て続けに発生しているとか……100年建築とか言っていたらしいですね。ピチピチチャプチャプランランラン♪な気分には絶対ならない~どうするんでしょうか?



皆さま、体調にお気をつけ下さいませ。




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2015年08月19日

海雲便りNo.13:肥沃連理

中村融氏が編集したアンソロジー『街角の書店 18の奇妙な物語』(創元推理文庫)を読んでいます。外国作品ばかり、作家の名前も長くて覚えられない(-_-;)のですが、イヤミスのような世にも不思議な物語のような……。


江戸川乱歩が名づけたという《奇妙な味》は、現代ではミステリーよりというより、とぼけた味わいやブラック・ユーモア、非日常的な不思議さなど、ジャンル分類不能な作品の総称として使わているそうで、それが18編という感じ。
 


最初の作品はジョン・アンソニー・ウェスト『肥満翼賛クラブ』!! タイトルからしてスゴいのでしょう~! 「夫を太らせることがステータスとされる世界」が舞台です。そこで全く相手にされなかった女性が作り上げた夫の姿は皆を驚かせます。そしてその結末は……(;゜∇゜) 夫の太り方はもちろん尋常じゃありません。妻を太らせるのではないところはやはり……(;^_^A



タイトルから「比翼連理(ひよくれんり)」という、夫婦・男女間の情愛の、深く仲むつまじいことをたとえる言葉を思い出していたのですが、この作品の夫婦は……これも愛?あれも愛?多分愛……きっと愛……なのかしら( ̄~ ̄;)



「翼賛(よくさん)」という言葉は初めて知りました。意味は「力をそえてたすけること。補佐すること。」(大辞林より)」という中立的な単語であったそうですが、戦前に近衛文麿が成立させた「大政翼賛会」のイメージによりなんかちょっとキナ臭いというか、「圧力による草の根ファシズム的なもの」「安易な妥協による総与党的ムード」を表現する言葉になってしまったようです。



他の短編もホラーっぽかったり、なんかほほえましかったり……いろんな作品を読めて楽しい(´∇`) 読書がもっと楽しくなる秋の夜長もあっという間にやってくるかも……? 暑かった夏の疲れが出てくる頃ですね。皆さま、ご自愛下さいませ。




*お返事遅れています。ごめんなさい。明日(20日)は都合により更新はお休みします。



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2015年01月09日

福雲便りNo.7:幸福の実

「武士は相身互い」なんて言葉がありますが(武士という同じ立場にあるのだから、武士同士は互いに助け合って協力し合わねばならないということ。転じて、同じ境遇や身分にある者は互いに助け合う気持ちが大事だということ)「相身互い」は「相身互い身」の略だそうで……と大変前ふりが長くなりましたが、今日は中條ていさんの『アイミタガイ』を読んでいます。カタカナなので、一瞬イヤミスの女王・真梨幸子さんの『アミダサマ』に見えてしまいます((((;゜Д゜)))←未読ですけど。


毎朝同じ電車の同じ車両に乗る会社員の澄人。同じように定刻に出会うおじさんと帰宅電車で遭遇。自分の目の前で疲れて眠りこける「定刻の王」(こういうアダ名ってつけたくなりますよね)は降りるべき駅に近づいても目をさます気配がない! 自分の降車駅は2つ先、口も聞いたことがなければ会釈もしたことがないオッサンではあるが知らん顔をするのは……出来ない! 彼は「手がすべり」自分の読んでいた読んでいた文庫本をオッサンの膝におとしてしまう……目覚めたオッサンは無事に降車。そしてホームから澄人に向かい手刀でお礼を伝えるのでした……下手な芝居をわかっていたのね(^^;) コレが最初の話です。


私が好きなのは、次の『幸福の実』。トラブルメーカーになりつつあるホームヘルパーの範子は上品なおばあさんのところの担当にかわりました。お家にはピアノがあるのに、おばあさんはピアノの話をしない。もともと口数の多いタイプではないのですが。ある出来事をきっかけに、おばあさんの想いを知ることになります。海外留学中に戦争が始まり帰国。代用教員として働いていた時に出兵者(教え子の兄たちだった)の壮行会でピアノを弾いたことをずっと後悔していて、人前でピアノを弾くことを禁じていたのです……。



傍目には平穏に過ごしているように見えても、やはり辛く悩み、じっと立ち止まってしまう。でも、見知らぬ人のひとことや、誰かの行動が先への一歩を踏み出す力を与えてくれる、目の前の霧をとりはらって新しい世界をみせてくれる。他の人からすれば「そんなこと」かもしれないけれど……野の花に勇気をもらうような、そんな出逢いの短編集だと思います(まだ半分読んだだけですが)。ヘルパーの範子さんのこの気持ち、好きだなぁ(´∇`)


『幸せって、きっと日々の果実なんだわ。どこかになったのをもぎとってくるのじゃなくて、自分の枝に咲いた小さな花を一生懸命実らせて、やっとこの実を受け取るのよ。日々の苦労や努力が養分となり、こぼした涙でこの実は熟す。』



実といいますと……「ロウバイの実に狼狽(;・∀・)」というほどではありませんが、蝋細工のようなあの花の実が、コレなのか……とちょっと想像できなかったので、皆さまもご覧下さいませ。


http://www.geocities.jp/greensv88/jumoku-zz-roubai.htm


http://www.hana300.com/roubai3.html



明日から三連休の皆さま、風邪をひかないように楽しくお過ごし下さいませ(´ー`)ノ




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2013年10月31日

しらす雲便りNo.51:『愛しいひと』~10月の本棚

明日にはもう『十一月の扉』が開くのですね~あっという間に晩秋であります。


今月の最後の本は明野照葉さんの『愛しいひと』になりました。イヤミス作家と言われるみたいですが、ホラーではあるけれどイヤミスか?と私は思っています。この作品は家族の物語。一流企業に勤める夫が50歳を目前に失踪。専業主婦の睦子は自分に落ち度があったのかと戸惑い、悩む(-_-;)しかし生活していかねばならないので、仕事を探す~でもプライトというか見栄があり、ご近所の奥さまと顔を会わせてしまうレジとかイヤだと思う…このあたりはなんかワカル!なんとか働きに出たものの、試用期間でクビに。自分の考えの甘さ、覚悟のなさ、社会の厳しさに直面し、へこむ…ああ、これもわかる!みたいな…でやはり主人公の気持ちで読んでしまう!大学生の息子は勝手に家を出てひとり暮らしを始めるけれど、家賃滞納で追い出され連絡がとれず、ダンナはホームレスになっているらしいと情報が……。


エリートでないなら、わりとよくある家族ではないかと思うんですよね。突然、家出しないだけで(-.-)子どもが生まれたらやはりそちらの世話が優先になるし、だんだん年を重ねるといろんなことが億劫になってくるし…家庭に居場所のなさを感じるのはダンナだけではないと思うけれど。ダンナのお姉さんとのやりとりとか、リアルだし……年齢が近いだけにいろいろ考えてしまった( ̄~ ̄;)


タイトルが『大好きなひと』でも『大切なひと』ではなく『愛しいひと』なのは「友だち」でも「恋人」でもなく「家族」だからなのかなぁ~って私は思っています。そして「ひと」がひらがななのも、いろんなカタチの家族があって、それぞれを想うカタチがあっていいんだよ♪って言われているように勝手に解釈しています←おめでた過ぎるヾ(--;)



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rohengram799 at 19:15|この記事のURLComments(9)
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