エッセイ

2011年10月24日

第605号:わからなくなってきました

今日、何曜日でしたっけ?…という話ではなく(実際に日付や曜日がわからないですが…みんなバラバラな生活なので)『わからなくなってきました』(宮沢章夫)というタイトルのエッセイを読んでいます。


野球中継などでよくアナウンサーが叫ぶ「わからなくなってきました!!」本来ならトホホな気分で口にするはずなのに、なぜか元気にワクワク感いっぱいの「わからなくなってきました!!」に疑問を持った作者のアレコレから話がはじまります。


文学の中に「わからなくなってきました」をくっつけたりするのですが


>閑かさや岩にしみ入る蝉の声。わからなくなってきました。何を言っているのだこれは。だいたいこうなるともう俳句でさえない。


たしかに(@_@)…でもなぜかしっくりくるものも…!


はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢっと手をみる わからなくなってきました


なんかものすごい哀愁が漂ってきて、ひとりでへへッ!!とおかしな笑い声が( ̄▽ ̄;)


他のいろんな短歌や名言の最後にお約束みたいに付け加えて遊びたくなってしまう!!


東京の坂の由来にアレコレ考えるところも「うんうん、わかるわかる~!」と思ってしまいます。


例えば市ヶ谷駅の脇にある「帯坂」。番町皿屋敷のヒロインのお菊が、髪を振り乱し帯をひきずって通ったことに由来しますが、「髪振り乱し坂」や「お菊坂」でもよかったのでは?なぜ「帯」だけが?と考えます。


そして、目撃した近所の人は呉服屋で帯がスゴく気になったのかもしれない。もったいないなぁ~と。履き物屋が目撃していたら「草履坂」だったかもしれない…と彼は思うのです(((^^;)


だいたいネーミングって、名付けた人の印象や思い込みが大半ですもん(笑)


『夜想』は読後感がズシッ!とくるところもあったので、この本は気分転換になかなかです♪しりあがり寿さんが描いた表紙が気に入って買ったんですけどね( ̄ー ̄)




rohengram799 at 20:50コメント(16) 

2011年05月08日

第479号:ときどき意味もなくずんずん歩く

自転車も乗らない(乗れないか!?)ワタクシですから、この本のタイトルを見逃すわけはなく、買ってしまいましたわ(^.^)


作者は宮田珠己さん。旅とレジャーのエッセイをメインにしている方だそうですが、私には「はじめまして~」の作家さんです。


感想は……ふふっ、おもしろすぎて困る!!文章のテンポもいいし、物事に対してのツッコミや独自の理論展開がたまらないっ!!休憩時間に読んでいたんですが、大声で笑いたいんだけれど、いつ誰が入ってくるかわからないし…結果として笑いをこらえるから、「くっふぅ~」とヘンに腹筋を鍛えることに(~_~;)


もともとのタイトルは違ったみたいですが、ずんずん歩くというよりかなりな行動派!!海外にもたくさん行っているし、沢歩きやカヌーなど趣味や関心事も幅広い。


シュノーケルの本も出していて『ウはウミウシのウ』にしたら、エッセイや旅行コーナーではなく生物専門コーナーに並べられたとか…。以前タイガー・ウッズの本がたくさん発売された時に『タイガーよばれた子』という本が同じコーナーにあったという話を思い出しましたよ…書店員さんは内容を知らないんだ(-_-;)


海外旅行中の言葉についての話で『ありがとう』を現地語で覚えて使えばいいという件があります。


…足を踏まれたと思ったら、外国人に申し訳なさそうな顔で、「ありがとう」と言われる。さぞ腰が砕けるだろう。腰は砕けるけれども、顔の表情と、使いまちがえた「ありがとう」という優しい語感から、申し訳ない気持ちは伝わってくるのである。結果的に全然まちがえているが、少なくともこいつは謝ろうとしている。その意思やよし。現地語に堪能な現地人はきっとそう思ってくれると信じたい。
まったく情けないといえばそうなのであるが、それでも何とかなってきたから旅は不思議なのだった。…


とってもいいな~と感じた文章でした。あと「もんじゅ」に取材にいった話もありました。東海村の再処理工場見学、ちょうどその時に放射能漏れの事故があったらしく…なんか間一髪というかスゴい体験をしている人なんだと(((・・;)


月末に新刊を買うとポイントが10倍になるので、宮田ワールドを手に入れたいと考えております!!






rohengram799 at 00:51コメント(3) 
メッセージ

名前
メール
本文
記事検索
月別アーカイブ