スプーン

2021年05月17日

梅月雲便りNo.10:読解力とカレーライス

朝から風が強い……!


5/14(金)読売新聞・編集手帳に


終戦直後の大阪の混沌を描く織田作之助『世相』に、復員兵がバラックの食堂でカレーライスを注文する場面がある。まずスプーンの大きさに目を見張る。◆特大のそれの上にご飯が盛られ、しかもスプーンは下向きに置かれていた。皿との間にかなりの隙間がうかがえる。その隙間の分だけご飯を節約していることに気づき…(以下、略します)


と書いてあったのですが、このカレーライスがどんな状態なのかわからなくて、青空文庫でその場面を探して読んでみました。(「六」に出てきます)


……夜が明けると、駅前の闇市が開くのを待って女学生の制服を着た女の子から一箱五円の煙草を買った。箱は光だったが、中身は手製の代用煙草だった。それには驚かなかったが、バラックの中で白米のカレーライスを売っているのには驚いた。日本へ帰れば白米なぞ食べられぬと諦めていたし、日本人はみな藷ばかり食べていると聴いて帰ったのに、バラックで白米の飯を売っているとはまるで嘘のようであった。値をきくと、指を一本出したので、煙草の五円に較べれば一皿一円のカレーライスは廉いと思い、十円札を出すと、しかし釣は呉れず、黒いジャケツを着たひどい訛の大男が洋食皿の上へ普通の五倍も大きなスプーンを下向きに載せて、その上へ白い飯を盛り、カレー汁を掛けるのだった。スプーンが下向き故皿との間に大きな隙間が出来る。その隙間の分だけ飯を節約してあるわけだと、狡いやり方に感心した。………


ああ、そういう状態、盛り方なのね!とようやく納得できました。最初、皿の描写がなくて特大のそれってスプーンのことだよね? スプーンの上にご飯で、それが下向き? (´・ω・`)? 全く理解出来ず……想像力、読解力の低下を実感しました。 カレーライスにスプーンって、こちらの記事写真のように横に置かれたイメージだったので。文章だと真ん中にスプーンが突き刺さっている状態ですよね。
 https://news.yahoo.co.jp/articles/02260e19e5bb8017c425af1b91fd722fb6a8344f




カレーライスというと、全部混ぜて食べるのはどうよ?みたいな話がありましたね。

『カレーってどう食べる?』

https://otonanswer.jp/photo/84832/?utm_source=yahoonews&utm_medium=rss&utm_campaign=84832_6#photo1


私は小さい頃は全部混ぜて食べていましたが、だんだんやらなくなりました。あとソースをかけることもしなくなりました(;´∀`)




青空文庫『世相』
https://www.aozora.gr.jp/cards/000040/files/737_43615.html



rohengram799 at 07:30コメント(4) 

2017年08月10日

竹春雲便りNo.10:さじ加減

少し前、新聞に日本語教師をされている方の投書がありました。ほお紅を買いにいったら、チークですね、と言い直されたそうです・・・なんてイヤな店員なんだろう~なんでも横文字で言うのはやめてほしいわ、と私も思いましたが、ビックリしたのは日本語を習っている生徒さんが飲食店で「匙を下さい」と言ったら「何ですか、それ?」という反応だったということ!


えーっ、若い人は「スプーン」という言葉しか知らないの? 「匙を投げる」とかも「おとしぶた」みたいにおまじない行為だと勘違いされている可能性もある?・・・そう考えると恐ろしいですね。「さじ加減」も死語になるのかしら?




スプーンで思い出すのは、給食の先割れスプーン(笑)と、かわいらしい「スプーンおばさん」ですね! 私はアニメで見た記憶がありますが、シリーズ物で、アメリカ作品なのかなと思っていましたが(なんでも海外作品はアメリカという発想があまりにも古い!)作者はアルフ・プリョイセン(Alf Prøysen, 1914年7月23日-1970年11月23日)という、ノルウェーの児童作家・歌手!だそうです。



「ノルウェーのヘードマルク県(Hedmark)リングサーケル(Ringsaker)に、3人兄弟の末っ子として生まれる。家庭が貧しく、幼少時から農場で働く。学校へは行かなかったものの、空想力や歌唱力に富み、農村の祭などで自作の歌を披露し喜ばれた。」とWikipediaにありました。



『スプーンおばさん』読みたくなってきました!




rohengram799 at 07:37コメント(6) 
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