『貝がら』(工藤真弓)


波は
高台にある神社の
鳥居の前で
とまって
戻っていった
石階段の途中には
自転車が横たわっている
子が
つぶやいた
おかあさん
なみが
ここでとまったのは
かみさまが
なみさん
ここからは
ひとだけですよ
って
いったからじゃない?
なみ、はいるな!
っていったら
はいってたかもね


そうか
そうね
神さまも
祈ってたんだね
ていねいに
向き合ってたんだ
この大いなる自然を前に
わたしたちと一緒なんだ


四才の子がみた
つなみの中には
そんな真実も
貝がらのように残されていて
わたしはもう一度
あの
あおい海をみつめたのです



本日は本屋のポイントが10倍の日!「何を買おうかなあ~」とうろうろして、『詩とファンタジー』秋茜号を買いました。


特集はサトウハチローの秋・東北・叙情、そして被災地からの詩がいくつか掲載されていました。その中で、一番印象に残ったのがこの『貝がら』で、作者は南三陸町出身の38歳の方です。プロフィールによりますと、神官で五行歌集『神さまも ひと休み』が著作にあります。


お子さんの言葉に胸がいっぱいになりました。「なんてひどい!!」「神様はいない!!」そんな気持ちでいっぱいなあの日の出来事。お子さんは、鳥居を見て海をみて…「神様」が確かにいたと思って、そして恫喝ではなく、優しい言葉で襲い来る波をさとしたのだと考えたのですね。


「ていねいに向き合う」…イライラしてしまうことが多かった今週(また替え歌でお届けしたいですわ!)~この言葉に出逢い、また一つ気づかされました。どんな物事に対しても、必要な姿勢、心構えですね。心のノートに書き込んでおきます!!