伊兼源太郎

2016年09月12日

秋雲便りNo.9:『見えざる網』の綻び

昔から赤い服は好きだったので、広島のビールかけTシャツをテレビで見て欲しくなってしまいました(笑) まだ西武がバリバリで日本一になった時には、優勝セールに出掛けましたが、あまりにも人が多くて何を買ったのか、買えたのかさえ記憶にないですわ。


卓球の愛ちゃんも結婚したのですね。小さい頃からテレビに出ていて追いかけられて、大人になった時に大丈夫かなぁ…なんて思っていましたが、可愛らしい女性になって……いいダンナ様も見つけて、おばちゃんは安心しました! ウチの子どもたちのご縁の糸は、どこでこんがらがっているのかしら……(^。^;)


昨日は第33回横溝正史ミステリ大賞受賞作『見えざる網』(伊兼源太郎)を読み終わりました。


テレビの街頭インタビューで、インターネット上の希薄な繋がりに異論を呈した主人公。放送直後、混雑した駅のホームから、何者かにおされて落ちかける。また昼には車にも轢かれそうになり、植木鉢が鼻先に落ちてきた……どうも意図的に狙われているらしい。彼を狙っていたのは、同じ会社のSNSサービスに入っている若者たちだった。その会社から送られるメール(「お告げ」と言われていた)に従っていたと判明。本来ならば商品の宣伝などに使われるもので、例えば「コンビニに行って○○という商品を買って飲め」というようなもの。それをすると、先着順に商品が購入できるポイントが貰える。しかしその「お告げ」は主人公への攻撃するようなものになっていた………その理由は?


かなり大風呂敷をひろげてしまいましたね……という作品でした。読書メーターの感想でヌッコロFさんという方が“黒幕の正体を知って、驚いた人物は存在するのか?”とコメントしていましたが、全く同感ですわ。前半はスゴいドキドキしていたのになぁ……なんか「中2病」という言葉が浮かんでしまいました。なんでそこまでのことをしたのか、動機も弱い気がするし、ラストは昔の青春ドラマかよ!みたいで興醒めでした。主人公がお寺の息子とか(陰陽師に関係が…とか)同級生の女の子が警察官になって云々とか、隠れ家的な店とかジャズが好きとか……結構ベタでした。「コイツ、消されるよね」って人物はやっぱりで、いろんなmysteryをツギハギした印象しかなかくて…………どれもさほど重要じゃない設定が多すぎるような気がしました。あと横溝正史を意識してなのか『八つ墓村』を繰り返し読んでいるレンタカー屋のジイさんを登場させて、説教めいた話をさせる場面も必要な描写なの?と正直ウンザリ( ̄ヘ ̄)


タイトルからしてネット社会の危険な部分を書きたいんだろうなぁ、というのはわかります。今「ポケモンGO!」に夢中になっている人たちが同じように「コレをやったらレアキャラがGET出来る!」みたいな文句につられて、駅の階段をダッシュで駆け降りたりしたら……スマホ画面ばかり見て歩いている若者に取り囲まれたりしたら……それにより大惨事が起こる可能性なんでちっとも考えない人たちがワラワラと増殖したら……((((;゜Д゜)))


でもねぇ……大賞受賞作ということで、かなり期待して買った本なので、こうもっとグイグイ迫るものが欲しかったなぁ……と。私には物足りない作品になってしまい、、ガッカリ感が大きく残念でした。



*コメントのお返事はなるべく早くするつもりですが、お待たせしたらごめんなさい!





rohengram799 at 00:54コメント(8) 
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