原田マハ

2017年10月22日

淡雲便りNo.8:本日はお日柄もよく

本日はお日柄もよく・・・日付がかわり、今日は大安吉日の日曜日、そして2並びの夫婦の日ですが、台風がぁ・・・こちらは今のところ、落ち着いていますが、仕事に行く時にはどうなっているかしらん・・・挙式・披露宴の主役、出席の皆さま、どうぞお気をつけて~!




原田マハさんの小説にも『本日は、お日柄もよく』があります。スピーチライターという仕事を扱った話。かなり前に出た本ですが、私が読んだのは先月。選挙のスピーチもあるのですが、あの頃は民○党はイケイケだったなぁ・・・(  ̄- ̄)と思いましたわ。内容等は徳間書店のサイトで・・・WOWOWでドラマ化されたんですね。知らなかった!


http://www.tokuma.jp/ohigara/



読書メーターの感想でも『困難に向かい合ったとき、想像してみるといい。三時間後、涙がとまっている。24時間後、涙は乾いている。2日後、顔を上げている。3日後、歩き出している。』に感動した!という感想がたくさんあったのですが、私にはちょっとなぁ、な言葉でした。似てるかなぁ、と思ったのが長者番付の常連だった斉藤一人さんの言葉です。


「悩みとは、自分でどうにもできないこと。
どうにもならないから悩んでいる。
それが悩みの特徴。
でも、人はそのことで一生悩んだままかというと、そうじゃない。
みなさんは、一年前に自分が何に悩んでいまか、覚えていますか?
あなたが今悩んでいることも、一年後にはなくなってしまうんです。」



これを読んだ時も「そうかなぁ・・・」と思いました。何年経っても消えない悩み、まとわりつく苦悩、繰り返し繰り返し浮かんでくるものってあると思うし、人により時間の感覚は違っていて「一日千秋」という言葉があるように、いつまでも時間が凍結している人もいるだろうし・・・「それは悩みではなく悲しみでは?」と言われそうですが、なんとなく素直に「そうだ、頑張ろう!」とは思えなくて・・・違う誰かに言われたら、号泣しちゃうかしら?




前の記事のお返事は月曜日に・・・おやすみなさい(+.+)(-.-)(_ _)..zzZZ


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2017年04月07日

菫青雲便りNo.5:どす黒い思い

昨日は原田マハさんの『星がひとつほしいとの祈り』という短編集を読みました。2年くらい前に千葉の高校入試の国語の問題に「斉唱」の一部があって、読んでみたいな~と思って調べたら、この本に収録されていたのです。しかし、探している時には見つからないものですね( ̄~ ̄;)


「斉唱」は母と子の確執がじっくり描かれているのかと思ったら違っていましたわ。あと「沈下橋」は酒井法子の逃亡事件がネタですか?って感じで興醒めしました。7作品あるんですが、原田マハさんって不倫関係を書くのが好きなのか?と思ってしまう~あとカタカナ職業の人とか、わりといい仕事についている女性が多くて、ちょっとウンザリするかな~って、コレはひがみかしら(; ̄ー ̄A


表題作が一番よかったです。主人公は売れっ子コピーライター(笑)で、出張先で不倫中の上司と別れた後に道後温泉へ。宿でマッサージを頼んだら、盲目の老婆がやって来た。マッサージはうまくて文句はないのだけれど、あまりに上品な口調が気になって彼女の過去を知りたくなる。彼女が語ったのは、深窓の令嬢・箱入り娘だった自分と献身的な女中ヨネとの暮らし、そして戦争がもたらした悲恋・・・とってもよい話だったのに、最後が8月だから夢でもみたかな?的なオチになっていて、えーっ!とガッカリしました。中島京子さんの『小さいおうち』にちょっと共通するところがあるかも?



一番最初の「椿姫」もやっぱり不倫関係で妊娠して・・・の話。連絡がつかないから相手の会社まで行くとかひくわ~(´-ω-`) そして中絶代を30万要求されて、26万しかないといいながら大金(男には違うんだろうなぁ)をそろえて渡す不倫相手にもひくわ~! ひとりで産んで育てるみたいなことをにおわせて結局は堕胎した女にゲンナリしました。



産婦人科医院で制服姿の女子高生が出てくるんだけど、4月3日の読売新聞の人生案内に「高校生の娘が彼と裸の写真」という見出しがあったのを思い出しましたわ(◎-◎;)


相談者は40代のお母さん。ふたりは小学校生のときに知り合い、今は別の高校に通っているけれどSNSを通して再会したらしいとのこと。彼氏はよく夕飯も食べにくるそうで、お母さんの評価は悪くないみたいです。ふたりには話をして注意もしたようです。今は真剣でも別れた後になにがあるかわからないですからね。リベンジポルノとか。しかし、私が気になったのはこの文章です。



「しかし、娘がもう処女でないと考えると、どす黒い思いが消えません。」



ショックです、とかではなく「どす黒い思い」ってなんなんでしょうか・・・これは娘に向けられたもの? 母親としての気持ち? まだ学生なのにとか、自分が高校生の時はそんなことは・・・みたいな潔癖な部分や嫉妬心みたいなもの? もう同じ「女」の立場になったのね、みたいな? なんなんだろう? ウチには息子しかいないからわからない。 父親は息子が高校生で経験者だと知ったらどんな気持ちになるのか?



作品では相手の男の子が父親になる自覚があるようで、救われた気分になりました。いろいろ事情で産まない選択をする人がいるし、仕方ない子供のあると思う。でもこの女はキライ(*`Д´)ノ!!!「夜明けまで」という作品ではシングルマザーの女優が出てきて、いい話と言えばそうなんだけど、でもやっぱり、そんなにまわりの人間がいろんなことを許せるものかなぁと・・・。



あら、どす黒い思いを抱いているのは・・・もしかしたらワタシなんじゃ・・・Σ(-∀-;)


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2015年12月28日

色雲便りNo.22:よいお年を!~12月の本棚

図書館で偶然会った元カノが胸に抱えていた「ぐりとぐら」(上尾市・関根裕治)


新聞の読者投稿の短歌欄にあったこの一句、日常のなにげない光景なのにドラマがありますね~場所が図書館なのがまたいい! 読むのは誰だ? 彼女は絵本が好きだったっけ? 結婚してこどもがいるの? いやいや、親戚の子をあやすために借りたんじゃないのか? 彼はまだ独身いやいや今カノと呼べる人がいないのかも?とか……「彼氏と彼女の事情」がおばちゃん、とっても気になります(笑)



少し早いですが、今月の本棚です。ちょっと少なめの14冊。汗にまみれ、泥にまみれ、ある時は動物と戯れまた芸術に魅せられ、フジギ世界に迷い込み……いろんな作品が読めたかなと思います。原田マハさんの『楽園のカンヴァス』は画家ルソーの生涯を絡めた美術ミステリーといってよいのでしょうか? 名探偵コナンみたいに殺人事件は起きませんが(笑)美に魅いられた人たちの気持ちの一部はわかる、わかるよ~と言いたくなってしまいます。画集や漫画『ギャラリーフェイク』を全巻揃えたくなるような一冊でした。



さてさて……今年も仲良くお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。不調な日々もありましたが、見守り励ましていただき、感謝しています。今年はこれが最後の更新になります。新年の予定は未定ですが、過去記事でもコメントいただけたら嬉しいです~! また来年もどうぞよろしくお願いいたします。お身体に気をつけて、皆さま、どうぞよいお年を!!



《12月の本棚:計14冊》

「絵本作家・百灯瀬七姫のおとぎ事件ノート」(喜多南)「大事なことほど小声でささやく」(森沢明夫)「ストーリー・セラー」(有川浩)「雪の練習生」(多和田葉子)「なごり歌」(朱川湊人)「ヒカルの卵」(森沢明夫)「5分で読めるひと駅ストーリー 旅の話」(アンソロジー)「きみと暮らせば」(八木沢里志)「十二人の手紙」(井上ひさし)「ディーセント・ワーク・ガーディアン」(沢村凜)「叫びと祈り」(梓崎優)「畦と銃」(真藤順丈)「楽園のカンヴァス」(原田マハ)「星をまく人」(キャサリン・パターソン/岡本浜江訳)





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2015年02月14日

氷雲便りNo.6:大試験

『母情より父情がかなし大試験』(田島澪)


明治の始めには進級試験を「小試験」卒業試験を「大試験」と言ったようでこの季語が生まれたようです。でも現代では入試ですよね、きっと。なんだろう、母親ほど口うるさく言わないけれど、本当はスゴく心配している父親の姿が浮かんできます。 でもうまく言葉にして伝えられないオヤジ……うう、その心情を思うと切なく哀しい(´;ω;`)……子どもの試験の時刻になったらドキドキしていそう!!



『入学試験子ら消ゴムをあらくつかふ』(長谷川素逝)


自分の県立高校入試は3月中旬だったので、新聞に千葉の公立高校入試問題と解答の別刷りがあってちょっとビックリしてしまいました(;^_^A この俳句を読んで「ウワァ、間違えたぁ~!!」と焦って用紙が破れるのではないかというくらい、ゴシゴシとやった昔を思い出しました(笑)



国語の問題に原田マハさんの『斉唱』があり「ああ今っぽい!!」って思いましたわ。私はこの作品を知らないので、どの作品集に収められているんだろ?と検索していたら『星がひとつほしいとの祈り』の中の一編でした。本屋でタイトルだけで恋愛物だと思って敬遠していたのですが、違った~!
「斉唱」はトキのお話のようです。


原田さんは鶴とかトキとか、大きい鳥がすごく好きなんだそうです。佐渡島に行って「トキを田んぼに戻す会」で話をいろいろ聞いたそうです。平和と鎮魂の想いを込めた作品だそうです。今度探してみようと思います。



もう必死に勉強することもないワタクシですが、本を読むことだけは続けていこうと思っています。今日読んだ『ランチのアッコちゃん』(柚木麻子)読みやすくて面白かったです!! あと大阪を舞台にしたアンソロジー『大阪ラビリンス』から岩坂恵子さんの「おたふく」を読みました。きつねうどんが食べたくなりました←食べ物ばかりだった……( ̄▽ ̄;)



皆さまも♪あったかいんだからぁ~(笑)な出来事を楽しんで下さい(´ー`)ノ




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2014年10月21日

恋雲便りNo.15:三冊読めば…かしましい?

体調の悪さは人疲れ(仕事がらみの)もあったのかしらん……と思うくらい、休みを楽しんでいるワタクシ、この前から女性作家の作品を三冊続けて読みました(*´∀`)♪



一冊目は瀬尾まいこさんの『天国はまだ遠く』。主人公は23歳のOL・千鶴。自分の日常の息苦しさに耐え切れなくなり、冬のある日「どうせ死ぬなら誰も自分のことを知らない土地で」と日本海の小さな村へ辿りつきます。 ムサイ男がひとりいる風変わりな民宿で通院中にためておいた睡眠薬を飲みますが、結果は丸一日爆睡(;´д`) 仕方なく何もない土地でなんでもない日常を過ごすうちに少しずつ気持ちの変化が起きて「帰る」ことを決心。居心地がいいけれど自分の場所ではない……まぁよくある話と言えばよくある自分探しの旅・雪国パターンみたいな。ウダウダしていた期間は3週間。民宿の田村さんとナニもなし(笑) 別れ際にマッチを渡されるのですが、この場面にも全くときめかなかったですわ。


千鶴に感情移入出来ませんでした~仕事もきちんと「退職します」と言ったわけではなく、辞表を上司の机の引き出しに…とか、なんか全体的に甘ったれでワガママという印象ばかり。多分、この本の前に『ふがいない僕は空を見た』(窪美澄)を読んだから余計に…ではないかと。彼らの「生きること」に対してのもがきのたうち回るような息苦しい姿勢と違って、彼女はたいして手も汚さずキレイな場所に逃げ込んだというふうに感じてしまったんだと思います。民宿のマッチの場面も「また何かイヤなことがあったらココに来ればいいや」みたいなお気楽さがうかがえて……これはもっと若い時に読んでいたら、また違う感想になったのかなぁ……本を読むタイミングというか、順番って大事かも……と思いました(◎-◎;)



二冊目は森絵都さんの『異国のおじさんを伴う』……コレはもう本屋で見て即!買いましたよ~ナニ、このタイトルは(≧▽≦) いろんな内容の10作品、短編集なので読みやすいです。語りは男性目線もあったりしますが、主役は女性ですね。(『ラストシーン』は違うかな、キョーレツなオバサンはでできますが…心理劇みたいでした)新婚旅行先でホエールウォッチングに行った夫婦。みんなから「彼女の幸せはキミにかかっている!」と言われて「女のひとりくらいは楽勝で幸せに出来る、フフン」と腹の中で毒づいていたのに、自分は船酔いでヘロヘロ、クジラどころじゃない(x_x)一方、彼女はクジラに大興奮!大満足して片手にビール( v^-゜)♪……「この生命体を俺は幸せに出来るのか。」と思う場面で笑ってしまいました!! 他にも勘違い息子が気の毒な『母の北上』や『クリスマスイヴを三日後に控えた日曜の……』新宿伊勢丹に買い物に行った30代女子の話など(最後がまたイイ!)どの話も女性が前向きでスカッ!としました。他にも短編集が出ているようなので、お風呂DE読書用に買いたいですわ。



そして読み終わったばかりなのが、原田マハさんの『でーれーガールズ』です。時代は1980年、場所は岡山。佐々岡鮎子は東京から引っ越してきたばかりで、なかなか馴染めない。無理に「でーれー(すごい)」と方言を連発して同じクラスの武美に馬鹿にされ( ´△`)ところが、自分をモデルに描いた恋愛漫画を偶然、武美に読まれたことにより、急速に仲良しさんに……このあたりは女子高生だからでしょうか(笑)武美は鮎子の現在進行形の恋愛が描かれていると信じているけれど、実は鮎子の妄想彼氏なのです。だんだん彼にのめり込む武美、本当のことを言うべきか……こんな事があった高校時代を懐かしむ鮎子は売れっ子漫画家として母校の創立記念講演会に招かれ、同窓会でクラスメイトと再会するのです。


学生時代の話は同世代なので、懐かしさがいっぱい!制服のリボンをいかに可愛く結ぶか、学生鞄をブタ鞄にしない工作(?)とか聖子ちゃんカットや針金のネームブローチとか(笑) ただラストは「えっ(゜д゜)」そう言えば…みたいな事は書いてあるんですが、それでもやっぱりなんでこうしたの( ・◇・)?という気持ちになりました。別のラストもあっただろうに……って思いました。ちなみに学校は、原田さんの出身校がモデルらしいです。サイトで制服も見られます(笑)


《山陽女子中・高等学校》

http://www.sanyojoshi.ed.jp/



『天国はまだ遠く』は加藤ローサと徳井義実(チュートリアル)で映画になっていたんですね。う~ん、ふたりとも美形すぎてイメージに合わないなぁ。『でーれーガールズ』も来年映画公開だそうですが、女子高生は昭和っぽい雰囲気の女の子がいいんですけどね~近未来的な学園ものなら今どきの女の子でいいんですが、私たち世代の過去を懐かしむにはちょっとあか抜けない子がいいのですわ。



三人三様のたくさんの女性の物語に満足しました! 瀬尾さんはちょっと辛口っぽくなってしまいましたが、好きな作家さんなんですよ(^。^;) 好きなだけ好きな本が読めて、日頃のイライラも解消した気がします。さて、次は何を読もうかな(´∇`)





rohengram799 at 15:30|この記事のURLComments(10)TrackBack(0)
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