ようやく新潮文庫編集部編の傑作随想41編『あのひと』を読み終わりました。読んだり休んだりを繰り返していたので、本もだいぶくたびれてしまいましたが(;^_^A



吉原幸子さんが亡くなられたお母様のことを書いたという『あのひと』という詩を「あのひと考」という最後の随想で谷川俊太郎さんが紹介していました。8月は私が「いのち」について、家族について一番考える特別な月のひとつです。あのひと……という言葉のもつ不思議なあたたかさ、懐かしさを皆さまと共有できたらと思います。皆さまの心に浮かぶ『あのひと』はどんな方でしょうか?




 あのひとは 生きてゐました
 あのひとは そこにゐました
 ついきのうふ ついきのふまで
 そこにゐて 笑ってゐました

 あのひとは 生きてゐました
 さばのみそ煮 かぼちゃの煮つけ
 おいしいね おいしいねと言って
 そこにゐて 食べてゐました

 あたしのゑくぼを 見るたび
 かはいいね かはいいねと言って
 あったかいてのひら さしだし
 ぎゅっとにぎって ゐました

 あのひとの 見た夕焼け
 あのひとの きいた海鳴り
 あのひとの 恋の思い出
 あのひとは 生きてゐました
 あのひとは 生きてゐました   




少しばかり体調が悪いので、次回更新は月曜日になります。お返事も遅れます。ごめんなさい<(_ _*)>



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