吉野弘
2017年04月22日
菫青雲便りNo.21:SCANDAL~闇が広がる
今日の読売新聞の「編集手帳」には吉野弘さんの『SCANDAL』という詩が紹介されていました。この詩は他の新聞コラムでも何回か引用されているようです。それだけ世間、特に政治の世界でのSCANDALがたくさんあるということですね。
吉野さんの詩に『祝婚歌』というのがあります。「二人が睦(むつ)まじくいるためには 愚かでいるほうがいい」。結婚式のスピーチでよく使われているようです。結婚式場のパンフレットに使いたいという問い合わせも多かったようで、吉野さんはこんな問い合わせに、「どうぞ自由にお使いください」と言っていたそう。しかし、高校国語の教科書に掲載したいという申し入れは、辞退。
その理由は「 結婚が当面の課題ではない高校生には、ふさわしくない。詩を本当に理解するためには、言葉の意味だけでは不十分だ。年齢や生活経験が必要な場合もある」というものだったらしい。詩に対しての責任感のようなものを感じました。また作品ひとつひとつがどんなに大切なものかが伝わります。
『SCANDAL』
スキャンダルは
キャンドルだと私は思う。
人間は
このキャンドルの灯(ひ)で、しばし
闇のおちこちを見せてもらうのだと私は思う。
みんな
自分の住んでいる闇を
自分の抱えている闇を
見たがっているのだが
自分ではスキャンダルを灯(とも)すことができないので
他人のスキャンダルで
しみじみ
ひとさまの闇を覗(のぞ)くのだと私は思う。
自分の闇とおんなじだわナ、と
納得するのだと私は思う。
闇と聞くと、宝塚の舞台『エリザベート』のてわ「闇が広がる」を思い出しますわ。
♪闇が広がる 人はなにも見えない
誰かが叫ぶ 声を頼りにさまよう
闇が広がる この世の終わりが近い・・・
皆さまは暗闇の中の光になって下さい~よい1日を!
吉野さんの詩に『祝婚歌』というのがあります。「二人が睦(むつ)まじくいるためには 愚かでいるほうがいい」。結婚式のスピーチでよく使われているようです。結婚式場のパンフレットに使いたいという問い合わせも多かったようで、吉野さんはこんな問い合わせに、「どうぞ自由にお使いください」と言っていたそう。しかし、高校国語の教科書に掲載したいという申し入れは、辞退。
その理由は「 結婚が当面の課題ではない高校生には、ふさわしくない。詩を本当に理解するためには、言葉の意味だけでは不十分だ。年齢や生活経験が必要な場合もある」というものだったらしい。詩に対しての責任感のようなものを感じました。また作品ひとつひとつがどんなに大切なものかが伝わります。
『SCANDAL』
スキャンダルは
キャンドルだと私は思う。
人間は
このキャンドルの灯(ひ)で、しばし
闇のおちこちを見せてもらうのだと私は思う。
みんな
自分の住んでいる闇を
自分の抱えている闇を
見たがっているのだが
自分ではスキャンダルを灯(とも)すことができないので
他人のスキャンダルで
しみじみ
ひとさまの闇を覗(のぞ)くのだと私は思う。
自分の闇とおんなじだわナ、と
納得するのだと私は思う。
闇と聞くと、宝塚の舞台『エリザベート』のてわ「闇が広がる」を思い出しますわ。
♪闇が広がる 人はなにも見えない
誰かが叫ぶ 声を頼りにさまよう
闇が広がる この世の終わりが近い・・・
皆さまは暗闇の中の光になって下さい~よい1日を!
2016年09月22日
秋雲便りNo.18:I was born
今日は醜聞……いえ「秋分の日」ですね。おはぎを食べながらお月見は期待出来そうにありませんが『萩ひと夜乱れしあとと知られけり』(小倉涌史)なんて句を見つけてしまうと、お月見なんてどうでもいいわ~!な気分になります(笑) 強風の翌朝、普段は地味で清楚な萩の花も乱れに乱れたままになって、まぁえらいこっちゃ!なんて表面だけの解釈ですませるおやぢなワタクシではありません……おそらく皆さまも乱れたのは……( 〃▽〃)な想像をめぐらせたはずに違いない!お仲間、お仲間!と信じております(≧∇≦)
《夫の父から精子、173人誕生…20年間で》(2016年09月17日)………というネットニュースの見出しに「えっ(゜д゜) じいさんの子どもがそんなにたくさんいるの!?」と義父のお父さんの精子を冷凍保存していて、希望者に……と思ってしまったアホなワタクシ( ̄0 ̄;)
ニュースによりますと……夫婦以外の卵子や精子を使った体外受精の実施を国内で初めて公表した諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町、根津八紘(やひろ)院長)で、今年7月末までの約20年間に夫の実父から精子提供を受けた夫婦114組から、体外受精で計173人の子どもが誕生していたことが分かった。 同クリニックは2014年7月、夫の実父から提供を受けた精子による体外受精で、13年末までに夫婦79組から計118人が誕生したと発表。それから2年半余りで誕生数は約1.5倍に増えた。同クリニックによると、1996年11月から今年7月末まで、夫に精子がない160組が、夫の実父(50歳代~70歳代)の精子と妻の卵子で体外受精を行い、妻の子宮に移植。142組が妊娠し、114組が実際に出産した。
義父の子どもを妊娠したみたい気分にはならないんでしょうか……義母も複雑な気持ちにならないのかしら? 嫁さんの親はどうなの?とか考えますが、そんなのはどうでもよくなるくらい、どうしても子どもが欲しい!!という夫婦揃っての強い希望で、極力秘密にして物事を進めるのかしら……。
子どもが大きくなってからこのことを話すのかとか、他に孫がいた場合、義父は自分の精子を提供して出来た孫を無意識に過剰に可愛がったりしないかしら?などといらない心配や下世話なことを考えてしまいます………。生まれた子どもたちが健やかに成長することは希望しますが、やはりなんとも言いようがないモヤモヤした気持ちがあります。
タイトルは吉野弘さんの詩『I was born』からです。教科書で読んだという人が多いみたいですが、思春期にこの詩はショーゲキ的かも……私は最近知りましたが、自分が男子中学生だったら、なんだか気恥ずかしくなってしまうかも……なんて思いました。
《夫の父から精子、173人誕生…20年間で》(2016年09月17日)………というネットニュースの見出しに「えっ(゜д゜) じいさんの子どもがそんなにたくさんいるの!?」と義父のお父さんの精子を冷凍保存していて、希望者に……と思ってしまったアホなワタクシ( ̄0 ̄;)
ニュースによりますと……夫婦以外の卵子や精子を使った体外受精の実施を国内で初めて公表した諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町、根津八紘(やひろ)院長)で、今年7月末までの約20年間に夫の実父から精子提供を受けた夫婦114組から、体外受精で計173人の子どもが誕生していたことが分かった。 同クリニックは2014年7月、夫の実父から提供を受けた精子による体外受精で、13年末までに夫婦79組から計118人が誕生したと発表。それから2年半余りで誕生数は約1.5倍に増えた。同クリニックによると、1996年11月から今年7月末まで、夫に精子がない160組が、夫の実父(50歳代~70歳代)の精子と妻の卵子で体外受精を行い、妻の子宮に移植。142組が妊娠し、114組が実際に出産した。
義父の子どもを妊娠したみたい気分にはならないんでしょうか……義母も複雑な気持ちにならないのかしら? 嫁さんの親はどうなの?とか考えますが、そんなのはどうでもよくなるくらい、どうしても子どもが欲しい!!という夫婦揃っての強い希望で、極力秘密にして物事を進めるのかしら……。
子どもが大きくなってからこのことを話すのかとか、他に孫がいた場合、義父は自分の精子を提供して出来た孫を無意識に過剰に可愛がったりしないかしら?などといらない心配や下世話なことを考えてしまいます………。生まれた子どもたちが健やかに成長することは希望しますが、やはりなんとも言いようがないモヤモヤした気持ちがあります。
タイトルは吉野弘さんの詩『I was born』からです。教科書で読んだという人が多いみたいですが、思春期にこの詩はショーゲキ的かも……私は最近知りましたが、自分が男子中学生だったら、なんだか気恥ずかしくなってしまうかも……なんて思いました。
2014年01月23日
にじ雲便りNo.22:おやぢの器
昨日は「ショートケーキの日」でしたね←カレンダーを見て下さい~22の上に15(イチゴ)があります! ヘビイチゴを焼酎につけたものが実家にありましたが、なにか役にたったのかしらん?と思いつつ、イチゴ食べたい!イチゴ、イチゴでカチカチしていたら「イチゴノキ」というのがありました。ストロベリーキャンドルは知っていましたが、イチゴノキは初めて! ちょっとお菓子の名前っぽい?
○○の木っていろいろありますが、今まで1番ショーゲキ的だったのは「ドロノキ」です。ゴムの木のドロバージョンみたいなヤツというか…(;^_^A
さてさて、『思い出探偵2』を読んでいたら「おおびら」という郷土料理名が出てきました。大平(おおびら)とは木曽地方の郷土料理で(新潟でも食べられるとか)里芋・鶏肉・しらたき・椎茸・人参・大根・昆布などが入ったお吸い物のことを言いうそうで、冠婚葬祭の時には必ず出される馴染みの深い料理。祝いの時には扇形に切り、不祝儀の時には短冊に切るらしいです。そして「木手塩(きでしお)」と呼ばれる大平専用の漆器に盛るんだそうです。
http://nakanorisan.com/modules/tinyd2/index.php?id=74
専用の器というところで、なぜか「人間の魂の専用の器が身体なのかしらん?」などと思ってしまいました。亡くなられた詩人の吉野弘さんの『漢字喜遊曲』に
器の中の 哭。
割れる器の嘆声か
人という名の器のもろさを
哭(な)く声か。
というのがあって、それを思い出したのかもしれません。
幸(さいわ)いの中の人知れぬ辛(つら)さ
そして時に
辛さを忘れてもいる幸い。
漢字一文字から何を連想するかで、己の器がどんなものか、世間様にわかってしまいそうでコワイ…!
○○の木っていろいろありますが、今まで1番ショーゲキ的だったのは「ドロノキ」です。ゴムの木のドロバージョンみたいなヤツというか…(;^_^A
さてさて、『思い出探偵2』を読んでいたら「おおびら」という郷土料理名が出てきました。大平(おおびら)とは木曽地方の郷土料理で(新潟でも食べられるとか)里芋・鶏肉・しらたき・椎茸・人参・大根・昆布などが入ったお吸い物のことを言いうそうで、冠婚葬祭の時には必ず出される馴染みの深い料理。祝いの時には扇形に切り、不祝儀の時には短冊に切るらしいです。そして「木手塩(きでしお)」と呼ばれる大平専用の漆器に盛るんだそうです。
http://nakanorisan.com/modules/tinyd2/index.php?id=74
専用の器というところで、なぜか「人間の魂の専用の器が身体なのかしらん?」などと思ってしまいました。亡くなられた詩人の吉野弘さんの『漢字喜遊曲』に
器の中の 哭。
割れる器の嘆声か
人という名の器のもろさを
哭(な)く声か。
というのがあって、それを思い出したのかもしれません。
幸(さいわ)いの中の人知れぬ辛(つら)さ
そして時に
辛さを忘れてもいる幸い。
漢字一文字から何を連想するかで、己の器がどんなものか、世間様にわかってしまいそうでコワイ…!
2010年05月12日
第72号:カネゴンの今年の母の日♪…のはずがφ(°°)ノ°???
今年の母の日、皆さまはどのように過ごされたのでしょう?
母に感謝し、母として感謝された方もいらっしゃると思いますが、私といえば…(´Д`)
実家の母から先月すでに、お金のムダだから「花だけでなく、お菓子や洋服もいらない」と言われ…その上「500円玉貯金がだいぶたまったから、今度きたらやるよ」との言葉をもらい…ああっ、もう「お前はいくつだ!?」と我が子からも言われる、相変わらずのカネゴンでございます…(T-T)
誕生日の翌日の新聞に、詩人の吉野弘さんの『漢字喜遊曲』からの一部が載っていたのですが…「編集手帳」(読売のコラム)読まれた方もいるでしょうか?
母は
舟の一族だろうか
こころもち傾いているのは
どんな荷物を
積みすぎているせいか
私の母は、あきらかにど~ん!!と重いカネゴンの置物を持っていると思いました(ToT)
私も、左右の靴のかかとの減り具合が均等ではないので、かなり傾いていると思います!って、身体のバランス以前にアタマのバランスがオカシイだろっ!!な文章でスミマセン…( ̄▽ ̄;)
話をもどしますが(笑)吉野さんの詩を読んで、「小さな娘が思ったこと」という詩を思い出しました。
小さな娘が思ったこと
ひとの奥さんの肩はなぜあんなに匂うのだろう
木犀みたいにくちなしみたいに
ひとの奥さんの肩にかかるあの淡い靄のようなものはなんだろう?
小さな娘は自分もそれを欲しいと思った
どんなきれいな娘にもない
とても素敵な或るなにか… …
小さな娘がおとなになって
妻になって母になって
ある日不意に気づいてしまう
ひとの奥さんの肩にふりつもるあのやさしいものは
日々 ひとを愛してゆくためのただの疲労であったと
作者は茨木のり子さんです。行間とか違うかもしれないから、本屋さんで確認して、詩を味わって下さい。
あと吉野弘さんの詩では『夕焼け』が好きです。
「いつものことだが/電車は満員だった。」ではじまる、教科書にも載っている詩です。
ああ、また話が脱線してしまった!ので、このへんで~(;_;)/~~~
皆さま、お母さまやご家族を大切に☆(説得力ゼロだ~)
母に感謝し、母として感謝された方もいらっしゃると思いますが、私といえば…(´Д`)
実家の母から先月すでに、お金のムダだから「花だけでなく、お菓子や洋服もいらない」と言われ…その上「500円玉貯金がだいぶたまったから、今度きたらやるよ」との言葉をもらい…ああっ、もう「お前はいくつだ!?」と我が子からも言われる、相変わらずのカネゴンでございます…(T-T)
誕生日の翌日の新聞に、詩人の吉野弘さんの『漢字喜遊曲』からの一部が載っていたのですが…「編集手帳」(読売のコラム)読まれた方もいるでしょうか?
母は
舟の一族だろうか
こころもち傾いているのは
どんな荷物を
積みすぎているせいか
私の母は、あきらかにど~ん!!と重いカネゴンの置物を持っていると思いました(ToT)
私も、左右の靴のかかとの減り具合が均等ではないので、かなり傾いていると思います!って、身体のバランス以前にアタマのバランスがオカシイだろっ!!な文章でスミマセン…( ̄▽ ̄;)
話をもどしますが(笑)吉野さんの詩を読んで、「小さな娘が思ったこと」という詩を思い出しました。
小さな娘が思ったこと
ひとの奥さんの肩はなぜあんなに匂うのだろう
木犀みたいにくちなしみたいに
ひとの奥さんの肩にかかるあの淡い靄のようなものはなんだろう?
小さな娘は自分もそれを欲しいと思った
どんなきれいな娘にもない
とても素敵な或るなにか… …
小さな娘がおとなになって
妻になって母になって
ある日不意に気づいてしまう
ひとの奥さんの肩にふりつもるあのやさしいものは
日々 ひとを愛してゆくためのただの疲労であったと
作者は茨木のり子さんです。行間とか違うかもしれないから、本屋さんで確認して、詩を味わって下さい。
あと吉野弘さんの詩では『夕焼け』が好きです。
「いつものことだが/電車は満員だった。」ではじまる、教科書にも載っている詩です。
ああ、また話が脱線してしまった!ので、このへんで~(;_;)/~~~
皆さま、お母さまやご家族を大切に☆(説得力ゼロだ~)