向こう側の遊園

2015年03月05日

咲雲便りNo.5:「あい」の向こう側

昨日は初野晴さんの『向こう側の遊園』を読みました。前に読んだ『1/2の騎士』がよかったのを思い出し、久々にこの作者の本を買いました。『カマラとアマラの丘』を改題したもので、このタイトルの時も気にはなっていたのですけど(^。^;)


花々が咲き乱れる廃園となった遊園地。そこには、謎めいた青年が守る秘密の動物霊園があるという……「自分が一番大切にしているものを差し出せば、ペットを葬ってくれる」との噂を聞いて訪れる人たち……。「せめて最期の言葉を交わせたら」「最期の声が聴けたら」というせつない願い。人間と動物の関係を描いた、哲学的な要素もある連作ミステリーでした。


その中に「異種移植」「異種間臓器移植」の話がありました。異なる種類の動物の間で,臓器を移植すること。臓器のほか,組織や細胞の移植も含めて〈異種間移植〉とも。主に欧米で行われており,ブタやヒヒから臓器などを取り出し、種が異なる生物間で組織の一部を移植すること。……ちょっとネタバレになりますが、本の中ではヒヒからの移植でした。


昔、同人誌で特効薬を作り出すための材料として試験管ベイビー何人かを産み出し……というのを読んだことがあります。彼らを手に入れた者が世界を手に入れるみたいな感じで……産み出された彼らはどこか歪んでいました。優秀で記憶力抜群、しかし女性では価値がない……絵空事みたいに思っていましたが(その時も設定は21世紀にはなってなかったような)実際、人工臓器ではなく生体からの移植医療研究がすすんでいるんですよね。


移植以外にも実際の社会問題についての提起があり、神話や童話からの引用や考察、お墓の植物がうまくからみあって、、ミステリーでありファンタジーであり……というスゴく考えさせられる一冊でした。そして、動物たちの人間以上の想いがなんとも哀しく……読み終わった後にまた深い余韻がありました。



《追記》
登場する主な動物たちはゴールデンレトリバー、ヒヒ、ネズミガシラハネナガインコ、クマネズミ、黒いラブラドールです。ネズミガシラハネナガインコは顔がねずみ色なんですね(((^_^;)

https://inko.exp.jp/2016/10/25/post-375/



関係ないですが、某遊技場で赤に大きな黒い水玉模様のベストを着ている小柄なオバサンをよく見かけます。パチを打つその姿はてんとう虫のようでちょっとラブリーです(´∇`)



rohengram799 at 11:06|この記事のURLComments(6)
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