失敗園

2017年01月24日

夢雲便りNo.16:クリスマス★ローズ

今日は朝から伊坂幸太郎さんの『クリスマスを探偵と』を読みました。単行本未収録作品で、電子書籍で・・・伊坂さんが学生時代に書いたものをリメイクしたもので、30分もあれば読めます。サンタクロースにはいろんな説がありますが、この伊坂説(?)も加えて欲しいですね~寒い日にあったかいキモチになれる話です。やっぱりクリスマスシーズンに読みたかったなぁ・・・(´;ω;`)



さてさて・・・『失楽園』と言えば渡辺淳一さんですが、太宰治はそれより前に『失敗園』を書いていたのはご存知でしょうか? 大宰宅での出来事なのか、よそのお宅の話なのかはわかりませんが、とにかく失敗なんですね~家庭菜園にみのりがなくて、そこに植えられたニンジンやネギなどの嘆きのモノローグ集です。


ヘチマの棚を作るのに、夫婦喧嘩になり・・・ダンナさんが作ったけれど、どーもイマイチ・・・そして薔薇もあるのですが、女王さまの愚痴をお聴き下さい!


「ここの庭では、やはり私が女王だわ。いまはこんなに、からだが汚れて、葉の艶つやも無くなっちゃったけれど、これでも先日までは、次々と続けて十輪以上も花が咲いたものだわ。ご近所の叔母さんたちが、おお綺麗と言ってほめると、ここの主人が必ずぬっと部屋から出て来て、叔母さんたちに、だらし無くぺこぺこお辞儀するので、私は、とても恥ずかしかったわ。あたまが悪いんじゃないかしら。主人は、とても私を大事にしてくれるのだけれど、いつも間違った手入ればかりするのよ。私が喉が乾いて萎れかけた時には、ただ、うろうろして、奥さんをひどく叱るばかりで何も出来ないの。あげくの果には、私の大事な新芽を、気が狂ったみたいに、ちょんちょん摘み切ってしまって、うむ、これでどうやら、なんて真顔で言って澄ましているのよ。私は、苦笑したわ。あたまが悪いのだから、仕方がないのね。(以下略)」



私が一番笑ってしまったのは、叔母さんたちに「えへ! ありがとうございます~どーも、どーも」的に頭を下げている場面! なんかその場面が浮かんできて・・・戸建てのお家とかだったら、今でもこんな光景が見られそうです! この話も青空文庫で読めます。



寒さがきびしい毎日ですが、水仙など咲き始めて、ハクモクレンのツボミも大きくなってきて、少しずつ春がやってきていますね。 クリスマス・ローズも咲いています(^ω^)


今日1日、どうぞ穏やかに過ごせますように(о´∀`о)ノ




rohengram799 at 09:11コメント(12) 
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