妙ちきりん

2016年03月31日

春雲便りNo.31:妙ちきりんな縁を結うひと~3月の本棚

プチ旅行中も電車内で読書、自宅や職場よりスラスラ読めたような気がします(笑)


時代小説アンソロジーの『妙ちきりん』は小松エメル・天野純希・仁木英之・輪渡颯介・毛利亘宏・乾緑郎という執筆陣。表紙は小松エメルさんのお伊勢参りにいく白い犬の話を描いたもの。また佐々木小次郎との仕合を逃げてしまおうか、迷った宮本武蔵を描いた「異聞 巖流島決闘」(天野純希)は、小次郎を厄介払いしたい連中がいて、うまいこと相討ちにしたかったのに…!という、あり得たかもしれない展開で、なかなかおもしろかったです。


そして今月最後の一冊は深沢潮さんの『縁を結うひと』。深沢さんは両親が在日韓国人。ご自身は結婚と出産の為に日本に帰化したそうです。連作短編集というか、独立して読んでも大丈夫かな? 必ず在日の縁談を取り仕切る辣腕「お見合いおばさん」というかおばあさんの金江福(かなえ・ふく/在日二世)が登場します。30年で200組、年齢は80代で髪は紫に染めています(¨;)

朝鮮総連に勤めていたダンナもいるし、斡旋料でがめつく稼いでいるのになぜか生活は質素……それは北朝鮮にいる息子に送金し、日本人と結婚して苦労している娘に援助しているから。妊娠を盾に、在日韓国人の彼と結婚した帰国子女の恵理香。義実家での話は姑と同居している義姉の会話が火花を散らしていてコワイ~そして身体中がオリーブオイルではなくごま油になりそうな話。おいおい、そんなに嫁をこきつかうのか、って感じでしたが、ラストは……そうだったのか! 


全6編、一貫して「在日」「日本に住む異国人」というテーマになっています。済州島や全羅道出身者を差別したり、家柄を重視したり……男は学歴と経済力、女はルックス重視のお見合い。関西にも同じようなお見合いおばさんがいて、張り合ったり……韓国の風習とか読んでいる分にはコミカルでおもしろいけれど、これが日常かと思うと、自分の立場に置き換えて考えてみると……う~ん( ̄~ ̄;)となってしまいました。



今月もお付き合いいただき、ありがとうございました。久しぶりに毎日更新出来て達成感があります(笑) 来月は2日に更新予定ですが、またワタクシとの「妙ちきりんなご縁」を結んだままにしていただけたら、とっても嬉しいです(´∇`) また仲良くして下さい!



《3月の本棚:計13冊》

「恋歌」(朝井まかて)「雪と珊瑚と」(梨木香歩)「昨夜のカレー、明日のパン」(木皿泉)「純喫茶」(姫野カオルコ)「八月の光・あとかた」(朽木洋)「百年桜―人情江戸彩時記―」(藤原緋沙子)「いしゃ先生」(あべ美佳)「まぼろしのパン屋」(松宮宏)「妙ちきりん」(時代小説アンソロジー)「憧れの女の子」(朝比奈あすか)「花鳥」(藤原緋沙子)「デス・サイン 死神のいる教室」(深津十一)「縁を結うひと」(深沢潮)




rohengram799 at 08:58|PermalinkComments(10)TrackBack(0)
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