尾崎士郎

2021年10月18日

鹿茸雲便りNo.19:十三夜の戯れ言

最近は夏目漱石の『草枕』の冒頭部分を思い出すことが増えました。

【山路(やまみち)を登りながら、こう考えた。 智(ち)に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。】

意地をとおせば道理が引っ込む……じゃなかったか!


今夜は十三夜! 漱石には『夢十夜』という作品がありますね。活字でも漫画でも部分、部分をチマチマ読んだ記憶があるような、ないような……要するに明確な記憶にございません (-_-;)

https://honcierge.jp/articles/shelf_story/6218



話をもどしまして……今夜は十三夜! この風習が庶民に広まったのは江戸時代だそうです。陰の象徴である月は「お陰さま」に通じると考えられ、生きる糧である作物に感謝する旧暦9月の「収穫祭」の意味も込めてお月見をするようになったとか。この発想はいかにも日本人らしい気がします。他の説もあるようですが、十五夜は中国伝来、十三夜は日本固有の行事というのが私の中ではポイントが高いのです(笑)


樋口一葉の『十三夜』を読みやすくしたサイトがあったので読んでみました。この後、青空文庫で読み返します。そうすると内容がわかりやすいので(;´∀`)

https://bungakubu.com/jyuusanya-gendaigoyaku-higuchiichiyou/


青空文庫には尾崎士郎の『十三夜 マニラ籠城日記』もあったので、メモメモ φ(・ω・`)

https://www.aozora.gr.jp/cards/001753/files/59033_ 70197.html


今日までのワタクシのカオスな読書記録をのぞき見したいという方がいらしたらコチラを →
https://bookmeter.com/users/718307/books/read



今朝はヒンヤリとしていましたが、澄んだ空気の中で美しい月が見られるといいなぁと思います。ではでは皆さま、今週もご安全に (*・ω・)ノ



【追記】
尾崎士郎の「十三夜」は結論からいうと未完でタイトルの十三夜は全く出てきませんでした。日米開戦時にフィリピンにいた日本人たちの収容所生活について書かれています。こんな状況でも生まれた新しい命は嬉しいものですが、10日あまりの記述で終わり。その後、どうなったのか…。

気になったのは終わり近くのこの文章。

……そういえば、この十日あまり、香水と脂粉を忘れた女たちのたるんだような顔が妙に醜いものに見えてきてならぬ。女の美しさというものは男を信じ、男にたよりきったところから生れる。それがこの味気ない生活の中では絶えず物におびえながら、虫けらのようにひとりぼっちの自分を支えていなければならぬ。夜は、便所に立ってゆくと、廊下に乾してある濡れたおしめでひやりと頬を撫でられることがある。その、ぞくぞくっと来る悪寒の中に生々しい現実がどっしりと根をおろしているのだ。 ……


「女の美しさというものは男を信じ、男にたよりきったところから生れる」ですと……(`Δ´) 時代もあるかもしれませんが、ムカつく一文でした!



rohengram799 at 09:25コメント(2) 
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