岡本かの子

2019年10月23日

紅樹雲便りNo.21:Turn It Into Love

佐伯チズさんが「鏡を持って歩かなくなったら女を捨てること」「毎日、イケメンと恋をしてね。日替わりでも月替わりでもいいから」と講演で話していたという記事を読みました。毎日イケメンと恋💓😍💓 妄想の中でもいいのかしら?

https://www.asahi.com/relife/special/interview/11040380



こちらは息子への愛が止まらない、かの子お母さん! 太郎はその愛を蓄えエネルギーにして爆発させていたのかも? 本日はWinkの「愛が止まらない」をBGMにしようかしら(笑)

https://sp.uta-net.com/movie/21195/

 


『愚なる(?!)母の散文詩』(青空文庫より全文)


 わたしは今、お化粧をせつせとして居ます。
 けふは恋人のためにではありません。
 あたしの息子太郎のためにです。
 わたしの太郎は十四になりました。
 そして、自分の女性に対する美の認識についてそろそろ云々するやうになりました。
 太郎の為にも、わたしはお化粧をしなくてはなりません。太郎が、いまにいくら美しい恋人を持つとしても、マヽが汚なくては悲観するでせう。さういふ日の来ない先から、わたしはせつせとお化粧します。けふは恋人の為にではありません。太郎の為に未来のずつと未来までも、美くしいマヽであり度いお仕度の為にせつせとお化粧のお稽古です。
 いまに美くしい恋人を持つても、つひ傍のマヽが汚なくては太郎も悲観せざるを得ないでせう。美しい恋人に美くしいマヽ、それでなければ、太郎の幸福は完全でないでせう。現在だとて、けふの今にも太郎は学校から帰ります。お菓子をもらふより先きに太郎はマヽを見ます。その時、太郎の眼にマヽが綺麗でなかつたら――わたしはお化粧をします。今日は恋人の為にではありません。
 わたしは学びます。唐うたを、やまと言葉をフランス語を。そして知らうとします、哲学を宗教を。また絵を文学を、音楽を味ひます。けふのそれらは単にわたしの欲求や嗜好ではありません。太郎のマヽは優れた思想や感覚を持たねばなりません。わたしは学びます。唐うたを、やまと言葉をフランス語を。そして知らうとします哲学を宗教を。また絵を文学を音楽を味ひます。それゆゑ太郎の着物の綻びも縫うてやるひまがありません。太郎は、ぶつぶつ云つて居るやうです。しかし、いまに御らんなさい。太郎はやがて、唐うたを、やまと言葉をフランス語を学び、そして哲学を宗教を知ることによつてよき思想を持ち絵や文学や音楽を味つて充分官ママ覚の洗練されたそのやうなマヽを持ち得るでせう。太郎は、綻びの着物の前をかき合せながら、そのやうなマヽを持ち得たプライドに満ちて幸福でせう。
 今日からお金まうけを始め度いのです。わたしの下手な詩でも買つて下さい。
 わたしはお金をまうけて、恋人に香ひの好い煙草一箱買はうとするのでもありません。また、わたしのドレス一枚買はう為めでもありませんよ。
 当てゝ御覧なさい。当りませんか。
 やつぱり太郎に就いてですよ。ですが、年頃の男の子にあまりお金をやつてはよくありません。わたしは貯めて置くのですよ。お金は麻のハンカチへ一包、二包。それから古い革手袋や、昔はやつたお高祖づきんの布つ片にしつかりくゝつて。そして、決して決して太郎には見せません。
 わたしは遣るのです。そのお金でいまに太郎の美くしいお嫁に着物を買つてやるのです…………太郎はどこからかきつと美くしいお嫁さんを連れて来ませう…………そのお嫁さんは、ひよつとするときつい意地悪るかもしれません。
 それでもわたしはきれいな着物を買つてやります。太郎は美くしい着物を着たお嫁さんをまた一だんと好みませうから。お嫁さんが、わたしをいぢめるお嫁さんでもおかまひなし、わたしは太郎のよろこびのために、そのお嫁さんに美くしい着物を買つてやります。
 ですから、わたしは今日からお金を貯めなければなりません。
 わたしの下手な詩でも買つて下さい。わたしが香の好い煙草一箱恋人に買はうとでもすることですか、またドレス一枚わたしの為に買はふとするのでもありませんよ。
 みんな太郎の為に…………太郎の美くしいお嫁さんに着物を買ふため麻のハンカチ古い革手袋、昔はやつたお高祖づきんの布つ片へ、そつと貯めて置かうとするお金なんです。




かの子母さんの記事はいくつか書いていますが、太郎氏への手紙が印象的だったコチラもよろしければ…。

http://blog.livedoor.jp/rohengram799/archives/50599626.html



rohengram799 at 00:00コメント(2) 

2019年02月08日

令月雲便りNo.13:万年!? 若き女性気質 (*^.^*)

『現代若き女性気質集』という岡本かの子さんの随筆(?)がオモシロイ! かの子さんは岡本太郎氏の母上なので、彼女の生きてきた時代と今はずいぶん違うはずなのに、ウンウンしてしまうことがたくさん(*゚∀゚)*。_。)*゚∀゚)*。_。)


その一部をご紹介します。



○「恋など馬鹿らしくて出来できなくなりましたわ」と言う。「けれども愛の気持ちだけは失い度くありません。」

○チョコレートを食べられる暇さえある職業だったら職業というものは何という好もしいものでしょう。

○「おなかが減すいて家へ帰る電車がなかなか来ないときだけ、ちょっとセンチになるわよ。」

○来年あたりのことまで見当がつくけれど其の先は考えても判わからない。考えると頭が痛くなるから止す。

○「どうしてこう心配事が出来ない性分だろう。もっとも心配事があると直ぐレコードをかけて直ぐ紛はぐらかしちまう癖くせがあるんだけれど。」

○牡丹や桜のように直ぐ散ってしまう花には同情が持てない。枯かれてもしがみ付いている貝細工草や百日草のような花に却って涙がこぼれる。

貝細工草とはこの花のことらしい。
http://garden-vision.net/flower/magyo/mugiwaragiku.html


○ラグビーを見ているときだけ男の魅力を感ずる。

○大概な事は我慢が出来るけれど。鈍感なものだけはトテモ堪らない。

○ジャズの麻痺、映画の麻痺、それで大概の興味は平凡なものに思える。始終習慣的に考えているのは「何か面白いものは無いか知らん。」

○偉くなろうなぞとはちっとも思わない。空虚な気がする。それより刹那々々の充足感。

○「流行なんてつまんないと思うんだけれど、やってみれば悪い気持もしないものね。」

○「あたし達に向ってはっきりした考えを言えと言ったって、そりゃ無理ですわ。まだまだいろいろ経験してから考えを決め度たいと思って居いるんですもの。」

○彼女の笑いは、全く自然に見えるほど洗練されている。けれども彼女は、腹の底から笑った味を知らない。



全文は青空文庫で読めます。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000076/files/4538_15433.html


かの子母さんって花に関する描写が美しいのです!
『五月の朝の花』という短い文章があるんですが(これも青空文庫で読めます)「そら、大粒の赤玉、白玉のメノーを七宝の青い葉茎がくっきりうけとめている、チューリップ!  ルビーと紫水晶のかけらのスイートピー。  くじゃくの彩羽の紋所ばかり抜いて並べたパンジー。」とあって、特にスイートピーの表現は素晴らしいなぁと思いました《*≧∀≦》



【おまけ:ぜひサザエさんに作って欲しいカツオのビンタ】

http://r.gnavi.co.jp/g-interview/entry/cr/2943



rohengram799 at 15:35コメント(2) 

2016年07月09日

布雲便りNo.9:Saturday Night Fever

♪恋する女は 夢見たがりの いつも ヒロイン かの間の……


これは来生たかおさんの名曲『シルエット・ロマンス』でありますが、シルエットの語源が人物名からと知り、えっ(゜д゜)と思いました。「シルエット」の語源になった人物って、どんな人?をお読みいただけたらわかると思いますが、うん、意外でした! 違う名前の人だったらシルエットではなくカーディガンだったりブルマーだったりする可能性もあったワケですから( ̄▽ ̄;)



さてさて……吉村昭さんの動物小説集『羆(ひぐま)』を読み終わりました。山に入り嫁の敵のクマを撃ち(「羆」)ランチュウの飼育に夢中になり(「蘭鋳」)軍鶏師として優勝を目指し(「軍鶏」)遠距離の鳩レースに参加し(「鳩)」ハタハタ漁にも出掛け(「ハタハタ」)……グッタリ疲れましたわ! 動物たちの生態・本能と、それを利用したり操作したりする人間の傲慢さや愚かしさや身勝手な感傷など……それぞれの生と性と死が絡んだ生々しさ(ある意味、エロ本に見えないエロ本かも……昭和な時代臭もまたヨシ!みたいな)にう~ん、となりました!


そしてもう一冊『海馬(トド)』も買ってあります! こちらは「鰻」(これは映画『うなぎ』の原作だそう)「闘牛」「蛍」「鴨」「羆」「錦鯉」「トド」の7作品。またヒグマがいます……私の前世はマタギかクマだったんでしょうか? 体型はたしかに“クマモン”なんですが(-_-;)


クマやオオカミ、鹿を追っかけたりとマタギ関係の本は何冊か読んでいますし、鳩レースも関口尚さんの『はとの神様』を読んでいたので、ある程度の下地はあったからかわかりやすいというか、入り込みやすかったです。ランチュウにシャモ、ハタハタの話は読んだことがないなぁ……シャモやハタハタは食べたこともないし(^^;)(;^^) 何かオススメがありましたら、教えて下さい!←食べ物やお店ではなく小説をお願いします(笑)



蘭鋳ではありませんが、なんか岡本かの子(岡本太郎氏の母上)さんが金魚か鯉の話を書いていたような('_'?)……と思い出し、検索したら『金魚繚乱』というタイトルでした。


複一は東京のとある古い町の崖下にある金魚屋の跡取りとして育ちました。同じ年に、崖の上のさるお金持ちの家に女の子が生まれます。真佐子という名の少女は父親が金魚好きだったために毎日のように複一の家に来ては金魚を眺めて帰ります。赤い着物を着てふらふらとさまようように歩くその姿が複一にはまるで金魚そのものに見え、複一は真佐子に対して恋でもなく、愛情でもなく、尊敬でもなく、もはや畏怖に近いような念を持ち続けます。

「人間に一番自由に美しい生き物が作れるのは金魚だけじゃなくて」「素晴らしい、見ていると何もかも忘れてうっとりするような新種の金魚を造って。わたし、なぜだか自分が生む赤ん坊よりあなたが作るであろう金魚を見るのが楽しみなの」


うわぁ……こんな女の言葉に翻弄される男の物語らしいです(^。^;)



今日は土曜日、以前雑誌で見た《指月布袋》が♪Night Fever、 Night Feverな雰囲気で忘れられなかったので(ジョン・トラボルタって今はどうしているのだろう…まだ俳優さんなのかな?)タイトルにしました。『月をさすゆび』(福永一成)を思い出す……!

http://www.idemitsu.co.jp/museum/collection/introduction/sengai/sengai01.html



台風の影響で西日本を中心に大雨、全国的に荒天になりそうですが、皆さま、お出掛けの時など特にお気をつけ下さいませ。運気好転、よい1日になりますように!






rohengram799 at 10:40コメント(8) 

2014年01月19日

にじ雲便りNo.18:青春・快走!!

昨晩は「雪なんか降るの?」と思っていましたが、朝起きて外を見たら雪が積もった場所がある(@ ̄□ ̄@;)!! オタ息子がバイトに行くときには降っていたというので、明け方近くから降り始めたのでしょうか? 明日は大寒ですもの、雪が降っても不思議ではありませんが……(^^;)))


さてさて…受験生の皆さま、ご家族の皆さま、関係者の皆さま!センター試験、終わりましたね~寒い中、本当にお疲れさまでした。もう今日はゆっくりお風呂にはいってやすんで下さいね! ワタクシは昨晩は「ツムラのきき湯」なんぞ使ってしまいました。入れた時のブクブク感がバブよりスゴい~もっとたくさん入れたらガニ湯に出来るかも…とまたアホなことを思ってしまいました。


アホなおやぢでも、新聞に載っていたセンター試験の国語問題はチラリしています。今年の小説はな~にかな~?岡本かの子女史だ!『快走』…全文が載っている~ネットにあったのはコレか!と思いました。全文はこちらで読めます。


http://www.aozora.gr.jp/cards/000076/files/50618_38176.html


岡本太郎氏のパワーも一緒にもらえそうな(笑)しかし、問題を読んで( ̄~ ̄;)←こんな顔になってしまいましたよ~「刻々に」の意味の五択……三択ならまだしも、5つもあると「もしかしたら自分の思っている意味と違うんじゃないか(◎-◎;)」と不安でいっぱいに……私が受験生だったらものすごく焦ってパニックになっていたかも。読み方もコクコクに…でいいの?コッコク?とますます混乱!……ふだん使っている言葉を改めて文章にして説明するってムズカシイ(´д`) 正解は「次第次第に」です。類義語ってビミョ~にニュアンスが変わるからイヤらしいなぁ…その時の気分でしっくりこないのもあるし。


今日は『烏兎匆匆』という四字熟語を知りました。例によって読めない…
…「うとそうそう」……「涙そうそう」は知っているけど(-_-;)


太陽の中には三本足の烏「金烏(きんう)」が、月には兎「玉兎(ぎょくと)」が住んでいるという中国の伝説から転じて、歳月の意として用いられるようになったそうです。烏兎=歳月、匆匆=急ぐさま、慌ただしいさま。「歳月人を待たず」や「光陰矢の如し」と同じ意味らしいです。カラスとウサギのおいかけっこではなかった( ̄▽ ̄;)


まだまだ人生途中の若者たち! いろんなことがあると思いますが、今しかないこの時を笑顔で回想出来るよう、全力で駆け抜けて下さい\(*⌒0⌒)b♪





rohengram799 at 21:59コメント(9) 

2013年06月30日

うろこ雲便りNo.18:日曜の忘れもの

日付がかわって、今日は6月最後の日曜日~もう半年過ぎたということですね…早いっ!!


7月になるとあちこちでお祭りや花火大会など夏らしいイベントがたくさん♪そして迷子やら忘れものやら(--;)


『日曜の駅に金魚のわすれもの』(一ノ木文子)


昨日の新聞に載っていたのですが、どこかのお祭りで金魚すくいをして楽しんだ帰り、トイレにでもよって忘れてしまったのでしょうか?(関係ないですが、昨日また男子トイレにパンツが脱ぎ捨てられていました…!!)落とし主が見つかるまで駅員さんたちがお世話してくれるのかな?


『大出目錦やあ楸邨といふらしき』(加藤楸邨)


この句が私は好きなんですが、忘れものになった金魚もこんな風に駅員さんを見るのかな~と思うとちょっと笑ってしまいます。でも生き物なので、金魚柄の手ぬぐいとか小物類だったらいいのにな…とも思います。木魚は…ビックリするかな(笑)「やっぱりイラナイ」という考えで置いてきぼりにした可能性とかは…考えすぎかしらん?


岡本太郎氏の母上・かの子女史が『金魚繚乱』という小説を書いていますね。 恋しい女性のイメージに似た新しい金魚をつくり出そうとするけれど、思うようにいかず、失敗した金魚を池に投げ捨てまくり(~_~;)そして何年も経ってから理想の金魚となって泳いでいた…というような話だそうです。何かを造り出す、見つけ出す…そういう執念にとりつかれた人たちの一生って本人は挫折感さえも満足感に変えてしまうタイプ(M属性?)ではないかしら……まわりは大変そうですが(((^_^;)


時間があれば夜にでも《6月の本棚》を書きたいと思います~今日が皆さまにとってビューティフルサンデーでありますように!!




rohengram799 at 01:30コメント(8) 
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