日本文藝協会

2014年12月06日

笑雲便りNo.9:『最後のお便り』~読み手の「覚悟」

先月買っておいた日本文藝協会編の『短篇ベストコレクション 現代の小説2013』を読み終わりました。 2014も買ってありますが、2008から出ているみたいなので他のも手に入れたいところです。


15人の作家さんの中で、初めましての方は草上仁さんと平山夢明さん、宮内悠介さん……平山さんはとにかくホラー系でチョ~怖い話しか書かない人だと思い込んでいたので、意外にホッコリした作品でいい意味で拍子抜けでしたわ。朱川湊人さんの『花まんま』という短編集にある「トカビの夜」をちょっと思い出しました。


さて、タイトルにした『最後のお便り』は家族小説をたくさん書いている森浩美さんの作品で、一番最後に収められています。主人公は昔人気だった男性アナウンサーで今は『こころの焚き火』というラジオ番組を担当しています。しかし5年近く続いた番組も今週で打ち切りに…。最後の生放送直前に姉から入院中の母親が危篤の連絡が入ります。放送終了後に駆けつけますが、間に合わず……しかし、なぜ夜中近くに母は病室ではなく廊下で倒れていたのか?


夜遅くからのラジオをガサゴソしながら聞くのは同室の人に悪いからと(個室は寂しいからと四人部屋に)カセットテープに録音してくれるように頼んでいました。しかし、母親はずっと自販機コーナー横のベンチに座り、オンタイムでラジオ放送を聴いていたのです。その日は夕方から急に冷え込んでいました。


番組の最後にはいつもリスナーからのお便りを読む主人公。母親とふたりきりにしてもらった治療室で、まだ温もりの残る耳元に、息子の「最後のお便り」を届けるのです……ρ(・・、)



作品ごとの短い解説が巻末にありますので、興味のある作品だけを読まれるのもよいかと思います。「5分で読める!」とはいきませんが(笑)



昨日は仕事帰りに何冊か本を買ったのですが、その中の一冊のことも少し……ただ、葬儀関係で内容もキツいものがありますのであまり……でも知ってもらいたい、みたいな感じなので、それでも!!……という方はどうぞ次のページへm(__)m



《追記》
この記事で「2230」だった~ゾロ目を祝うつもりが過ぎていたとは……次は「3333」! 『最後のお便り』はまだまだ先の予定なのです。よろしくお願いします(;^_^A
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rohengram799 at 15:52コメント(6) 
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