星がひとつほしいとの祈り

2017年04月07日

菫青雲便りNo.5:どす黒い思い

昨日は原田マハさんの『星がひとつほしいとの祈り』という短編集を読みました。2年くらい前に千葉の高校入試の国語の問題に「斉唱」の一部があって、読んでみたいな~と思って調べたら、この本に収録されていたのです。しかし、探している時には見つからないものですね( ̄~ ̄;)


「斉唱」は母と子の確執がじっくり描かれているのかと思ったら違っていましたわ。あと「沈下橋」は酒井法子の逃亡事件がネタですか?って感じで興醒めしました。7作品あるんですが、原田マハさんって不倫関係を書くのが好きなのか?と思ってしまう~あとカタカナ職業の人とか、わりといい仕事についている女性が多くて、ちょっとウンザリするかな~って、コレはひがみかしら(; ̄ー ̄A


表題作が一番よかったです。主人公は売れっ子コピーライター(笑)で、出張先で不倫中の上司と別れた後に道後温泉へ。宿でマッサージを頼んだら、盲目の老婆がやって来た。マッサージはうまくて文句はないのだけれど、あまりに上品な口調が気になって彼女の過去を知りたくなる。彼女が語ったのは、深窓の令嬢・箱入り娘だった自分と献身的な女中ヨネとの暮らし、そして戦争がもたらした悲恋・・・とってもよい話だったのに、最後が8月だから夢でもみたかな?的なオチになっていて、えーっ!とガッカリしました。中島京子さんの『小さいおうち』にちょっと共通するところがあるかも?



一番最初の「椿姫」もやっぱり不倫関係で妊娠して・・・の話。連絡がつかないから相手の会社まで行くとかひくわ~(´-ω-`) そして中絶代を30万要求されて、26万しかないといいながら大金(男には違うんだろうなぁ)をそろえて渡す不倫相手にもひくわ~! ひとりで産んで育てるみたいなことをにおわせて結局は堕胎した女にゲンナリしました。



産婦人科医院で制服姿の女子高生が出てくるんだけど、4月3日の読売新聞の人生案内に「高校生の娘が彼と裸の写真」という見出しがあったのを思い出しましたわ(◎-◎;)


相談者は40代のお母さん。ふたりは小学校生のときに知り合い、今は別の高校に通っているけれどSNSを通して再会したらしいとのこと。彼氏はよく夕飯も食べにくるそうで、お母さんの評価は悪くないみたいです。ふたりには話をして注意もしたようです。今は真剣でも別れた後になにがあるかわからないですからね。リベンジポルノとか。しかし、私が気になったのはこの文章です。



「しかし、娘がもう処女でないと考えると、どす黒い思いが消えません。」



ショックです、とかではなく「どす黒い思い」ってなんなんでしょうか・・・これは娘に向けられたもの? 母親としての気持ち? まだ学生なのにとか、自分が高校生の時はそんなことは・・・みたいな潔癖な部分や嫉妬心みたいなもの? もう同じ「女」の立場になったのね、みたいな? なんなんだろう? ウチには息子しかいないからわからない。 父親は息子が高校生で経験者だと知ったらどんな気持ちになるのか?



作品では相手の男の子が父親になる自覚があるようで、救われた気分になりました。いろいろ事情で産まない選択をする人がいるし、仕方ない子供のあると思う。でもこの女はキライ(*`Д´)ノ!!!「夜明けまで」という作品ではシングルマザーの女優が出てきて、いい話と言えばそうなんだけど、でもやっぱり、そんなにまわりの人間がいろんなことを許せるものかなぁと・・・。



あら、どす黒い思いを抱いているのは・・・もしかしたらワタシなんじゃ・・・Σ(-∀-;)



rohengram799 at 11:16コメント(8) 
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