桜庭一樹

2014年04月03日

おぼろ雲便りNo.3:ファミリー・ポートレイト

実家に家族がいなくなると帰らなくなるってわかるなぁ…という気分の毎日、兄が登場する夢をよくみるようになりました。案外、ワタクシはブラコンなのかも( ̄0 ̄;


家族ということでは、昨日読んだ『at Home』(本多孝好)、帯に《水中メガネをかけて読むべきだ。
でないと涙が本に落ちて、ビショビショになってしまう。乙一(作家)》とあったのですが、う~んそこまでは…( ̄~ ̄;)


まずアット‐ホーム【at home】とは、自分の家にいるようにくつろげるさま。家庭的……「アットホームな家庭」という言葉はかなりオカシイことがわかりました(^_^;) 英和辞書では、『家庭招待会』のことを指すそうです。家庭招待会とは「招待者側が在宅の日時を知らせておき、客はその時間内の適当なときに現れる略式のパーティー」という意味のよう……ホームパーティのような雰囲気ってことかしらん?←経験がないからわからないけど(笑) またハイフンが入った「at-home」は単に「家での」「自宅での」という意味だそうです。


「at Home」「日曜日のヤドカリ」「リバイバル」「共犯者たち」の4つの短編集なんですが、表題作は先が読めるというか(レンタル家族っぽい繋がりが最初からぷんぷんするんだもん)予定調和なお話で、私はそんなに好きではない……多分、号泣!とかはこの作品を指しているのだと思うけれど(´д`) 私が一番好きなのは「日曜日のヤドカリ」! 主人公である父親と血のつながらない娘の話。ある日曜日に母親が出かけたあと、知らない男の子が「父親の行方を知らないか」と尋ねてくる。その男と母親がカケオチしたのではないか?という娘と一緒に真相を調べていく……。この母親がたまにしかご飯をつくらない人で、また激マズなんですよぉ!!←ここに共感したワケじゃ……(; ̄ー ̄A 問題がとりあえず解決して、夕飯を食べる場面があるんですが、そのやりとりがイイ( ̄▽ ̄)b


「無理しなくていいわよ。我ながら、これはすごい。お寿司でも取ろう。私が奢るから」「もったいないよ、お母さん。そんなに食べられないほどひどくはないから。この前のシチューのほうがすごかったし」「弥生、それは慰めてるの?それとも責めてるの?」「このくらいの困難は、ソースと七味と生卵と、それから楽しい会話とで乗りきれないことはない。ほら、喋りながら食べ続けろ。喋るついでに咀嚼しろ。俺の水、飲んでいいから」


他の人の感想をブログなどで読むと、私と全く反対に一番よかったのが表題作で、つまらないのがヤドカリだったりして……私の感性って鈍っている?おかしい?年をとりすぎた?( ; ゜Д゜)などと思わず「エーッ!」と声をあげてしまったのですが、人それぞれ、今までの体験やら今の状態やらで違いますもんね。『神様のカルテ』とかも私には合わない作品だったし。あ、「共犯者たち」に出てくるオヤジも好きです!


余談ですが、男前と言われている福山ほにゃはるサンの♪家族にぃなろぉ~よぉ~の歌はなんとなく歌詞にひっかかりがあり(子どもを産んで血筋を絶やさないようにしなさい!みたいなのを感じる)あんまり好きじゃないです( ・ε・) 今回のタイトルは桜庭一樹さんの『ファミリーポートレイト』から。この本の母娘の関係もなぁ……こちらはガッツリ本なので読む方は心してチャレンジして下さいo(*⌒O⌒)b 


……と上まで書いた後、本屋を2つほどまわり『本をめぐる物語 一冊の扉』『森崎書店の日々』(続編しか近くの本屋にはなかった)などを購入してまいりました!! 《春の読書祭り》みたいな記事が多くなるかもしれませんが、よかったらお付き合い下さいませ。





rohengram799 at 18:05|PermalinkComments(8)