深草の少将

2014年11月16日

琥珀雲便りNo.16:恋は曲者

♪枯葉散る夕暮れは 来る日の寒さをものがたり 雨に壊れたベンチには 愛をささやく歌もない……


五輪真弓さんの『恋人よ』を口ずさみながら、「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ……俵万智さんの有名な一句のような人を探したくなる季節になりました。昼間あたたかい分、日暮れが近くなると……(´;ω;`)


さてさて、能の演目に『恋重荷』というのがあるそうですな。あらすじは……菊を愛好する白河院の庭で、菊の世話をする山科の荘司という者がおりました。荘司は白河院の女御の姿を見て恋心を抱きます( 〃▽〃) 女御は荘司の気持ちを感じ取り、臣下を通じて彼に「コレをやったらお前の想いに応えて、姿を見せてあげてもよくってよ」と伝えます。このミッションは美しく装飾された荷箱を持ち、庭を百度、千度まわることでした。なんだそりゃ、とツッコミを入れたくなりますが、彼は「下働きで鍛えてきたオレの力を見てくれ!」と、精一杯の力を込めて持ち上上げようとします。しかし、軽そうに見えたその箱は大変な重荷で、まったく持ち上がりません( ´△`) 何度も何度も頑張ってみますが、持ち上がることはありませんでした……。力を使い果たし、絶望した荘司は「コ・ノ・ウ・ラ・ミ・ハ・ラ・サ・デ・オ・ク・ベ・キ・カ」あの女に思い知らせてやる!と言いながら死んでしまいます。


臣下から荘司の死を知らされた女御は、彼の物言わぬ姿を見て、その死を悼みます。ところが、立ち上がろうとしても、身動きできません。そこに荘司の亡霊が現れます。亡霊は女御のひどい仕打ちに憤り、さんざん恨み言を語り、地獄で苦しんでいることを伝え、女御を責め立てます(`Δ´)(`Δ´)(`Δ´)愛しさあまって憎さ百倍でしょうか。


しかし最後に「オイラのお弔いをちゃんとしてくれるなら、恨みを忘れる。貴女の守り神となって幸せを末長く守るぜぃ( v^-゜)♪」と言い去っていきました……美しい女性に恋をしてしまった老人の悲哀と恨みの物語でございます。ご老人は「恋よ、恋!」ではなく「鯉よ、来い!」と池の近くで手をたたき、エサをまくのが似合っているのでは……。 かなりおやぢ目線でふざけた文章になっております(; ̄ー ̄A きちんとした話を知りたい方はお手数ですが、ご自分で再度お調べ下さいまし。


この話を読んで、小野小町の美しさに魂を奪われた深草の少将の「百夜通い」を思い出しました。満願の日、晴れての契りをむすぶことを約束したのに、少将は最後の晩、大雪のため途中で凍死してしまうのであった……とこれにもいくつかパターンがあるみたいですね。


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rohengram799 at 10:16コメント(8) 
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