眉山

2011年02月09日

第403号:そこにいる人

今日は矢口敦子さんの短編小説『そこにいる人』を読みました。


大学生の主人公には肝臓を長く患っている姉がいて、肝臓移植の必要に迫られる事態に…自分の肝臓を提供するべきなのか?両親は姉を助ける存在として、自分をつくったのでは…とまで考えてしまいます。そしてついに結論を出した、その時…!!


薄い本だし、文体もサクサク…すぐに読み終わってしまいますが、読後の重苦しいこと……うーん。


最近『新ブラックジャックによろしく』(漫画)を中古で購入したのですが、前作はあちこちの科で研修を受けていた斎藤先生が今回は臓器移植問題にドナーとしてかかわります。


それも家族や恋人のためでなく、一緒に仕事をした同僚の女性のために…、他人同士の生体移植です。


漫画を読むと、安易に「腎臓とか2つあるから1つあげるね」などと言えないということがよくわかります。


私がものすごく無知だったので、お恥ずかしいですが、一度移植して拒絶反応がなければもうそのまま…と思っていましたが、移植した臓器の機能低下で再移植とかもあるんですね。ドナーが女性であれば、傷痕も気になるだろうし。今は医療技術がすすんで目立たない方法もあるようですが、手術を受けるというのは、誰にとっても精神的負担が大きいですし、その後のケアが万全とはまだまだ言えないですよね。


臓器移植法が改正され、最初は新聞紙面でも大きく取り上げられていましたが、今は『脳死による移植○例目』というように本当に小さな記事になっていて、最初の方と最近の方でなぜこうも「命」の扱いが違うのか…。


また「××は使えなかった」みたいな文章はやめてほしいと思いました。提供できた臓器だけでいいのに…死んでからなぜ「役にたたなかった」みたいに言われるのか…これでウチの子どもたちは臓器提供に関して拒否する側に意志が傾いた気がします。


亡くなられた俳優の細川俊之さんは献体されたとききました。さだまさしさんの『眉山』でも献体が重要な核になったので、大学病院などに問い合わせが増えたそうです。


未熟な文章で不快に感じたり、不適切と思われる表現がありましたらすみません。





rohengram799 at 00:26コメント(8) 
メッセージ

名前
メール
本文
記事検索
月別アーカイブ