祈り

2019年04月17日

春愁雲便りNo.16:ひぐらしの神様

本屋さんに行くと何か1冊は本を買わなくてはいけない気持ちになってしまう……お目当ての本がなかった時には、う~ん、と悩みながら1冊選ぶ時もあるし、すぐ決まる時もあるし、ガマンガマンで買わない時ももちろんあるんですが………この『ひぐらしの神様』はなんとなく表紙が気に入りタイトル買いした1冊です。



(P[あ]7-2)ひぐらしの神様 (ポプラ文庫ピュアフル) >> https://i.bookmeter.com/books/13117085




『神様の御用人』はタイトル通り神様の御用(お願い)を遂行するシリーズものだけれど(8冊出ている。昨日気がついたけど、ダブりで2冊買っていた……出来れば12巻くらいで終わりにして欲しい。あまり長いとダレるし、あきる)こちらはシリーズではなくてホッ! そして思っていたよりもファンタジーではなくて、ちゃんと地に足をつけて生活しなさい、な雰囲気がよかったです。



神様を扱った話に共通しているのは(自分が読んできた中で)人間から祀られてこその存在、ということでしょうか。人々の願いにより生まれ、そして長い年月とともに忘れられ力を失っていくのは、あまりにも理不尽……!と自分だって特に何をしているわけではないのに思ってしまう。



神様には「○○して下さい」とお願いをするのではなく「○○を頑張るので見ていて下さい」と決意を表明するのだといろんな本に書いてあったけれど、この本でその理由がわかった、というか、そういう気持ちで手を合わせるんだなぁって納得したところがありました。



印象的だった言葉をいくつか……。


「後悔は後悔です。それは、変えることのできぬもの。しかし、その後悔を理由に、今ここにあるご自身のあり方を歪めてはなりません」


「誰かのためにという言葉は、確かに美しいものです。己を捨て置き他者に尽くすことこそ美徳だと、多くの者は信じておりましょう。しかし、他者の支えになるためにはまず、己の足を己で支えねばなりません。それができねば、相手も己も立ち行かぬ。自らの幸福を得られぬ者に、他者を幸福にすることなどできません」


「人はな、青年。自分の中に存在しないものを外から投げかけられたところで、なにも感じやしないんだよ。褒められようが貶(けな)されようが、諭されようが疑問を呈されようがな。人が人の言葉になにかを感じるのは、感じるべき要因がすでにそいつの中にあるからだ。種があるなら、やがて芽も吹く。たとえ、ささいなきっかけでもな」



「自分の力でがんばらなきゃいけない時って絶対あるけどさ、一人でずっと頑張るのって、やっぱしんどいじゃん。だけどそういう時でも、誰かが見ててくれるって思うとさ、なんだか気持ちがしゃんとするんだよ。俺はまだ大丈夫なんだなって、思えるっていうか」神様を信じるってさ、自分を信じるっていうのに、ちょっと似てるよね。





読み終わってから、しみじみ表紙をながめました。


1日をおだやかに、人として美しく過ごせますように………では、おやすみなさいませ(。-ω-)zzz



rohengram799 at 00:37コメント(2) 

2019年04月07日

春愁雲便りNo.6:囁風弄月

「嘯風弄月(しょうふうろうげつ)」という四字熟語があるそうです。風に吹かれて詩歌を口ずさみ、月をながめること。大自然の風景を愛し、詩歌・風流に心をよせて楽しむこと。月を弄ぶなんて大胆な!と漢字を見た時に思ったのですが、自然の前ではそのくらいの大胆な気持ちがないとのみ込まれてしまうのかも。


「月並み」ならぬ「月鍋」というものを知りました。なんだ、それは……酒の入った杯に月を映して呑み込むの鍋versionかと思ったら、熊鍋のことでした。ツキノワグマからの「月」らしいです。熊鍋を食べる機会があったとしても、う~んとなりそうです( ̄~ ̄;)


明日は「花祭り」(*)ですね。『神様の御用人』8巻を読みましたが(四国のタヌキの話もあった)日本は明治維新までは神仏修合でありましたね。今も基本的には変わっていないような気がします。夜中、主人公の言葉にお鼻がツーン!となりました。


「良彦は、車窓から見える景色に目を向けた。今はそのような戦闘があったことなど微塵も感じさせないほど、人と街は穏やかにそこにある。自分の知らない過去を生きた誰かの、祈りを礎に。」(p283)



神様の御用人8 (メディアワークス文庫) >> https://i.bookmeter.com/books/13227293




さてさて……「目玉焼き」の記事に異国の方(だと思う。英文だし)から連続してコメントが届いているのですが、なにやらサッパリ理解出来ない……年に1回くらいこういうのがあるのですが、日本語の理解もアヤシイ私なのに……(´ヘ`;)



どうぞ皆さま、楽しい日曜日をお過ごし下さいませ♪(o・ω・)ノ))





(*)https://jpnculture.net/hanamatsuri/


rohengram799 at 09:58コメント(0) 

2018年12月05日

竜潜雲便りNo.14:拝み太郎~11月の本棚

「徳雲便りNo.12:秋アジサイ(2016/10/17 )」のはじめに、死んで横になったオオカマキリの姿が祈っているように見えた、というようなことを書いたのですが、俳句の季語に「拝み太郎」というのがあって、なんだろう?と思ったらカマキリのことでした。長崎の方言なんでしょうか、やはり拝む、祈る、といった姿に見えるんですかね~?


http://myfavoritenagasaki.blogspot.com/2014/11/blog-post.html?m=1




さてさて、先月読んだ本はコチラです。あんまり本らしい本は読めませんでした(-ω-;)

https://bookmeter.com/users/718307/bookcases/11755300



rohengram799 at 19:56コメント(0) 

2018年07月27日

炎昼雲便りNo.10:堕ち神さま

『堕ち神様の神頼み』というラノベを読みました。単発(笑)かと思ったら続き物だった~!


https://www.kadokawa.co.jp/product/321601000603/



「神はね、祈願を断れないの。参拝者、選べないってこと。十個祈願されたらね、一個ずつ、うまくいくように、一生懸命に祈るの。私は祈ることしかできないけれど、その気持ちがちょっとだけ未来を引き寄せるのね」
阿天坊も言っていたことがある。
神にできるのは、祈ること、そして見守ることだけだと。天罰のような大きな力は、制限されていて一存では使えないと。(p136~137)




今まで香取神宮と鹿島神宮に行ったことがありますが、息栖神社にも行くと「東国三社」に全部出掛けたことになります。どの神社も関東地方東部にある利根川下流域にあり、すべての神社をお参りすると素敵なご利益が訪れると言われているそうです。


https://project311.jp/1285.html



また、移転で揉めた(まだ揉めている気がしますが)築地にあるこちらにも出かけてみたいです。玉子塚とか知らなかった!

【築地・波除神社】

http://www.namiyoke.or.jp/jinjyanogosyoukai.html



rohengram799 at 09:56コメント(2) 

2018年01月27日

新光雲便りNo.21:祈り

第152回芥川賞受賞作品『九年前の祈り』を読みました。表紙がなんとも言えず好きです。みにくく感じるかもしれないけれど、登場人物ひとりひとりに対して「こういう人、田舎にいる(いた)よね」と思いましたわ。


https://r.nikkei.com/article/DGXKZO83194570U5A210C1MZB001


タイトル作品を含む4つの短編集で、最初はそれぞれ独立した違う話なのかな、と思っていましたが、主人公をかえた連作でした。そんなにページ数があるわけではないのに(私の中では薄い本に分類される)内容はギッシリ詰まっている感じ。「祈り」って自分だけの願い事や希望ではなくて、世界平和の祈念とは違う、個人的な物てありながらも、どころかでその姿を見た者の中で、知らず知らずに受け継がれていくものなのかと、読み終わってしばらく経った今、思います。



付録として受賞式での作者のスピーチからの「与え、与え、なおも与え」、これもとてもよかったです。これだけでも読んで欲しいくらいです。



・・・すぐれた作品は、他者に「場所」を与えます。作り手にはもちろん、受け手にも場所を与えてくれます。素晴らしい小説や絵に出会うと、どうして感動するのでしょうか? 自分が受け入れられ、支えられている、どころか感じるからではないでしょうか。そこにいた私たち一人一人のための「場所」が、「私のための場所」があると感じられるからではないでしょうか。作品は、受け取ってくれる私たちを必要とします。私たちを受け入れ、「あなたが必要だ、あなたの存在が大切だ」と訴えているのです。つまり作品は、それに触れる人が「生きること」を望みます。「あなたに生きてほしい」。だからこそ、素晴らしい作品に出会ったとき、私たちは「支えられ」、「励まされ」、「救われた」と感じるのです。・・・(講談社文庫・p242)




今日もまた素晴らしい作品との出会いを求めて本屋さんに行ってしまうであろう、ワタクシです。皆さまもどうぞよい1日を♪(o・ω・)ノ))


【受賞スピーチ全文】

https://books.bunshun.jp/articles/-/2234


rohengram799 at 08:30コメント(4) 
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