葉室麟

2021年06月18日

清遊雲便りNo.10:ほうひ な 読書 (-ω- ?)

オリパラの観客数をどうするか、まだまだはっきりしませんね。「オリンピックの観戦を楽しみにしている」の観戦が一瞬 感染!? となってしまいました……。

平仮名から漢字のイメージというと「ほうひ」と聞いて思い浮かぶ漢字はアレしかないのですが(^o^;)「芳菲」という漢字があることを新聞で知りました。 草花などのかんばしいこと。また、香りのよい草花が繁茂していること。韮(ニラ)に似ている、と思ったけれど、欧陽菲菲さんの名前に使われていますね。


落語で『転失気(てんしき)』がありました。知ったかぶりはよくないぞ!な内容ですが、子どもウケしそう!

http://homepage2.nifty.com/8tagarasu/tennsiki.html



さてさて……こちらの小説、読み終わりました。

雪に咲く (PHP文芸文庫) >> https://bookmeter.com/books/12562147

全く主人公に共感出来なかった……藩を守るために懸命に戦った? どのあたりが? となってしまった。優柔不断な男で、まわりに迷惑をかけたとしか思えなかった……あとページ数のわりに詰め込み過ぎではないかと。

本の帯に「今一番楽しみなのは村木嵐だ 葉室麟」とあったのですが、う~ん( ̄~ ̄;) 他の作品は違うのかな?

一番印象に残ったのは著者経歴に書かれた「会社勤務を経て、1955年より、司馬遼太郎家の家事手伝いとなり、夫人である福田みどりさんの個人秘書を務める。」でした(;´∀`)



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2017年12月24日

暮歳雲便りNo.22:オランダへようこそ!

もう学校は冬休みなんですね~うらやましい! 私は昨日の退勤間際にようやくシフトを手に入れましたわ。大晦日は休みをもらえたけれど、元旦と2日は出勤。来年、箱根駅伝の復路中継だけは見られる、ということですな。まぁ、ヨシとしますかねぇ・・・。


天皇陛下に退位に伴い、10連休とか話が出ていますが「みんなが休めると思うなよ!」ですわ。子どもたちは嬉しいかもしれないけれど。私だったらもう学校には行きたくなくなるなぁ。



年末年始、連ドラの最終回が続きますね。今夜はダンナさんが見ている『陸王』が最終回。コチラは小説が原作ですが、マンガが連載中の『コウノドリ』も最終回でした。マンガと違うのは当たり前なんだけど、その中で【オランダへようこそ】という詩が出てきました。ドラマオリジナルなのかな、と思っていましたが、検索したらいくつも出てきました。


http://www.geocities.co.jp/NeverLand-Mirai/9569/holland.html


『コウノドリ』を見ていると、いろんなことを考えます。赤ちゃんの存在って本当に大きいですね。子どもたちだけでなく、どの世代も安心、安全に暮らせる社会であって欲しいです。





作家の葉室麟(はむろ・りん)さんが66歳で鬼籍の人に・・・ウソでしょ?と思っだけれど、本当だった。好きな作家さんのひとりなのに。作品は残るけれど、新しい作品を読むことが出来ないのが残念。ご本人もたくさん書きたいことがあったのではないかと。合掌。




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2016年10月16日

徳雲便りNo.11:甘いもんでもおひとつ

通勤時に見かける人たちの服装が秋っぽい色合いになってきました。「桜紅葉」「柿紅葉」「花紅葉」という言葉がありますが、夏は緑の輝きを愛で、秋には虫食いの葉にも風情を感じ……銀杏はまだまだですが、気がつけば黄金色になっているかも! 秋の楽しみはあちこちにありますね。


以前コメントにて猫ムスメ様からオススメいただいた、花のお江戸を舞台におっとりした菓子職人の兄、商才に長けた弟が菓子屋を切り盛りする『甘いもんでもおひとつ』(田牧大和)を読みました。「読書の秋「食欲の秋」そして和菓子の美しさに「芸術の秋」を感じる、見事に三点セットになった一冊(≧∇≦) 猫ムスメ様、ありがとうございます!


お店の名前は「藍千堂」といって、まだまだ新興の上菓子屋……ではなく、実は兄弟は大店「百瀬屋」の御曹司だったのです。先代の主人(兄弟の父)が亡くなった後、しばらくして叔父に「百瀬屋」を追い出されることに……! 先代の片腕だった茂市という、無口で不器用な職人さん(じいさん好きにはたまらない!)も兄弟と一緒に働いています。叔父とは険悪ですが、兄弟にとって従妹にあたるお糸はしょっちゅう「藍千堂」に顔を出しています。


叔父さんはなぜ甥たちに冷たくあたるのかは、いろんなクセのある登場人物たちと、美味なるお菓子たちに心奪われながら読み進めていくとわかります。一話目の柏餅から食べたい気持ちがモクモクと沸き上がってスーパーやコンビニでも和菓子コーナーに目がいってしまう(笑)


「ハレの日の江戸の街の季節感を描きたいと思っていました。今の日本ではハロウィンやクリスマスが楽しまれていますが、古来の五節句というのは、ずいぶんと派手で楽しそうなんですよ。七夕などは、天に願いを届けようと、競いあうように、屋根の上高くに竹を掲げ、夢を描いた短冊をくくりつけたようです」とインタビュー記事土で読みました。七夕の様子は浮世絵にも残っていますね。「お菓子って、なくてもいいかもしれないですが、美味しいものを食べると理屈抜きにホッとするし、顔がほころびますよね」……和菓子を食べている顔と、大好きな人と過ごしているときの表情は似ている……どちらも最高にシアワセ(´∇`)


続編はハードカバーで発売中……人日(じんじつ:七草粥を食べる)・上巳(じょうし)・端午(たんご)・七夕(しちせき)・重陽(ちょうよう)といった五節句を題材に、それぞれの風物詩である和菓子が登場するそうな。そしておっとり兄ちゃんの恋物語も……!? 弟はせつない結果になりましたが、兄ちゃんはどうなるのか……文庫になるのはまだまだ先でしょうが、こちらもまた楽しみに待つことにします。



この本をきっかけに、私の中では時代小説ブームが到来! 先に感想を書いた『ゆめ結い』(イマイチでしたが)続けて葉室麟さんの『風花帖』中島要さんの『かりんとう侍』(感想はいずれまた)を読んで、今は西條奈加さんの『閻魔の世直し』……これは『善人長屋』の続編ですが、前作を知らなくても楽しい作品。 その次も何冊か控えております! 皆さまも甘いものを食べながら、時代小説や時代劇を満喫して下さいませ。





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2014年10月30日

恋雲便りNo.23:「鯛」にあらず

昨日はワタクシ的にオモローな事がなかったので、ブログ更新を休みましたが、今日はダンナと映画『蜩の記』を観てきました。小野寺姉弟物語(笑)は近くの映画館ではやってなかった……まぁダンナは観ない!と言ったと思いますが。


豊後、羽根(うね)藩。 城内で刃傷騒ぎを起こした檀野庄三郎(だんの しょうざぶろう)は、家老・中根兵右衛門の温情で切腹を免れたものの、僻村にいるとある男の監視を命じられる。その男とは、7年前に藩主の側室との不義密通の罪で10年後の切腹と家譜の編纂を命じられ、向山村に幽閉されている戸田秋谷(とだ しゅうこく)だった。 秋谷の切腹の期日まで寝食を共にし、家譜の編纂を手伝いながら秋谷の誠実な人柄を目の当たりにするうちに、庄三郎は秋谷に敬愛の念を抱き、次第に秋谷の無実を確信するようになる。やがて庄三郎は、秋谷が切腹を命じられる原因となった側室襲撃事件の裏に隠された、もう1人の側室の出自に関する重大な疑惑に辿り着く。


Wikipediaによる説明でありますが、この重大な疑惑にたどり着くまでちょっと長いかな~という気がしました。でも日本の四季の移り変わりがとても美しくて、テレビ時代劇のようにやたらに騒ぎ立てることもなくて……能面チックな堀北真希ちゃんがヒロイン役でよかったと思いましたね。これがスゴい主張する顔立ち、表情の女優さんだったら雰囲気が台無しだったでしょうから。ダンナとふたり、見終わってから「役名はなんだっけ?」ってくらい名前も思い出せなかったです( ̄▽ ̄;)

奥さま役の原田美枝子さん、尼になった寺島しのぶさん、抑えた演技でとてもよかったし、子役も作りすぎずにうまかったと思います。


衣装とかキレイ過ぎるだろ~!というツッコミや、ちょっと登場人物がみんなリッパすぎなくないか?みたいなところはありましたけれど、切腹シーンとか無駄に血を流す場面もなかったし……忠義の心、縁を尊ぶ心、友によせる心……長い年月の流れの中でその繋がりが細くなり途絶えてしまうこともあるかもしれないけれど、きっとがどこかで誰かがその想いをつないで後世に伝えてくれるはず……いい時間を過ごせたと満足しました。


役所さんが正座からスッ!と立ち上がる場面では「イヤ~私、正座もムリだしあんなにスマートに立ち上がれないわ」とへんなところに感心してしまいました( ̄∇ ̄;)岡田くんの立ち振舞いも素晴らしく……時代劇役者としても頑張って欲しいです(´∇`)


テレビコマーシャルで『蜩の記』って画面に出るたびに『鯛の記』に見えて仕方なかったのですが、今度から正しく漢字を認識出来ると思います~『鯛の記』だったら竜宮城にいる乙姫さまの記録係みたいですもんね。


帰りに本屋によりましたが「今月はもう本を買わない!!」と決めたので(だって、新刊も何冊か買ったので本代だけで諭吉くん×2は確実に使ってしまったんですもん)原作を買うのは来月(もう明後日ですが)にしたいと思います~ちなみに今は朝井まかてさんの『先生のお庭番』を読んでいます(^o^)v


皆さまも充実した秋の一日をお過ごし下さいませ。





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2014年08月25日

遊雲便りNo.15:おやぢ晩夏~いのちなりけり

明日26日は祖父の祥月命日です。父も夏に逝きましたが、祖母と母は1月に……私も寒い季節に空のお城に旅立つのかしらん?と思ったりしています。


葉室麟さんの『恋しぐれ』読み終わりました。最初、与謝蕪村の老いらくの恋について書かれているのだと思っていたのですが、違いました。彼をとりまく人々を主人公にした7つの連作短編集といった方がいいかも。でもその中に彼の想いや苦悩が垣間見えて、構成もうまいなぁと思いました。 

蕪村は現在の大阪市都島区に生まれましたが、20歳の時に江戸に出て、当時の著名な俳人であった早野巴人(後に夜半亭宋阿と称す)に師事し、27歳の時に(1742年 寛保2年)夜半亭宋阿が亡くなったことを機に、松尾芭蕉に憧れて東北を旅したり、栃木、茨木、丹後や讃岐を旅したりしながら詩作を続けた人。42歳の時に京都を永住の地と定め、このころから「与謝」を名乗るように。俳句を教えながら45歳の時に結婚。娘がひとり。この娘さんの話もあります。また幽霊画でおなじみ(?)の円山応挙や『雨月物語』の上田成秋らとの交流が描かれていて、名前は知っていても活躍した時代がよくわからないワタクシだったので、そうなんだ~!と……また新聞の歳時記でよく見かけていた几董(きとう)や大魯(だいろ)の名前も出てきて、ああそう言えば……で、なんか感動(´∇`)


どの作品も単独で読んでいただいても大丈夫なのですが、私が特に好きなのは『雛灯り』。

 
「箱を出る顔わすれめや雛二対」


雛人形って一体ずつしまわれると思いますが、次に逢うまでは一人きりで狭い箱の中にいるんだよなぁ……もしかしたら人間の身勝手で、やむを得ない事情でずっと箱の中にいて、もうお互いの顔を見ることが出来ないのかもしれない……と初めてお雛様の気持ちになりましたわ。暗闇の中で愛しい人の顔を思い浮かべているのかなぁとか、イヤ、みんな正面向いているから顔なんか初めから知らないんじゃ?とか右大臣なんか酔っぱらいおやぢだから、何年経ったかなんて全く記憶にないんじゃないかとか……最後はいつものようにアホな考えにいってしまいましたが、決してこんな内容ではありませんので(;^_^A



『隠れ鬼』という話の中にはこんな言葉がありました。


「わたしは、いままで世を恨み、ひとを憎んで生きてまいりました。しかし、ひとが日々努力し、おのれの命を全うしようとする姿こそが美しく、愛おしいのだ、と思いました」



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rohengram799 at 13:21|PermalinkComments(8)